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『ついつい』買ってしまうコピーワーク

こんにちは。デザイナーのfurukawaです。
デザインをする上でも、とても重要なコピーワークですが、
わかってはいるものの、なかなかうまいコピーが思い浮かばず、
いつも悩みながら考えています。

目的は同じでも、言葉が違うと伝わり方が変わってしまいます。


例えば、誰でも飲んだことがある「お~いお茶」

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以前の商品名は「缶入り煎茶」
製造工程をそのままネーミングにしたような・・
どんなお茶なのかは名称からイメージできますが、
お茶はホッとしたいときに飲むもの。
ちょっと事務的な感じがしてしまいますね。
その後、商品名変更によって、緑茶飲料部門のシェア1位を
20年以上もキープするような商品になっていきました。

ちなみに『お〜い』というのは、
家族などに呼びかけているような親しみが感じられ、
お茶がより身近な存在になってほしいことが込められています。


もうひとつの例は、ネピアのティッシュ「鼻セレブ」

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動物のパッケージもインパクトがあります。
これも以前は「モイスチャーティッシュ」という商品名で、
商品名変更によって、売上が10倍になった商品と言われています。

以前の購入者からは、「使用感がとてもよい、デザインも高級感がある」といった商品価値としてはとても高かったのですが、『保湿ティッシュ』としてまだ確立されていませんでした。
リニューアル後の商品名は、鼻を噛みすぎるとガザガザになってしまう印象をセレブという響きで肌触りの良さをフォローし、フワフワで心地良さそうな動物のパッケージで一躍メジャー商品となりました。

”言葉には、心を動かし、行動を起こさせる力がある“


ということですね。事実としてこのような例がある限り、コピーワークの重要性を感じます。

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不便を楽しさに変えたコピー

成田空港にあるガチャガチャの売り上げが通常の台に比べて3倍あるのはご存知でしょうか。
外国人が多く行き交うこの場所で、なぜそこまでの売り上げはあるのでしょうか。

成功の要因
1:外国人が日本のお土産として持ち帰るため、日本らしさを感じるラインナップにしている。

2:ディスプレイする什器にあるコピーを入れて行動を起こさせた。

ただ、ガチャの台を置くのではなく、コピーワークでの戦略がありました。

”あまったお金をオモチャに“


海外に行くときは行先の国の通貨に両替し、帰国する時に自国の通貨にまた両替しますが、小銭は両替ができず、そのまま持って帰るという経験をしたことがあります。
両替できなかった小銭をどうしようかと思った時に、『あまったお金をオモチャに』というコピーと日本ならではのおもちゃが2〜300円程度で手に入ると思ったらついついやってしまいます。

両替できなかった小銭を持った外国人に向けてアプローチをかけたという戦略が、なるほど!と納得させられました。

期間限定で設置の予定でしたが、あまりにも反響があり、そのまま継続することになりました。


売れない商品を売るための殺し文句

某大手飲食企業の社長が、今の地位になる前に、ネクタイの販売をしていた時期がありました。ブランド品で25,000円ほどするネクタイを仕入れたものの、全く売れませんでした。
というのも、日本製のネクタイは2000〜3000円程度で手に入るため、全く見向きもされません。
困った社長は、同じブランドを置くデパートを周り、ベテランの販売員に『どうすれば売れるのか。何かコツはあるのか。』を聞いてみたところ、『たった一言伝えれば良いのです。』とベテラン販売員は言いました。

”大変上品ですね。“

ブランドのネクタイを購入する場合は、大抵女性が男性に贈り物として送るシーンが多く、お客さんは自分は上品なものを選んだ!という気持ちになって買ってしまう。似合うか似合わないかじゃなく、上品かそうでないかです。
その後、『上品ですね』と言うことを、実践したところ
以前と比べ物にならないほど売れ行きが上がったそうです。

女性の心理を考えた殺し文句ですね。確かに自分の選んだプレゼントが褒められると嬉しい気持ちになり、相手も喜んでくれると思い込んでしまいます。


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例をみてもわかるように、売れるためのコピーには何かポイントがあるように思えます。
どのコピーをみても、『どなたか、こちらは良い商品だから買ってください!』といったドストレートな言葉は使っていません。
どのようにすればゴールに近づくのかを考えてみました。

年齢層を絞る

超基本ですが、意外とできてないことが多いです。
どの年齢層に売りたいのかによって、ターゲットの行動が見えてくるので、言葉の選択が狭まってきます。


目的を考える

子供が遊ぶおもちゃを、ただ大人に売ろうとしても売れませんが、
ここで、『クリスマスプレゼント』といった目的をつけることで、普通だったら売れない商品も、子供のために購入しようと思います。


特徴ではなく利益を伝える

商品の特徴を伝えるのではなく、この商品でどのような気持ちになるのかを伝えることが大事です。
例えば、ブランケットを売りたい時に、『これは膝にかけるものです』というのは特徴で、『これは寒い冬に膝をポカポカに温めてくれます』といった、『だからどうなるのか』の部分を考えることが、より人に響くのではないかと思います。


具体的な言葉を選ぶ

一瞬で伝えなければならないコピーで曖昧な表現を使っても全く伝わりません。一番わかりやすいのは数字で表現することです。
映画の宣伝コピーで
『多くの人が涙した』よりも
『全米が涙した』の方が、アメリカって3億人いるけどその人たちが観たんだ!と感じ、より具体的に『多く』を感じることができます。


その瞬間の気持ちを考える

その瞬間、後押しするような状況を作り上げることが重要です。
上の例でも挙げましたが、小銭があまって困っている時、解決してくれる状況を作り上げています。


一度で全てを伝えない

結果的には購入を目的としていますが、コピーにそこまで求めてしまうと、長くなる上、キャッチーな言葉になりません。
コピーで、一歩だけ近づいてもらい、あとは説明書を見るなり、商品の良さを知ってもらえればいいのです。

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一番身近にあるはずなのに、人に響くコピーを生み出すのは、不思議なことにとても難しいです。まずはその人の気持ちに立って、どのような気持ちになるかを考えることが大前提になりますね。職場や家庭で良好な関係を作り上げていくこととと一緒です。

常にユーザーの目線に立って、デザインもコピーも生み出していきたいですね。


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