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読書感想文じゃなくて、広告だったかもしれない。

何がというと、前回の大人の読書感想文コンクールで受賞した「りゅうおうのおしごと!」の感想文です。
初めて読んだ時、私は物語の熱さに時間も忘れて読み耽りました。
「熱い」
物語の中に登場する言葉が、何度も胸の中でリフレインし無我夢中で読み耽りました。
巻を追うごとに熱く加速していく物語。
勝者だけでなく敗者も描く人物描写の緻密さ、いやそんな解説めいた言葉じゃ収まらない「熱さ」に何度も胸が熱くなりました。
本当に熱い物語は理屈を超えて読む人の心を熱くする。
ここまで血と熱が通った文章を読んだのは、はじめてだったと思います。
作者が自分が本当に書きたい物を書いた物語。文章のテクニックに頼らずほとばしる情熱を叩きつけたような物語はちょっと他では見当たりません。
ディフェンディングチャンピオンとして挑んだ前回。
宣伝会議賞で手一杯だったため締め切り4日前から書き始めて、2日前に出した感想文は賞を取れたらいいなとは思いましたがそれより何よりこの「りゅうおうのおしごと!」を1人でも多くの人に読んでもらいたいと思って書きました。
そういう意味では、読書感想文というより広告だったのかもしれません。


さて、初応募で2作品同時入賞、「新しい風」と称されましたがその魔法はとっくに解けていると思われます。
「新しいもの」はいずれ飽きられてしまう。そのインパクトが強ければ強いほど。
全てが中途半端なステータスの私の文章の才能はとっくに輝きを失った六等星のようなものでしょう。「りゅうおうのおしごと!」の作者白鳥先生や大人の読書感想文コンクールの他の受賞者の方の文章、宣伝会議賞の常連さん達と比べても私の文章力やコンテストに賭ける情熱みたいなものは平凡か並以下の中途半端なものです。謙遜とかではなく客観的に見てそう感じています。
私に文章の才能はありません。あるとしたら、ストーリーを組み立てる才能「だった」のですがその才能も涸れてきているのを自分で感じています。
以前のように、気が付けば夢中で文章を書き上げていた、みたいな事も無くなり今は割と一本描き上げるのに四苦八苦する有様です。これまで積み上げてきた経験と涸れた才能の出涸らしでどうにか書いているようなものです。
おそらく今後文章系のコンテストで何か賞を取る事は難しいでしょう。
それでも、
例え光を失った星屑だとしても流れ星となって誰かの心を照らす文章を書きたい。
今回のコンクールが、私にとって最後の大人の読書感想文コンクールです。
切り札を切り終え才能も魔法も解けてしまった凡人に何ができるのか。
一本は私が子供の頃にしたある特別……ではありませんが忘れられない体験、もう一本は「りゅうおうのおしごと!」と並び私が時間を忘れて読み耽った作品について書いています。
目指すは前人未到の3連覇。燃え尽きるぜ。

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