その名は、エリア・ベネット
*この記事は、私がPSP(リメイク版)でプレイした5~6年前の事を思い出しながら書いたため、若干あやふやな部分や間違ってる部分があると思います。ご注意&ご容赦ください。また、作品のネタバレも含まれています。
FFⅢ(ファイナルファンタジー3)
題名の通り、「ファイナルファンタジー」というゲームの3作目の作品である。
そしてツッコミどころ満載の作品である。
物語は主人公の1人、ルーネスが穴に落っこちた所から始まり、ルーネスの村の幼馴染アルクゥ、鍛冶屋のおてんば娘レフィア、騎士イングズを仲間に加え4人で旅をしてクリスタルの光を取り戻し、魔王ザンデを倒すという王道のRPG作品である。
私はⅡをプレイしていないのだが(何か地雷の匂いがした)、このⅢから導入されたシステムがありプレイする前から楽しみにしていた。
ジョブチェンジと、お助けキャラシステムである。
まあ、それについてはおいおい語っていこう。
物語は主人公ルーネスが、神殿が崩れてできた「祭壇の洞窟」を1人で探検中にうっかり落とし穴に落ちてしまう所からスタートする。
SNS炎上間違いなし案件である。
そこでいきなり3体のゴブリンと遭遇、戦闘に勝利した後出口を探して彷徨うのだが、いきなり問題が発生する。
このFFⅢでは右手と左手、両手に武器を装備できる。右手にエクスカリバー、左手にラグナロクの二刀流なんて中二心くすぐられる装備もできる。
まあ物語最初のダンジョンなのでエクスカリバーなんてないのでダガーとロングソードなのだが、
どう見てもバランスが悪い。
右手のダガーと、左手のロングソードの大きさが違い過ぎて、ちぐはぐ感が否めないのだ。
そもそもどう見ても片手で持てない剣を、二刀流で持ってる時点で無理がある。
そもそも世の中に両利きの人間なんてどれだけいるのだろう。
モンスターとの戦いを通じて成長してるとはいえ、4人全員両手で武器を使えるようになるというのは無理がある気がする。
原作サイドも無理があると悟ったのか、自作のⅣでは武器は基本片手装備、キャラクターに右利きや左利きという設定をつけることになった。
さて右手にダガー、左手にロングソードを装備させたルーネスだが、案の定ルーネスは左手のロングソードが重すぎる動きになってしまい、思ってた以上にモンスターを倒すのに苦戦する羽目になった。
FFⅢでは武器を扱う右手と左手の習熟度を上げないと二刀流がうまくできないのだ。
私は夢の二刀流を諦めた。
いや、その後は右手にエクスカリバー、左手にラグナロクの夢を追い続けるのだが、この時点では右手にダガー、左手にもダガーのナイフ二刀流に変えた。心なしかルーネスも生き生きしだして、攻撃が軽く、速くなった。
こうしてナイフ二刀流になったルーネスを、ダンジョン中間にある回復の泉というHPとMPを回復できる泉の近くでレベルアップさせ続け、熟練度と習熟度も上げた。
私は分かっていた。
絶対この先にボスがいると。
曲がりなりにもRPGを何作かプレイした身である。
そんなやすやすと出口まで辿り着けるはずない。
レベルを上げ、雑魚モンスターならダメージを食らわずに一撃で倒せるようになってダンジョンの奥に進むと…
ほらね、ガメラみたいなボスモンスターがいる☆
…どう見ても1人で倒せる相手じゃないだろう。
その後も色んなボスが出てくるのだが、このカメのモンスターはボスモンスターの中でも大きい方である。何でお前最初のボス…
私がルーネスだったら別の出口を探すか、助けが来るまで回復の泉の前で待つのだが残念ながらゲームの世界では「たたかう」一択である。剣と魔法のファンタジーの世界は意外とシビア…
そして勝った。
思った以上にあっけなかった。レベル上げを念入りにしておいたのがよかったのだろう。
洞窟を出たルーネスは、案の定村の長に叱られるという目に遭うのだが、洞窟の奥にあった風のクリスタルのお告げに従い世界を救う旅に出る事になる。
そのお供に、村の悪ガキたちにイジメられている幼馴染のアルクゥを仲間に加え、更に途中の村で鍛冶屋の修行から逃げ出していたおてんば娘レフィアも仲間に加わり、サスーン城で頼りになりそうな兵士イングズも仲間に加わるのだが、ここでまたある問題が発生する。
パーティー内格差問題である。
レベル的には皆一緒なのだが、洞窟でコツコツ習熟度と熟練度を上げていたルーネスと他のキャラとの差がひどいのである。
ルーネスが敵に50とかダメージを与えるのに、アルクゥ達はたったの8とかである。イングズ、お前は兵士なんだからもうちょい頑張れよ…
「熟練度」とはジョブのレベルの事であり、ジョブとは戦士や魔法使いといった選ぶことによって剣が使えたり、魔法が使えたりするようになるものである。
そのジョブの熟練度を上げて極めれば攻撃力が上がったり、魔法の威力が上がったりするのだが、最初の時点でのジョブは「すっぴん」一択である。
「すっぴん」?
もっと他になかったのかという気がしなくもないが、「一般人」みたいなジョブで、来ている服はただの布の服である。それで戦うのか…
ただまあ剣や弓矢など武器を幅広く使えたり、魔法も低級なら使える便利なジョブなのだがその「すっぴん」の熟練度がルーネスだけ20、他のキャラは1という状態である。
そんな4人でジンという逃げ出して悪さをしてるランプの妖精をやっつけに行くのだが、ここでサラ姫というお助けキャラに出会う。
お助けキャラとは、一定のストーリーの間旅の仲間に加わりモンスターの戦闘を手助けしてくれる存在である。
・・・の、はずなのに滅多に手助けしてくれない。
たまに魔法を撃ったり、回復魔法をかけてくれたりするのだがパーティーが全滅しかかってるのに魔法を使ってくれなかったり、体力満タンなのに回復魔法をかけたりする。
ボス戦の前になると離脱するキャラもいたり、必要ある?と思うほど短期間しか同行しないキャラもいる。まあ後々語って行こう。
そんな初めてのお助けキャラであるサラ姫が体力満タンの時に回復魔法をかけたりしてくる中(意味ない)、ジンはほぼルーネスの活躍により倒す。
そしてここで祭壇の洞窟にワープさせられ、クリスタルの導きによりジョブチェンジが可能になる。
ここで選べるようになるジョブは戦士・モンク・白魔道師・黒魔道師・赤魔道師・シーフだ。
新しいジョブでは熟練度1からのスタートなのでここで格差がなくなる。グッバイ、格差社会…
私は4人に次のようにジョブを割り振った。
ルーネス:シーフ
イングズ:戦士
レフィア:黒魔道師
アルクゥ:白魔道師
悪ガキのイングスは似合うのでシーフ、兵士のイングズは戦士、レフィアは黒が似合いそうなので黒魔道師、アルクゥは回復役が一人は必要なので白魔道師だ。
断わっておくが4人にどのジョブを割り振っても差は出ない。
兵士だからといって、イングズの攻撃力が高いわけでもないし、
女の子だから、イジメられっ子だからといってレフィアやアルクゥの攻撃力が低いわけでもない。
習熟度と熟練度で決まるという意味ではFFⅢは公平な世界だ。格差社会などない…。
さてこうしてジョブチェンジも果たした4人だがここで重大な問題が発生する。
家出娘レフィア・お父さんの許しを得ないといけない問題である。
家出をした娘が、いきなり魔法使いの恰好をして3人の男達とモンスターや魔王を倒す世界を救う旅に出ると言う。
どう考えてもダメと言われそうである。
案の定ダメと言われたレフィアだが、確か父親の目を盗んで逃げ出してルーネス達の元へ戻る(記憶があいまい)。
それを受け入れちゃうルーネス達もどうかと思うが、ここから彼らの冒険は始まり、飛空艇を大岩にぶつけて大破させたり、ドラゴンに攫われ巣に落っことされて餌にされそうになったり、そこでお助けキャラのデッシュという青年(ストーリー上結構長い期間一緒にいる。剣と雷の魔法を使えて割と役に立つ)に出会ったり、ネプト竜という竜の像から目を盗んだおおネズミというボスを倒したりする。
そしてオーエンの塔というダンジョンで、ボスのメデューサを倒した後、暴走した動力炉を止めるためその中に飛び込んだデッシュとの別れがやってくる。無茶しやがって…
その際、古代人の末裔だと自称する覚醒したデッシュの謎の力によってルーネス達は塔の外へワープさせられ、次に進むためドワーフの洞窟を訪れるのだが、
このドワーフ達がアレなのである。
「ラリホー!」と呑気に叫んでいるが、とうぞくグツコーという奴にドワーフのつのというお宝の片方を盗まれ、大騒ぎしてるのである。
取り返しに行けよ。
歌ったり踊ったりしてないで取り戻しに行けよ。
まあそんな事をされたらゲームにならないので、当然ルーネス達がそれを取り戻すのを請け負い、グツコーを追いに地底湖へと潜る訳だがここで厄介な事が起きる。
とうぞくグツコー、魔法を使う問題である。
お前が魔法使うんかい!という見た目から「ミニマム」という相手を「こびと」状態にする魔法を使ってくる。
「こびと」にされると魔法の威力は変わらないけれど、攻撃力と防御力が落ちるので厄介なのだ。グツコーは地味に攻撃力あるし…
まあそれは同じ「ミニマム」をかけて「こびと」状態を脱したり、こびとにされても問題ない魔法使いの魔法で攻撃すればいいだけの話である。2ターンくらいで倒せた。
問題はその後である。
グツコーを倒した直後から、謎の黒い影がずっとパーティーの後ろをついてくる。
そしてとりかえしたドワーフのきばを戻した瞬間。
グツコー、死んだふりをしてドワーフのきばを両方ゲットする大作戦大成功☆である。
謎の黒い影に気付かない4人も4人だが、その後のドワーフ達のうろたえようがもうどうしようもない。慌てふためくばかりで取り返しに行こうとしないし、騒いでばかりである。
仕方がないので取り返しに行った。
「炎の洞窟」といういわゆるダメージ床のあるダンジョンで、ていうかマグマの中を進みながら(溶けるだろう普通…)一番最深部にいるグツコーを追うのである。
グツコーは、サラマンダーに変身した!
何だよお前、何でもありかよ。
魔法も使えて、影にも潜れて、ドラゴンに変身できてなんでもアリかよ。それならマジメに働けよ。盗賊なんかするなよ…
しかしサラマンダー、顔がマヌケである。
ユーチューブで「FFⅢ ボス戦」とかで検索してもらえば見られると思うのだが、折角変身したサラマンダーの顔はどう見てもアホそうである。変身しないほうがよかったんじゃないか…?
まあ火のドラゴンだけあって、火を噴いて全体攻撃をしてきたりするのだが、この頃には4人のジョブ熟練度もかなり上がっていて余裕である。
そしてここで、炎のクリスタルの光を取り戻して2回目のジョブチェンジ解放となる。
狩人・ナイト・学者・風水師という4つのジョブが解放され、新たに選ぶ事ができる。
学者と風水師が何か分からないと思うが、「学者」は「しらべる」という固有スキルにより相手の弱点などを調べる事ができ、更に本を使って攻撃(地味に痛い)と魔法も使う事が出来る。
「風水師」は「ちけい」という固有スキルによって、MP消費なしで魔法のような攻撃ができる。更に両手に持ったベルで攻撃(地味に痛い)もできる。「ちけい」はどの攻撃が出るかはランダムで、出る確率は低いがものすごい威力の『シャドウフレア』が出るとボスすらワンパンできる火力が出る。
でもこの時は何が何だか分からなかったので、私はイングズを「ナイト」にジョブチェンジさせた以外はパーティーをいじらずに次へ進もうとした。
しかしここでルーネス達の村長から連絡が来る。
村の悪ガキ達が祭壇の洞窟に入って行ったきり戻ってこないのだとか。
こういうクエストをクリアすると何かしらの報酬が貰えるものである。
一行はルーネス達の生まれ故郷の村に戻った。
そして祭壇の洞窟でモンスターに襲われている悪ガキ達を発見した。
見捨てたい…!
お前ら何しとんねん。
ボムというLv.20はないと倒せないモンスターに囲まれたおそらくLv.1の悪ガキ達を見捨てる事も考えたが、ルーネス達はお人好しなので助けに行く。当然倒す。
悪ガキ達はルーネスに感謝を、アルクゥにこれまでイジメていた事を謝罪するのだがそんなものよりクエストの報酬である。
ジョブ「タマネギ剣士」が解放された!
説明しよう。
「タマネギ剣士」とはその名の通りタマネギのようなカブトを被った戦士の事で、剣も槍も弓矢も魔法も何でも使えるジョブの事である。
レベル99になれば全てのステータスがどのジョブよりも高い最強のジョブになるのだが、それまではステータスが低く最弱のジョブである。そのため中盤では役に立たないジョブである。
当然、誰も変更させなかった。
ゲームは本筋のストーリーに戻る。
ある場所で(どこかは忘れた)行き倒れた人が助けを求めているのである。
村が襲われピンチだ、皆を助けてやってくれと。
これはイカンと思いトックルという村に向かったルーネス達。
村人達は、ルーネス達に襲いかかった!
なんでやねん。
まさかの展開である。
「まどうしハイン」という悪い魔法使いの罠にはまり、ルーネス達はハインの城の地下牢に入れられる。
なぜか、武器も装備も持ち物も奪われないままで。
どんだけ甘いんだよまどうしハイン。
ついでに牢の中は格子が壊れていて隣へ行き来自由である。
その際ハインの部下と戦闘にもなるのだが、なんなく勝利。
ハインにだまされたという城の王様と兵士から、まどうしハインが「攻撃は一切効かない」「魔法は効くけど『バリアチェンジ』というスキルで弱点を変えてくる」「弱点を『しらべる』事ができる学者か、弱点に関係なく『ちけい』でダメージを与えられる風水師ならハインに勝てるんじゃないか」という情報を与えられる。
親切か。
プレイヤーにやさしい親切設計か。
私はハインの弱点を調べるのが面倒だったので、全員風水師にした。
そして始まったハインとの戦闘。
魔法の弱点を変える『バリアチェンジ』をしてくるハインを一切無視して「ちけい」を連打。
レフィアが『シャドウフレア』を引き当てハインに9999のダメージ、あっけなく勝った。
ちなみに『シャドウフレア』は明るい場所では出ないが、暗い場所だと出る確率は高くなる。ハインの城は暗い。何この親切設計…
そんなあっけないボス戦を終えた後、外に出ると…
世界は、暗黒に包まれていた。
なんでやねん。
なんでいきなりそうなんねん。
灰色の雲が広がる世界で、ほぼまともな大地も無い中とある難破船を発見する。
そしてその中で、水のクリスタルに仕える水の巫女・エリアと出会う。
運命が、来たぜぬるりと…
金髪碧眼、ギリシャ神話に出てくる女神達が着ているような白いノースリーブのドレスを着た彼女に一目ぼれである。
水のクリスタルの光を取り戻すために、パーティーに加わるエリアちゃんだが、ここで言い忘れていたのだがお助けキャラにはある嬉しいシステムがある。
連れ歩きシステムだ。
パーティーの先頭にいるキャラ(私の場合はルーネス)の後ろをずっとエリアちゃんがついてくるわけである。
ルーネスが歩けば、同じ方向に進み、ルーネスが走れば一緒に走る。立ち止まれば一緒に止まる。うまく操作してルーネスを反転させれば向かい合う形になる。
もうずっとこのままでいいよ。
世界を救うのも忘れて、ずっとエリアちゃんといたい。
しかしながらそんな訳には行かず、ストーリーを進めるために水の神殿というダンジョンに潜る事になる。
ダンジョンの中を一緒についてくるエリアちゃん。大丈夫、俺が守る…!
戦闘中は回復魔法と補助魔法をかけてくれるのだがあまり役に立たないタイミングでかけてくるのでほぼ意味ないのだがそれでもいい。
私は紳士なのでエリアちゃんを走らせないようにダンジョンをゆっくり歩いた。終わらないでくれ、この時間…
しかしカニやらナマコみたいなモンスターをぶっ倒しながら、最深部まで潜る。
そして水のクリスタルに光を取り戻すため、神殿の祭壇でエリアちゃんが祈りを捧げる。
この時点である事がおかしいのだがそんな事すっかり忘れていた私は「終わった終わった。さあ、次はどこにエリアちゃんとデートに行こう」などと呑気に考えていた。
しかしながら悲劇が訪れる。
エリア「あぶないっ!」
魔王ザンデからの刺客・クラーケンが放った矢からルーネスを庇いエリアちゃんが撃たれてしまうのだ。
クラーケン「光の戦士すら 消し去る呪いの矢をよけるとは運のいいやつよ」
てめえこのイカ野郎!!!
そりゃあボスがいないのは変だというのに気付かなかった私も私だけど、物陰にコソコソ隠れて暗殺しようとしてたなんて何て奴だ。おまけにエリアちゃんを撃ちやがって。
イカ野郎を睨みながら戦闘に入るルーネスと私の気持ちは一緒である。
イカ野郎の弱点である雷魔法を叩きこみ、2ターンキルである。
途中攻撃を食らって「くらやみ」状態になってしまったが…(攻撃が当たりにくくなる)
まあイカ野郎の事なんてどうでもいい。それよりエリアちゃんだ。
エリア「…水のクリスタルに 光がもどったのね ありがとう あなたたちのおかげ… うっ… さあ これを… 水の力が持つ 称号を…」
ダメだ、死亡フラグのセリフがどんどん立っている。
何とかできないか。
ポーションでもどくけしでもフェニックスの尾でも回復魔法でも使って助けられないか。
エリア「いいえ 私はもうだめ… さあ もう行ってください… お願い… 闇をふりはらい この世界に 再び平和を…」
助けられませんでした。
なんでやねん。
なんでルーネス達は何度死んでもアイテムや魔法で生き返るのにエリアちゃんは助けられへんのや…。
おまけに地震で神殿が崩れ、傷心の中外に出されるとそこには青空が広がる世界。
そんなものいい。青空よりも、エリアがいい。
地震で崩れたはずなのになぜか入れる神殿にもう一度入ってもエリアはいない。
♪愛にできることは~、ま~だあるか~いと歌ったかどうかは定かではないが、エリアちゃんの願いを叶えるため私は世界を救う旅に戻った。えらい。
船、鎖に繋がれとるやないかい。
何か分からないけど船が鎖に繋がれていて乗り込む事が出来ない。
仕方ないので近くの町に入り、町人たちに話を聞くと、ゴールドルとかいうキンキラキンの変態が船を鎖に繋いだのだと言う。
その変態は全身金の鎧を身に纏い、魔法が一切効かず、周りを毒の沼地に囲まれた館にいるんだとか。
お前は戦国大名か。
その毒の沼地に入るとゲームオーバーなため、町の下水道の地下奥深くに住むという偏屈な魔女のババアから「ふゆうそうのくつ」を取りに行かないといけない。気が進まない!
しかしその話を立ち聞きしていた「自分達こそが真の勇者だ!」という勘違いおっさん4人組が先に下水道に乗り込み、モンスター達に襲われピンチに陥っているというイベントが発生する。
見捨てたい…!
しかしながら助ける。こんなおっさん達よりエリアちゃんを救いたかった…
おっさん4人の命と引き換えにエリアちゃん蘇らせてくれよ。
その後魔女のババアに「ふゆうそうのくつをやる」と言われながら爆弾を投げつられたり(不本意だがおっさん達に助けられる)、その「ふゆうそうのくつ」を履いてゴールドルの屋敷に乗り込み「金のクリスタル」(ニセモノ)を思いのほか弱っちかったゴールドルに壊されたりしつつ一行は次の街を目指す。
言い忘れていたが水のクリスタルのイベント後、3回目のジョブチェンジが解放になり、竜騎士・バイキング・魔剣士・幻術士・吟遊詩人にチェンジできるようになっている。
私はイングズを魔剣士にしたり、竜騎士にしたりした。整理しておくとパーティーはこんな感じである。
ルーネス:シーフ
イングズ:竜騎士
レフィア:黒魔道師
アルクゥ:白魔道師
そんなパーティーで、次の目的地であり内戦中というぶっそうな大国サロニアに向かうのだが…
サロニアについた瞬間、爆撃されて船こっぱみじんである。
言い忘れていたが船は飛空艇で空を飛ぶ事ができる。
地上からは城門が閉じられているため入れなかったので、空からは行った訳だが爆撃されてこっぱみじんである。
そりゃいきなり空飛ぶ船が、城壁飛び越えて侵入してきたら大砲ぶっぱするだろうけど光の戦士に対してあんまりな仕打ちである。
ちなみに正面からじゃなく、側面や背面から挑んでも同じ目に遭う。
その原因となったのが、サロニアの大臣に化けていたガルーダという怪鳥のモンスターなのだが、ここまでの旅で、鳥系のモンスターが槍による攻撃が弱点なのを知っていた私は余裕のよっちゃんである。
こちらには槍を使って戦う竜騎士のイングズさんがいる。
「槍を使って戦う……カッコイイね!」と思いコツコツ熟練度上げて来たイングズさんがいる。
「ジャンプ」という1ターン目で空に飛び上がって、2ターン目で空から降りてくるポケモンの「そらをとぶ」みたいな技を使えば一撃だろう。余裕のよっちゃんだ。
ガルーダの「かみなり」攻撃!
えっ、ちょっ、待っ…
言い忘れていたが魔法の威力は相手の人数により左右される。
例えばダメージが100の魔法が4人にかかると100のダメージが4等分されて25ずつ食らうのだが、3人だと33に増える。
ガルーダの「かみなり」はかなり強力なのでダメージはかなり大きい。
そして今イングズは「ジャンプ」で空にいる。
ルーネス・レフィア・アルクゥは致命傷を負った!
3人のHPが一気に赤くなりパーティーは崩壊寸前。
そんな中一人だけ空を飛んでいてノーダメージだったイングズの攻撃!ガルーダは死ぬ。
私がルーネス達だったらイングズに掴みかかりたい所だが彼らは仲良しなのでガルーダ戦が終わった後何事もなかったかのようにイベントの会話を進めていく。
そしてエンタープライズという空を飛び海底にも潜れる新たな船を手に入れ、
ドーガという自分の家の地下にダンジョンを作っているおじいちゃんの魔法使いと一緒にその地下ダンジョンを攻略したり、
海底神殿というレベル上げに向いてる上にいい装備や武器が手に入るおいしいダンジョンを攻略したり
攻撃すると分裂する敵が現れる古代遺跡や暗黒の洞窟で延々敵を増やし続けてしまったり、
ウネというどう見てもただの老女にしか見えないおばあちゃんの魔法使いと一緒に…どこかのダンジョンに行って、インビンシブルという空飛ぶ巨大戦艦を手に入れたりした。
その後ドーガとウネと「エウレカのカギ」と「シルクスのカギ」を完成させるために戦うというイベントが起きたのだが、
ちっとも心は痛まなかった。
2人を倒すと2人は死んでしまうのだが、感動的なBGMを流されてもその前の姿がモンスターに変身していたので同情しろというのが無理な話である。
それにエリアちゃんという尊い犠牲を出してしまったのであれ以上の悲しいエピソードなんてないのだ。
その後ティターンという巨人のようなボスを倒し最後の土のクリスタルの光を取り戻した所で最後のジョブチェンジが解放になる。
最強の攻撃力を持つ空手家、最高の白魔法使い・導師、最強の黒魔法使い・魔人、白魔法と黒魔法を両方使える賢者、召喚魔法を使う魔界幻士、忍者の5つの最強ジョブである。
私はルーネスを空手家に、アルクゥを導師に、レフィアを魔人に変更した。レフィアを魔人にしたのは、魔法使いっぽい黒のとんがり帽子が可愛かったからである。
しかしここで、問題が起こる。
アルクゥ・レフィア「あれ? 私のHP低すぎ…?」
パーティー内格差再びである。
HPは「たいりょく」の高いジョブについてるキャラほど高くなり、低いジョブについているほど低くなる。
高いジョブは戦士やナイトといった鎧を着て前線で戦うジョブである。
反対に低いジョブはもうお分かりだろう、魔法使いである。
魔法使い系のジョブにずっとついていたアルクゥとレフィアのHPは同じレベルなのにイングズと500近く離れてしまっている。
しかしその差を何とかできるのがFFⅢの世界である。
レベルアップのタイミングで、一番HPが伸びる「たいりょく」バカの空手家にジョブチェンジさせればHPがグングン伸びていく。
バハムートの住むドラゴンの洞窟というレベルアップしやすいダンジョンでレベルアップさせればその格差は埋まるという訳だ。
なんでやねん。
体力なんて人それぞれだし、それが努力で埋まるってどんな世界やねん。
FFⅢはその気になれば4人全員を大魔法使いにする事もできるし、剣聖にする事もできるし、タマネギにする事もできる。
全員をHP9999にすることもできる。
さすがに制作側もおかしいと思ったのか、FFⅣからはできなくなったのだが、全員空手家という脳筋パーティーになってレベル上げに励んでいた私はここで新たな問題に遭遇する。
アルクゥ・レフィア「あれ? 私の攻撃力低すぎ…?」
習熟度の話を覚えているだろうか。
右手と左手で武器を扱うレベルの事で、両手に武器を持たせてモンスターを殴らせる事で鍛える事の出来るステータスである。
両手に剣やナイフを持たせてモンスターと渡り合わせて来たルーネスとイングズは鍛えられているが、魔法の杖を持たせて、魔法で戦わせていたアルクゥとレフィアはまったく鍛えられていないスキルである。
結果、ルーネスとイングズは一人でも倒せるモンスターを、アルクゥとレフィアは二人がかりでも倒せないという残念な事態が発生する。
ルーネスとイングズは16HITとか出るのに、アルクゥとレフィアは8HITである。
パーティー内格差、三度である。
しかしそこもどうにかなるのがFFⅢの世界である。
ドラゴンの洞窟に住むモンスター達は、石化に弱く「ゴーレムの杖」という杖を3回当てればダメージが足りなくても倒せるのである。
つまりアルクゥとレフィアに「ゴーレムの杖」を2本ずつ持たせて、二人がかりで4回攻撃を当てさせればへっぽこな攻撃でもモンスターを倒せ、おまけに2人の右手と左手の習熟度も上げる事が出来る。何この努力が報われるやさしい世界…
さて、そんなレベル上げに役に立つドラゴンの洞窟だが、その一番上にはバハムートがいる。
いわずとしればドラゴンの王様で、倒すと最強の召喚魔法「バハムル」の召喚獣となってくれる存在である。
その有名な技が「メガフレア」で、口から全体攻撃の爆撃を放つFF最強の技の1つである。
覚えているだろうか、ガルーダとの戦いを。
ドラゲナイ(竜騎士)となったイングズが空を飛んでいる間に「かみなり」をルーネス達3人が食らい致命傷を貰った戦いである。
イングズを竜騎士にして「ジャンプ」で戦えば勝てるだろう。
しかしそうすると残りの3人が「メガフレア」を浴びて致命傷を負う事必至である。
そうだ、4人共竜騎士にしよう。
そんなことできるの?と言われそうだが、できるのである。
何せFFⅢは努力が報われる世界である。誰でもなりたいジョブになれるのだ。
ルーネス達の竜騎士ジョブの熟練度は最初の村のゴブリンが出る草原でひたすらゴブリンをイジメて上げる事ができる。
そうして4人共竜騎士にし、熟練度を上げまくって迎えたバハムートとの対戦。
ルーネス達は4人共「ジャンプ」!
バハムートの「メガフレア」! しかし誰もいない!
イングズの一撃! バハムートは倒れた!
…ナニコレつまんない。
RPGのボス戦でダメージを食らわずに完勝というのは、つまらないのである。
超強力な攻撃を食らい「うわあっ、やられた!」「大丈夫、まだ回復魔法が間に合う!」とか苦戦しながら倒した方が楽しいのである。私はもう一度バハムート戦をやり直した。
イングズの「ジャンプ」!
バハムートの「メガフレア」!
ルーネス達に大ダメージ!
ルーネス「大丈夫か! レフィア! アルクゥ!」
アルクゥ「今回復魔法をかけるよ!」
レフィア「大、丈夫…、イングズが、アイツを倒してくれるから…」
イングズ「待たせたな(シャキーン)」
実際にはこんな会話起きないのだが脳内ではこんな熱戦が繰り広げられている。
思うに敵の専用技を食らい、その専用ムービーを見るのもRPGの醍醐味なのである。
それを見るためにあえて攻撃を食らうのである。
一方で強制で敵の専用技を食らわされる相手もいる。
「くらやみのくも」さんだ。
「くらやみのくも」
それは魔王ザンデを操っていた真の黒幕。真のラスボス。
世界を暗黒に染めるため光の世界と闇の世界のクリスタルの光をうばった存在。
その「くらやみのくも」という上半身だけのメデューサみたいな髪をした緑色の巨人との戦闘が、魔王ザンテを倒した後強制で始まる。
そして勝てない。
このイベントは敗北必須のイベントである。
「くらやみのくも」にはどう頑張っても勝てず、魔剣士の「あんこく」や吟遊詩人の「ほろびのうた」や魔界幻士の「バハムル」や風水師の「シャドウフレア」で割とダメージは与えられる方法はあるのだが勝つことはできない。
「はどうほう」という全体攻撃を浴びてジ・エンドである。
竜騎士のイングズだけがまた「ジャンプ」で1回目を回避(ルーネス達は死ぬ)しても2回目で死ぬ。
「くらやみのくも」にやられ息絶えるルーネス達。
そこにサラ姫や動力炉に飛び込んだのに生きてたデッシュ、4人組のおっさんなどの祈りが通じ蘇る。おっさん達…
ルーネス達は「くらやみのくも」を倒すため、闇のクリスタルの光を取り戻しに闇の世界へと飛び込む。
そこでエキドナ・2ヘッドドラゴン・ケルベロス・アーリマンの四天王を倒して闇のクリスタルの光を取り戻し、
力が弱まった「くらやみのくも」を倒してエンディングを迎える。
こうして世界は平和を取り戻した………[FIN]
ちょっと待てー!!!
エリアちゃんはどうした。
エリアちゃんがいないじゃないか。
ドーガやウネはどうでもいいが(オイ)、デッシュが生きてたんだからエリアちゃんが生きていてもいいじゃないか。
納得のいかない私はもう一度ゲームを最初から始めた。
エリアちゃんが生きているエンディングを求めて。
俺はただもう一度あの人に―――会いたいんだっ!
♪愛にで~きることは ま~だあるか~い というBGMは鳴ってないが私は走った。
エリアちゃんを取り戻すために。
そして難破船でエリアちゃんを見つけ水の神殿へと行こうというエリアちゃんを連れて、水の神殿を避け続けた。
もういいよ! エリアはもう、水の巫女なんかじゃない!
もう二度と晴れなくたっていい!
青空よりも、俺はエリアがいい!
世界なんて――
狂ったままでいいんだ!
僕らの、恋が言う、声が言う―――――――――生きろと言う。
そんな私の魂の訴えがエリアちゃん、およびゲームスタッフに届く……わけもなくまたエリアちゃんがクラーケンに撃たれる結末を迎えてしまう。
くそおおおおおおおおおおおうっ!
何か! 何かないのか!
エリアが死ぬ結末を回避できる裏技が!?
エリアちゃんに鎧や盾を装備させたり、隠れてるクラーケンを見つけ出して先にブッコロしたりできないのか!?
できませんでした。
運命は残酷である。
水の神殿をくまなく探してもクラーケンは見つからないし、ずっと後ろを歩いているエリアちゃんに話しかけても鎧なんて装備してくれない。
なんでやねん、FFⅢ。
なんでエリアちゃん助けられへんねん…
私はイカ野郎を
①1ターン目に苦手な雷魔法をぶちこむ
②こちらは「くらやみ」状態にならない
③トドメは、ルーネスに刺させる
でぶっ倒す完全勝利エンドを迎える戦いを何度か試してやり遂げ、わずかに溜飲を下げたが納得いかなかった。
でも私は、FFⅢを作ったスタッフに感謝している。
このゲームがなければ私はエリアちゃんに出会えなかった。
きっとエリアは、自らが死ぬ未来にあると分かっていても水のクリスタルに祈りを捧げに行くだろう。彼女は水の巫女だから。
最近p○xiv事典で知ったのだが彼女はわずか15歳である。
15歳にして巫女として生き、運命を全うした彼女に捧げるのは愛と敬礼以外ない。
ありがとう、FFⅢスタッフ。
ありがとう、ファイナルファンタジーⅢ
ただ一言、これだけは言わせてくれ。