【雑記】始めようか、天体観測

シリウスは青くて大きかった。今夜は天体望遠鏡をかつぎ出した。人生初の天体望遠鏡による観測を行った。星をファインダーに入れ、軸を合わせて、ピント調整をする動作には観測という言葉がふさわしい。

ZTF彗星は、真上にカペラがあった19時ごろに双眼鏡でとらえた。昨夜よりもはっきり見えた。

双眼鏡、複数の天体アプリ、そして天体望遠鏡。ZTF彗星の飛来はわたしをすっかり天文マニアに変えようとしている。

天体望遠鏡で初めて見たのは月になった。明るいのでまず練習するにはもってこいの天体である。ティコと呼ばれる深さが4850メートルのクレーターが、ピントを合わせて浮かび上がったときはひとり感嘆の声を漏らした。

ただ、天体望遠鏡は使いこなすには慣れが必要である。はじめは低い倍率のレンズで星を捕捉したら、レンズの倍率を上げていくことを実体験で学んだ。はっきり言ってそれほど手軽ではないということが、今夜はわかった。

めんどうくささを補ってあまりあるのは、星を捉えてその姿が拡大されていくのを目の当たりにする瞬間である。シリウスがレンズの向こうで清涼な青い光を放つのを目撃して、報われた思いになった。

かつて中国ではシリウスを天狼星と呼んだ。今夜の月もまた米国ではウルフムーンと呼ばれている。今夜は狼つながりの天体ショーだった。明日はまたZTFを追う。カペラが頼りである。肉眼ではとらえづらいボワッとした光を探すのはなかなか難儀するだろうが、今夜の月やシリウスのようにその姿を捉えられたらと考えるだけでワクワクしてくる。天文は楽しい。

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