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ウイスキーの町、山崎を歩くソロ活紀行〜サントリー山崎蒸留所編〜

こんにちは、桂です。

やっと来た、休み!
今日はとってもテンションが高いのです。

フリーランスをしていると正直何もない日はなく(ものすごく忙しそうに聞こえるかもしれないが、全くそんなことはなくお仕事お待ちしております)多少忙しい日なんかはレッスンから演奏行ったり一日演奏or各所レッスンを駆け回ることもあるものの、大体は数レッスン〜半日埋まっていることが多い私。

そうなるともう半日は先々の仕込みだの、何だの(何だよ)という風に過ごすことが多く「この日は絶対に死守する!」と決めていなければ完全な休みは実現しない。

そうしようと前々から決めた、決戦の金曜日ならぬ日曜日がやってきた。今日こそは自分の時間を過ごすのだ。

何をするかはずっと前に決めている。
ウイスキーのサントリー山崎蒸留所の工場見学!

日本酒は大好きでよく酒蔵に足を運ぶものの、とはいえとりあえず一杯目はハイボールを頼みがちな私がウイスキーのことをそんなに知らないのもなぁというのがずっと心にあり、私の祖父も父も無類のウイスキー好きで、しかも酒屋だったし。父から時折発せられる横文字の数々が気になり続けてる…極め付けには休日に趣味の釣り出掛けては様々なお土産を買ってきてくれるので、今日はそのお返しをしたい気持ちも兼ねて行くことにしたのだ。

山崎蒸留所には無料、有料ツアー2種類の計3タイプの工場見学ができるそうだ。ただ、国内外でものすごく人気になってしまった山崎ウイスキー、定期的にあるツアーも抽選で応募を試みるものの決まってサイトがサーバー落ちしていたり、応募できても落選したりしている。

今回はたまたま見たタイミングで無料コースのキャンセル枠があり、一旦はそれに行ってみよう!ということで2ヶ月前に申し込み、ようやくそのワクワクデーがやってきた。

JR山崎駅、いつも大阪方面へ向かう列車から眺めるだけの景色に降り立つ感覚はとても新鮮だ。私の住む京都からはとても近く、ちょうど大阪との県境にあたる。長閑な情景ながら、新しい街には胸が弾むものだ。

歩いていると思いの外 山手であることに気づく。線路沿いを細く伸びる斜面は緑に囲まれ、川が流れている。トラクターの低音に、草木はmid-high気味のコードで風に靡くように伴奏すれば鳥が声高らかに囀る。自然の音も空気と共に目一杯まで深呼吸すると酸素たっぷりの身体は軽快なリズムでズンズンと歩いていける。大きな赤煉瓦の建物を目指して。

ふと何となく、大学の頃に行った京田辺の辺りを思い出す。同志社女子大学 文学部にいた私、京都の今出川がメインキャンパスだったが、時折京田辺キャンパスでTOEICなんかの資格試験を受けることがあった。最寄りの興戸駅という所を降りてからほぼ何もない丘の坂道を登って(同学の皆様、ディスをお許しください) 似たような赤煉瓦づくりの大学へ一直進。いわゆる「同志社村」のような感覚…わかる方いるだろうか。試験で学校に向かう足取り重い同志社界隈より、少しこちらの方が山とか自然に囲まれて軽やかなステップ、かもしれないが、ここも同じように「山崎ウイスキー村」なのだ。

10分程歩くとすぐに到着する。
近くで見ると、結構大きい建物だった。

時間も迫り、急いでいたのでそそくさと門を入って、
歩いていくと見えてくるエントランス。
やっぱりウイスキー版の同志社やないか(なんか失礼)

入ってすぐ受付で名前を伝えると、2階へ案内される。

壁にはウイスキー作りの工程が記された特大のパネルと、中央にずらりと歴代記念ボトルが並べられている。

たくさん人がいたので、一番ヤバそうなボトルを撮影。

販売当初でも数百万はするであろう(父親談)ボトルもおそらく数千万円まで価値が上がっているようだ。ざっと10数本…おそらく億いくだろうか。ひょえー。55年どんな味なんだろうか、一生飲めないだろうな。

奥へ進むとすぐにショップが!

山崎はミニボトルしかなかったものの…おつまみ、グラス〜スキットル、ポストカード、書籍に音楽CD、樽の木のコースターや文具にTシャツまで。海外からの団体観光客の方々もあれこれたくさん買い物をしている。

私もあれこれ物色する。蒸留所限定酒(買うしかないやつ)と、山崎はミニボトルしかなかったものの購入本数は2本と決められていたので、父用と自分用に1本ずつ。

ボトル3本とグラスを購入するとかなり重みがあるもので…しかしながら幸せの重みと噛み締める。

ちなみに父には山崎とウイスキー用のテイスティング
ではない大きいグラスにソーダをプレゼントしたら、
お返しで白州を貰ってしまった…!ウイスキー充🥃

売店を出たその隣にはブレンドのボトルが飾られどのように調合されているかの解説のパネルも展示されている。

その中に聞いたことのある、大変興味深い横文字が。

「Angel’s share」 “天使の分け前”

年々熟成を深めるうちに樽の中の原酒は少しずつ減っていく。木目を通して外気と触れ合って蒸散するためです。貯蔵庫には見えない天使がいて、こっそり味わっているのかもしれない…。この現象は“天使の分け前”と呼ばれています。

—サントリー山崎蒸留所パネルより引用

いや発想、びっくりロマンティックすぎる。

ものづくりにおいて、熟成し蒸発して行く過程を「天使たちに分け与えている」と言える寛容さ。

人が歳を重ねて円熟していくことや、自分の講師業と音楽を作ることにも通ずるな、と思った。

そしてどこかで聞いたことのある言葉だと思ったのは以前友人から譲り受けた香水の名前だった。

ヘネシーコニャックのご子息、キリアン・パリというブランド。香水界のロールスロイスとも言われていて、エンジェルズ・シェアはその代表作。幼い頃に彼がセラーでコニャックテイスティングを見て過ごした思い出を想起させる香りと言われているそうだ。

本当にキリアンの最高傑作だと思う

素晴らしい酒香、素敵な言葉に出逢い直した。
今日という日にぴったり過ぎるので、帰ったら付けよう。

向かいにあった大きな別棟見学が、どうやら有料ツアープランには組まれているらしい。下の階にはブレンド用のボトルが壁一面にずらり、綺麗にレイアウトされたテイスティングバーが待ち構えている。

今日は指を咥えつつ別棟を尻目に、階段を進んで試飲に向かう。

奇跡的に誰もいない瞬間に激写!

色とりどりに原酒が並ぶ通路。
種類様々に飾られていて美しい。

雰囲気を楽しんで歩き回った後は、開けた円卓になっているバーカウンターに並んでメニュー表をもらう。知多や碧(AO)など、市場でよく見るものからテイスティングと呼ぶには恐ろしいくらいの値段の試飲があり(30mlで2万円を超えているものまで…!)

割と、ラフロイグのようなアイラ系も好きだし、ワンチャン…?と思ったけど、山崎、白州…くらいしか味を知らないビギナー中のビギナーなので、チキって山崎12年の原酒体感セット(各10ml ¥1,500)というのを選んでみる(笑)

すぐについでいただき(日本酒感覚)写真も撮らせてもらった。

やわらぎ水と共に飲み比べしてみる。

【テイスティング・メモ】

①シングルモルト・ミズナラカスク12年

べっこう飴のような柔らかな香りと口当たりがある。シルクのようで、スッキリ落ち着いた香木の感じと、梨のようなフルーツ感もある。

②シングルモルト・スパニッシュオーク12年

ピリッとスパイシーな舌の感覚から濃厚、キャラメルのような芳醇さと、プルーンとかレーズンのようなドライフルーツ、カカオのような深みを感じる。

③山崎12年

うわーーー柔らかーーー(語彙力)飲みやすすぎる。そらそうやろって感じやけど原酒飲んだ後に山崎飲むと驚くほど飲みやすい。でもしっかり香り、深みがある。市場では人気すぎて出回っていないのです。飲めて嬉しい。

待って…ウイスキーは濃いのに感想が…薄い…
まだまだ舌が肥えていない。しかし、ストレートでこうして飲み比べると全然違うものだなぁと感じる。今度来る時は有料ツアーに参加したいな。そしてまたここで他のボトルを味わってみたいと思う。

1時間の時間制限があり、ゆっくり香りも味わいながら飲み終わるとちょうど良い時間に。


蒸留所を出てから散策するか、どうしようかと悩みながら帰路を辿って歩いて進んでいくと、少し細く違う道に迷い込んでしまう。 


赤コーン、行ったらあかんよ〜風なのですが、
そうされると余計に行きたくなる、不思議な人間の心理。

あれ?

まずいかな?これ(笑)


あれれ?振り返る…こんな道だったか?

ずっと一本道、だいぶ歩いてきてしまい引き返すのも勿体なく思えてくる(いや引き返せよ、迷子、いや、迷婆か)奥へ進むと、少し人が歩いている。

歴史街道のロゴ!

山以外にも、何かある気がする。

どうやら山荘と、美術館があるようだ!

山崎、ちょっと色んな意味で奥深い土地かもしれない。

ということで次回、〜アサヒ大山崎山荘美術館編〜乞うご期待!


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