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読書感想文が給食の酢の物(すのもの)くらいきらいなキミのための読書感想文の書き方

読書感想文、イヤだろ?


楽しい夏休みに、宿題なんて出さないでくれよって思うよな。
算数のドリルはおわる気がしないし、
日記なんてめんどうだし、


自由研究は、なにしていいか分からない。


その自由研究と同じくらいどうしていいか分からないのが読書感想文だ。
お兄さんも「読書感想文屋さん」なんて名乗ってるけど、読書感想文はイヤだった。


どのくらいイヤかというと、給食に出てくる酢の物(すのもの)くらいイヤだった。


すっぱいし、おいしくないし、キャベツのしんはかむとあまずっぱい汁がいっぱい出てくるし、なのにしょっちゅう登場する。
かんべんしてもらいたいよな、あれ。


読書感想画なんて、もっとどうしていいか分からない。


表紙の絵、かいちゃダメなの?
中の絵で、かいちゃダメなの?
「見ないでかいて」って言われても、かけないよ。
残念だけど読書感想画のかきかたはお兄さんにもアドバイスできない。

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もう炭治郎でいいんじゃないかな。


いや、ダメだな。「鬼滅の刃」はマンガだからダメだね。ごめん。
でも読書感想文の書きかたならアドバイスできる。
心配しないでほしい。
よくある「読書感想文の書き方」みたいな本とはぜんぜんちがうから。
ドラえもんがのび太に読書感想文の書き方を教えるマンガとも、
スーツ姿のえらい先生が書いた本ともちがうから。


読書感想文がイヤなキミは、
あのとおりに書くのもめんどうだよね。


「フォーマット」っていうんだけど、「このとおりに書いたら書ける」って言われてもそのとおりに書くことすらしんどいよね。僕もイヤだ。
あのとおりに書けって言われても、それすらイヤだ。僕はイヤだ。書けない。


だから僕は、君に3つのアドバイスをあげよう。


この3つのアドバイスにしたがえば、読書感想文は書ける。
そんなにむずかしくないから、だいじょうぶ。
それじゃあさっそく、1つ目のアドバイスだ。


1 セリフを入れよう!


読書感想文に、とうじょうじんぶつのセリフを入れるんだ。
気になったセリフを入れるんだ。こんなふうに。

ボクは、帆高のこのセリフがきになりました。
(1行あける)
「もういいよ! 陽菜はもう、天気の巫女なんかじゃない!
 もう二度と、晴れなくたっていい!
 青空よりも、俺は陽菜がいい!
 天気なんて――
 狂ったままでいいんだ!」
(1行あける)
なぜなら―――――


ほら、これだけで9行うまった。


できればちょっと長めのことばをえらぶのがポイントだ。
あんまり長すぎると先生におこられるから、5~6行くらいがベストだ。


インチキじゃん。


インチキじゃない。テクニックとよんでくれ。
ただし、これを使えるのは1回だけだから気をつけよう。
何回も使って原稿用紙をうめると、先生におこられるからね。


いいかい。使えるのは1回だけだよ。


「なぜなら―――――」のあとは自分で考えてみよう。
あとでせつめいするけど、読書感想文は自分のことばで書くのが大事だからね。
じゃあ次のアドバイスだ。


2 じぶんのけいけんを書こう!


サッカーの試合でも、テストのことでも、今年の夏水泳のじゅぎょうがなかったことでも、お父さんお母さんにしかられたことでもいい。
できれば、しっぱいしたことやうまくいかなかったことのはなしがいい。
じぶんのけいけんを書くんだ。もちろん本のないようにかんけいしてることをね。
じぶんのけいけんから、本をえらぶって方法もある。
たとえば、こんな風に。


・お父さんお母さんにしかられた
→重松清「カレーライス」(国語の教科書にのってるかも)

・弟か妹ができた
→はやみねかおる「バイバイ・エンジェル」(「機巧館の数え唄」って本の中にあるよ)

・学校にいきたくない日があって、やすんだ。
・友だちづきあいになやんでいる。
→あさのあつこ「The MANZAI」

・おじいさんかおばあさんがいなくなった
→湯本香樹実「夏の庭 ―The Friends-」

・部活やクラブでレギュラーになれず、試合や大会に出られない。
→小野寺史宜「ホケツ!」

・ひみつきちを作った
・じぶんのゆめを、だれかにバカにされた
→はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ」


こんな感じだ。なるべくキミが読みやすい本をえらんだつもりだけど、むずかしかったらゴメンね。
教科書にのってる物語だって、りっぱな本だ。
図書館や図書室においてあると思うから、借りて読もう。
ちゃんとぜんぶ読んでいれば、先生だって文句は言わないよ。
前に芦田愛菜ちゃんの本について書いたことがあるんだけど、


読書感想文って、読んだ本の感想を書くものじゃないんだ。


読んだ本の感想を書くだけなら、「ゾロリがかっこよかったです」や「ボクもおしりたんていみたいになりたいとおもいました」でいいはずだ。
でもそれがゆるされるのは、せいぜい小学校1・2年生くらいまでだと思う。
じゃあ何を書くの? って聞かれたらボクはこう答える。


キミの事だよ。


読書感想文は、キミのことを書くものなんだ。
キミがなぜその本を選んだか。
その本のどこがいいと思ったか。
その本とかんけいあるキミのおもいでについて書くんだ。
そして最後に、次の事を書けば読書感想文は完成する。


3 本を読んで「これからどうしたいと思ったか」を書こう!


これさえ書いておけば、読書感想文はかたちになる。
「これからどうしたい」がないってキミも、がんばってひねりだすんだ。
そう思ってなくてもなんとか書くんだ。
「友達となかよくしようとおもいました」や「もっともっとサッカーのれんしゅうをがんばろうとおもいました」なんかでもいい。
「大人がよろこびそうなこと」を書いておけばコンクールで賞もとれるかもしれない。
そんなのヤダ!っていうキミは(たのもしいぞ!)がんばって考えるんだ。

① 「キャラクターのセリフ」
② キミの思い出
③ これからどうしたいと思ったか
これを書いたら、読書感想文になる。
あらすじは書いても書かなくてもいいけど、読む人が「その本を読んでいる」っていうつもりで書くのが読書感想文だから、書かなくてもいい。
ていうか、書かない方がいい。
あらすじを書いてると、うまくまとめられなくて長くなっちゃうからね。
上の①②③は、バラバラじゃいけない。
ちゃんと、つながっていれば読書感想文になるし、「いい読書感想文」にもなる。
この3つを書けば、読書感想文になっているはずだ。


「代わりに書いてよ」?


それはダメだ。
読書感想文屋さんは、読書感想文のアドバイスはするけど(500円)、代わりに書くことはしない。
ネットの読書感想文をうつしてもダメだよ?
ちょっと変えてみてもダメだよ?
メルカリとかで買ってもダメだよ?


すぐバレるから。


学校の先生達もネットでけんさくしたり、最近じゃパクリかどうか判定するソフトなんてあるから。
それにそんなインチキをしてると、将来大学生になって、「レポート」や「そつぎょうろんぶん」を丸写ししたことがバレて、たんいが足りずに留年してお父さんお母さんにお金の事でめいわくをかけるなんてことになるから。(分からない人はお父さんお母さんに聞いてみよう! そんなのぜったいダメ!ってぜったい言われるよ!)


メルカリで読書感想文を買おうとしてるキミも、ちょっと考えてみよう。
そのお金は誰がくれたものだい?
たとえば読書感想文の値段が1000円だったとしよう。
その1000円のために、キミのお父さんやお母さんは、キミが読書感想文を書くのと同じくらい、給食の酢の物を食べるのと同じ位イヤな事や大変な事を1時間くらいしてかせいでいる。
ブラックきぎょうってとこだったら、2時間くらいはたらかないといけない(実体験)。
キミは友達がもってるゲームを自分がもってないことがふまんだったり、
マンガを買えないことがふまんだったり、
おやつがまいにちないことがふまんかもしれない。
でもキミのお父さんやお母さんは(ほかの人かもしれないけど)、キミがイヤだな~、たいへんだな~って思うことと同じくらいのことをして、毎日頑張ってお金をかせいでるんだ。
それを忘れちゃいけないよ。
その点自分で書けばタダだ! 1000円は好きなことにつかったり、ちょきんしておこう。
それに先生達のことを忘れちゃいけない。


キミ、字がきたないだろう?


はずかしいことじゃない。お兄さんだって中学生くらいまで字が下手だった。
いや、今でも下手かもしれない…?
まあそれはともかく、キミがきたない字で原稿用紙に書いた読書感想文を、先生達はいっしょうけんめい読んでいる。
1人10分だとしても、クラスに30人いたら300分(5時間)だ。
ものすごく大変だよ。それを先生達はしてるんだ。
キミをなんとかほめようと、赤いペンを持って、
読みにくい字をいっしょうけんめい読んでくれてる。


そんな先生達のきもちを、考えてほしい。


ズルやインチキじゃなく、ちゃんと自分の手で書いた読書感想文を、先生達に出してほしい。

なんで、読書感想文を書かないといけないのか。


キミがおとなになったときに、「しゅうしょくかつどう」ってものがある。
アルバイトでも、「りれきしょ」ってものを書かないといけない。


おとなになったら、書きたくないものでも書かないといけないときがある。


そのときに、読書感想文を書いたけいけんがやくにたつと思うんだ。
あいてのことを知って(読んで)、
じぶんがどこをすきになったか、これからなにをしたいかを考えて(書いて)、
それをひょうかしてもらう。
読書感想文を夏休みのおしまいまでに書かないといけないように、
「しゅうしょくかつどう」の「りれきしょ」もしめきりまでに書いて出さないといけない。
出さないと、まずうけさせてすらもらえない。
そこでウソを書いたり、思ってもないことを書いたり、ネットや本を丸写ししてもすぐバレる。
バレなくてラッキー、ってこともあるかもしれないけど、きっとくろうする。
そのれんしゅうのために、読書感想文はあると思うんだ。
それだけじゃなくて、ツイッターとかブログで有名になりたいって時に「書く力」をみにつけておくことは大事になる。
お兄さんはライトノベルっていうマンガみたいな小説で読書感想文を書いて、賞をとってすごくたくさん「いいね」をもらったことがある。


さくしゃの人にもRTされて、読んでもらえてすごくうれしかった。



「鬼滅の刃」みたいなマンガで読書感想文を書くのはムリだって言ったけど、キミならできるかもしれない。
ゾロリやおしりたんてい、ヨシタケシンスケさんの絵本でだって書けるかもしれない。
でも「好きだから」っていうりゆうで書いちゃいけないよ。
「サイコロステーキせんぱいがおもしろいと思いました」なんて書いたらアウトだ。
僕が先生だったらやりなおしさせるよ。
なぜ「好き」か、ちゃんと大人のひとをなっとくさせるものを書かないとダメだ。
僕は読書感想文で賞をもらえた時、それをツイッターでつぶやいてたくさん「いいね」がもらえた時、あこがれの先生に読んでもらえた時、すごくうれしかった。
このうれしさを、キミにも味わってもらいたい。
だからキミもがんばって、読書感想文を書いてみてほしい。


読書感想文屋さん、やってます!
1回500円で、本の選びかた、書きかたのアドバイスをします。
なにを書いていいかわからないというそうだんにものります。
かわりに書いてあげることはできません!
読書感想文に困ってるキミはこのnoteのコメントか、ツイッターの @Akagimasahito にDMでれんらくしてください。

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