書評;わたしの幸せな結婚 第一巻 顎木あくみ著
こんにちは、匤成です。今回は『わたしの幸せな結婚 第1巻』をレビューします。ペンネームの顎木は〈あぎとぎ〉と読むそうです。
要約;
人ならざるものがいる帝国時代の「和風ファンタジー」。“異能”が重要視されるなか、上級異能者・久堂清霞(きよか)の婚約者となった“無能者” 美世(みよ)の物語。
異能者
時代は、日本が帝国だった時代だ。“式”と呼ばれる異形のもの(特殊能力)が出てくる。妖怪というよりは、結界などの言葉もあるから、やはり特殊能力だろう。
夫となる男の名は久堂清霞(くどう きよか)だが、美世は斎森家の出身。異能が重要視されていて特権階級にある。斎森家は代々、異能によって隆盛を保ってきた。
美世の家族は、実母は他界しており後妻と腹違いの妹がいる。母方も久堂家に負けじと異能に長けた家系で、継母も妹も異能を持っている。彼女たちは美世が“無能者”であるのをいいことに美世を虐めぬいてきた。
継母たちの誤算
そこに誤算が加わる。美世が異形のものに対処する特殊部隊である【対異特務小隊】の長の久堂家へ嫁ぐ事が決まったことだ。
継母は政略結婚というか、娘を良い所へ輿入れさせて安泰を得たかった。だが、選ばれたのは実の娘ではなく、忌まわしき姉、美世の方だった。
妹は香耶というが、ねじ曲がった帝王学のような教育を受けて姉をさげすんだ。ところどころ高飛車で、母娘ともに美世への虐めに快感を覚えている事に不快感が込み上げてくることもある。
それが、最上級の異能者である清霞へ輿入れするのが姉の方だと決まり、虐めはさらにエスカレートする。
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