オケラ
例えば何気ない相手の一言に傷ついたり、そんな傷つく自分が嫌になったりする。そんな時私は自分が人間であることに、嫌気が差すのだ。
みんな生きている、わたしも生きている。
人間は一人で生きているように見えても、ひとりだけじゃ生きていけないことも、知っている。
助け合って生きること、お互い様の精神、思いやり。大事だと言われてきた。でも、
みんな自分を生きることに必死だ。目の前のことにいっぱいいっぱいで、周りを慮れる心を持てる人はどのくらいいるだろう。
人間は主観の生き物である。自分の見たもの、感じたことがその人の世界では全てだ。それを悪いことだとは思ってはいない。価値観や考え方はその人の生き方だから。
何が正しいのか分からない。言われたことは正論だとは思う。だけど、そんな言い方ないんじゃないか、と思ってしまう。
怖い、と思った。
人に非難されること。
それではダメだと言われているようで、
苦しくなった。私の存在を否定されているようで
わたしは何も言えなかった。
飲み込んだ言葉は、どこに行くのだろう。
時が経てば忘れるのかもしれない。でも、
心についた傷は、ずっと痕が残ったままだ。
みんな己の正義を信じて生きている。自分は正しいのだと、正しいと思うことをしているのだ。
だれも、間違ってはいないのだろう きっと。
その正しさで傷つくことも、あるのだ。
正義ってなに?
正しさってなに?
正義のためなら相手を傷つけても、かまわない?
それってほんとに正義なのだろうか。
私の後ろには、正しさによって傷つけられた沢山の亡骸がみえる。
そのどれもが涙で濡れていた。
ああ、きみも苦しいんだね。
(きみの気持ち、わかるよ)
例えばきみがどうしようもなく辛くなった時、その苦しみを取り除いてあげたい。
きみの瞳が涙で濡れる時、悲しかったんだね、とその言葉と共に、寄り添っていたい。
苦しみから耐えようとする君の心に、手を当ててだいじょうぶと伝えたい。
我慢しなくていいんだよ、
きみの感じたこと、思ったこと、なかったことになんてしないで。
きみの感じたことは、きみのすべてだから。
平気なフリなんて、しなくていいよ。
泣きたい時は、泣けばいい。
無理して笑わなくていい。
あなたがあなたでいることが、わたしのすべてだから。
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