蝶の食性
蝶は花の蜜を食べる生き物の一種ですが、それだけではありません。蝶の成虫は、口がストロー状になっていて、あらゆる液体を飲むことができます。次にあげるのは蝶の代表的な食事内容です。
花の蜜: 代表的な蝶の食べ物で、蜜の出る花を庭に植えておけば、蝶が集まってきます。花の蜜と言っても、何でもいいというわけではなく、蝶の種類によってそれぞれ好みがあるようです。また、口吻の長さによって、蜜が吸える花の種類も限られてきます。例えば、アオスジアゲハの仲間は口吻が短いことで知られており、このような蝶たちは、ユリなど蜜が奥深くにある花の蜜は吸えません。
樹液: カブトムシやクワガタムシを樹液のでている木で採集していると、昼間には色々な蝶がそこに集まっていることがあります。樹液に集まる日本の蝶ではルリタテハ、キタテハ、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、サトキマダラヒカゲなどがよく見られます。オオムラサキは体も大きく、カナブン、スズメバチなどと縄張り争いをするところが見られます。
腐った果実: 秋、落ちて腐り始めたカキなどにキタテハやウラギンシジミが集まってきます。落ちた梨にもサトキマダラヒカゲなどが集まり、腐った果実は蝶を集める匂いを出します。熱帯では、バナナを利用したトラップで、森の深くに生息している蝶をおびき出す方法があります。
水、汗、尿など: 夏、汗をかいたところに、時々蝶がやってきて腕や手にとまることがあります。よく見るとしきりに口を伸ばして何かを吸おうとしています。シジミチョウやタテハチョウの仲間に見られます。これは通常の食事というよりは、ナトリウムの摂取であるとの説があります。また、暑い夏の日に河原でおしっこなどをした時に、そこにキチョウやアゲハチョウの仲間が集まってくることがあります。これも同様にナトリウムを摂取するものだといわれ、しかもそのほとんどが新鮮なオスが集まってきます。
アブラムシの汁: ゴイシシジミは笹についているアブラムシのそばに卵を産みます。この時、アブラムシがアリに与えるお尻から出す甘い汁を飲んでいるところが観察されています。
以上のように、蝶は花の蜜以外にも様々なものを食べています。また、幼虫の食事は成虫とは異なり、ほとんどが植物食で、種類によって食べる植物(食草)がほぼ決まっています。これは、彼らの本能によって、特定の植物のみを食べるようになっているからです。
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