見出し画像

従業員エンゲージメント向上を目指して『攻めの人事』を!サーベイ担当に聞く課題と展望とは。

近年、人事・採用の界隈では注目を集めている言葉があります。
「従業員エンゲージメント」というもの。
エンゲージメント(engagement)とは、「約束」「契約」といった意味がありますが、「婚約」「誓約」という意味合いもあります。ビジネスシーンでは「深いつながりをもった関係性」と訳すのがいいのかも知れません。

つまり、従業員エンゲージメントとは「会社や事業への愛着心」や「愛社精神」を意味しており、従業員一人ひとりが組織に愛着を持ち、会社と共に成長していくことを狙った言葉となります。
さらに「従業員エンゲージメントが高くなると企業経営にプラスの影響をもたらす」といった調査結果も多く報告されており、多くの企業で注目されているというわけです。

ではその従業員エンゲージメントはフルノではどう考えているのか。人事部門にお聞きしました。

全従業員を対象とした調査をスタート。
従業員の声を集めて「攻めの人事」を実現したい。

今回対応いただいたのは人事総務部の古澄さんと加藤さん。

フルノでは従業員エンゲージメントの調査として、" F-Voice "という名称で全従業員を対象にアンケートを実施。お二人がそのF-Voiceを担当しています。

古澄 直子
2020年に古野電気に新卒で入社。
人事総務部に配属され、給与計算や組織管理など、人事労務関係の業務を経験し、現在は国内外の従業員に対するF-Voice(エンゲージメントサーベイ)の実施や、ダイバーシティ推進の取り組みを中心に企画業務を担当。
特技は大学時代に専攻していたハンガリー語です!とのこと。

加藤 龍一
人材系企業にて法人営業を経験後、家族で徳島県に移住。
移住を通じて、元々暮らしていた関西・西宮の住み心地のよさを再認識。
2023年にフルノに入社。現在は人事総務部で採用や教育・研修を主に担当している。
プライベートでは、4歳と0歳の子育てに奮闘中。

古澄さん「F-Voiceは2022年3月に1回目の調査を国内で勤務する従業員を対象に実施し、その後海外子会社向けの調査を同年の夏に実施しました。今年も4月に国内向けの2回目の調査を実施し、現在はまた海外子会社の2回目を予定しています。
その目的としては
・組織における従業員のエンゲージメントがどの程度かを測る
・従業員意識の現状を把握し、組織・人財面の問題点を可視化する
・組織的なエンゲージメント強化促進のための、改善アクションにつなげる

が挙げられます。
私はF-Voiceの導入時から携わっており、調査、結果集計、改善活動検討、報告までとF-Voiceに関わるすべてを担当させてもらっています」

加藤さん「私は今年フルノに入社したばかりですが、以前はお客様向けに行っていた人材支援のアクションを次は自社でやりたいという想いがありました。
メインの業務は採用や研修に関することですが、組織風土の改善にも関わりたいと上司に直訴した際にF-Voiceの取り組みを紹介してもらい、古澄さんとタッグを組ませてもらっています」

現在は第2回の国内調査の結果分析と海外向け調査の準備をしているとのこと。古澄さんと加藤さん自身は"従業員エンゲージメント"をどのように捉えているのでしょうか。

加藤さん「エンゲージメント向上は企業の業績にも相関があるという調査結果が厚生労働省から報告されています。人事としても会社の業績に貢献できるのであれば積極的に取り組んでいきたいと考えています。
もうひとつ個人的な観点ですが、人生の中で働いている時間は多くを占めるため、ただお金のためだけじゃなく、情熱を注げるものであった方がいいなと思いますね」

古澄さん「従業員エンゲージメントの改善は単に待遇改善ということだけでなく、目標や活動、風土に切り込みます。そのため社員の皆さんの仕事に対するモチベーション向上に効果的だと考えています。
あと昨今では、売上や利益といった数字の面だけでなく、人財面などの非財務情報も重要視されるようになってきています。投資家さんたちが見る視点が変わってきているということなので、IRの観点からも従業員エンゲージメントは重要な要素だと思いますね」

従来の管理的な人事から、社員のモチベーションを高めることで業績に貢献するという攻めの人事に変えていくのだという熱意をお二人から感じました。

気になる従業員エンゲージメントサーベイの結果は如何に?
担当から伝えたい想いとは。

具体的にF-Voiceとはどのような調査を行なっているのでしょうか。

古澄さん「全87問を5段階で回答するアンケートで、その中の肯定的な回答がスコアとして現れます。社員の皆さんみんなの声を聴きたいという想いからフルノのFを頭文字にF-Voiceと名付けられました」

F-Voiceのロゴと込めた想い

フルノの国内従業員数約2100名に対して調査を行い、第1回の回答率は96%に達したとのこと。気になるスコアとしてはどうだったかというと古澄さん曰く「すべての項目が良いというわけではないですが、全体的に見ても決して悪くはないと思います」とのこと。

古澄さん「私もフルノに入社して4年ですがフルノの皆さんは温かい人が多いなと感じています。アンケートにもその結果は現れていて、コミュニケーションの項目や人間関係の項目は良い傾向にありました。反面自己キャリアの成長や意識変化・変革といった項目は低い結果が現れ、人事として課題もあります」

加藤さん「フルノに転職した身から感じることとしては、フルノは世界でもトップクラスのシェアを持つ製品が多く、比較的安定したビジネスをしている印象があります。それゆえに意識的に変化を起こしていく必要があるのかなと。また職種が多岐にわたる中、一つの職種を突き詰める方も多いとも感じます。"部署異動は刺激"と私は考えているため、閉塞感を感じている方にはキャリアプランを一緒に考え、部署異動を活発化させるなど対策していきたいなと考えています」

また二人がスコアだけでなく、アンケートの最後に自由に記載できるフリーコメントも重要視しているのだそう。

会社の良い点はどこですか?
というフリーコメントのテキストマイニング結果(第1回 国内調査)
会社の改善すべき点はどこですか?
というフリーコメントのテキストマイニング結果(第1回 国内調査)

古澄さん「第2回の国内調査では1200件のフリーコメントが寄せられ、私と加藤さんで一件一件しっかりと目を通させていただきました。フルノへの愛も感じるコメントも沢山あって嬉しい反面、中には『このコメントを書いても見てもらえないかも知れませんが・・・』と前置きがある内容もあり、少し寂しい気持ちにもなりました。『そんなことないよ!コメントありがとう!』と伝えたいですね」

加藤さん「中には提案などもしっかり書いてくださる方もいて、多くの方がフルノについてしっかり考えてくれていることは心強いですね。人事だけでは思いつかないような意見も多くありますのでありがたいです」

いただいた改善の声はただ報告するだけでなく、少しずつ施策に落とし込んでいるとのことで、無駄な業務フローの改善や社内のチャレンジ促進・新規事業の応援的な取り組みなどに活用していきたいと意気込みを聞かせてくれました。

定期的にミーティングを行い、コメントの確認や改善案の検討を繰り返しています

「社員の幸福は会社の発展と共に」
エンゲージメント向上を軸に組織風土を前向きに変えていきたい!

最後にお二人にフルノが今後どんな会社になって欲しいかをお伺いしました。

加藤さん「今、フルノは新規事業を多く生み出すことも課題として上げています。そのためには社員の皆さんの積極性とチャレンジを応援する文化が必要不可欠だと感じています。それはすなわち従業員エンゲージメント向上と同義です。
私自身も自分で『組織風土の改善をやりたい!』と声を上げたことでF-Voiceの取り組みに参加することができました。こういう機会をいただけるように部署単位ではチャレンジを応援する素地はあると思っていますので、広げていきたいですね」

古澄さん「大きな変革は時間がかかるし、簡単なことではないのですが、一歩一歩できるところから良くしていきたいと思っています。そのためには社員の皆さんの協力が必要で、少し踏み込んで言うとエンゲージメント向上のための改善は人事だけの取り組みと思わず、自分ごととして捉えていただけたらなと思います。
そのためにはF-Voiceを通すことで社員の皆さんの声を会社に届けられるということをもっとアピールしていかないとですね。調査をすること・単にエンゲージメントのスコアを上げることが目的ではなく、フルノの社員にとってより良い会社にしていくことが一番の目的ですのでこれからも頑張って取り組んでいきます」

時にはランチミーティングで同僚に意見や相談をすることも
社内のネットワークを広げています
海外子会社の社長たちが一同に集まるフルノグループミーティングの懇親会
第2回の海外調査への協力を依頼して回っていました

フルノの経営理念のひとつには「社員の幸福は会社の発展と共にある」という言葉があります。今の時代で読みかえれば従業員エンゲージメントが向上することで従業員のモチベーション高まり、生き生きと働ける。そして会社も成長でき、社員への還元も大きくなる、ということでしょうか。

もっとみんなが生き生きとして働けるような会社に。
活気があり、なんでも話し合えるような会社に。

そんな理想の職場環境の実現には、まだまだ道半ば。
しかし、フルノで働く一社員としてもお二人の取り組みを応援していきたいと感じるインタビューとなりました。

執筆 高津こうづ みなと

- 海を未来にプロジェクト -