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ロゴの彩度を上げるだけで1.7倍好感度が上がる【ロゴ 色 おすすめ】

※この記事は無料で読めますが、お役に立てたら文章の最後にある購入ボタンから研究をご支援いただけると幸いです。

どちらのロゴのブランドが好ましいですか?

◆パターンA

◆パターンB


ブランドロゴの色が与える影響

こちらの2つのブランドロゴの違いは彩度です。
(私が10秒で作った架空の企業ロゴです。)

◆パターンA
色相:22
明度:80
彩度:100

◆パターンB
色相:22
明度:80
彩度:50

おそらく大半の人は彩度の高いパターンAの方が好ましいと感じたのではないでしょうか。

ただ、これは彩度が高い方が印象が強く、比較するような形でお見せしているから、という可能性も考えられます。

結局のところ彩度は高い/低い、どっちがいいの?

「ブランドロゴの色が与える影響」に関する研究

そこで今回は「実際のところロゴの彩度は明るい/暗い」どっちが好まれるのか?という研究をご紹介します。
このような色に関するマーケティングをカラーマーケティングと呼びますが、人の「なんとなく好き」「特に理由はないけどこのブランドを選んだ」といった原因の一部はこのような色の差異が関係していると言われています。

下記の研究はブランドのロゴの彩度について、元のブランドロゴよりも、「より彩度を高く」または「より彩度を低く」変更したロゴのどちらかを見せ、ブランドから受けるイメージについて調査したものです。

実験1 は,ロゴ・カラーの彩度が高い方が,ブランドに対する活力感知覚を高めることを確認した。実験2 では,ロゴ・カラーの変更を想定し,彩度を変化させた場合におけるブランド態度への影響と,そのメカニズムであるブランドの活力感の影響を確認する。また,実験2では、実験1 では用いられなかった色を用い,同様の効果が得られるか確認する。
実験2 では,Digitrans という架空のブランド・ロゴを作成した。新しいロゴ・カラーは実験1 同様Hagtvedt and Brasel(2017)を参考に,色相を22,明度を80 に設定し,彩度が高いロゴでは100,低いロゴでは50 とした。
実験2 では,ロゴ・カラーの彩度の変更を想定した実験のため,変更前のロゴのカラーとして,色相及び明度は変更前と変更後で同一の値にし,彩度は変更後のロゴの中間の値となる75 に設定した。
実験2 は,2022 年5 月に実施され,クラウドワークスに登録している一般消費者150 名を対象に行った。実験参加者は2 つのグループ(ロゴ変更後の彩度:高/低)にランダムに振り分けられた。初めに,Digitrans 社が最近ロゴのカラー変更を行ったということが紹介され,旧ロゴと新ロゴが提示された。その後,Digitrans 社の活力感の知覚や態度について,リッカート尺度(7 件法)で回答してもらった。ブランドに対する活力は,実験1 と同
様の4 項目からなる尺度を用い,ブランド態度は,Mitchell and Olson(1981)を参考に,「1:悪い-7:良い」,「1:非常に嫌い-7:非常に好き」「1:好ましくない-7;好ましい」「1:品質が悪い-7:品質が良い」の4 項目を用いた。また,ブランドの活力感(α=0.948, AVE=0.731, CR=0.916)及びブランドへの態度(α=0.918, AVE=0.648, CR=0.880)いずれも,4 項目の平均値を用いて分析を行った。なお,アテンションチェックをクリアした136名(平均年齢= 39.11 歳,標準偏差= 12.38,女性= 98人)を分析対象とする。

ブランド・ロゴ変更時の彩度の変化が消費者のブランド態度に与える影響https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketing/42/3/42_2023.005/_article/-char/ja

研究によってわかったこと

◆ブランドの活力感の影響

4.721:2.563

上記は以下4つの質問を7つの段階で評価してもらった数値の、
平均値の比較です。(n=136)

活力感についての質問
①このブランドは活力がある
②このブランドは行動力がある
③このブランドは影響力がある
④このブランドは勢いがある

回答の段階
1.「まったくそうお思わない」 〜 7.「非常にそう思う」

◯彩度が高い方がブランドに活力を感じる

元々の彩度75のロゴから、彩度を50に変更したロゴよりも、彩度を100にしたロゴの方がなんと約46%も高くブランドに活力を感じていました。

◆ブランドの活力感の影響

4.871:3.779

上記は以下4つの質問を7つの段階で評価してもらった数値の、
平均値の比較です。(n=136)

ブランド態度についての質問
①1:悪い - 7:良い
②1:非常に嫌い - 7:非常に好き
③1:好ましくない - 7;好ましい
④1:品質が悪い - 7:品質が良い

◯彩度が高い方がブランドの好感度が高くなる

態度とは、人が保持する個人的な評価や感情感覚、行動傾向の良し悪しであり、ブランド品に対する消費者の総合的な評価を指します。

簡単に言い換えれば「好感度」でしょう。

そしてこちらも元々の彩度75のロゴから、彩度を50に変更したロゴよりも、彩度を100にしたロゴの方が約23%好感度が高いと出ました。

結論

どちらの場合も彩度の高い方が点数も高いという相関関係が存在していました。

そしてこの点数の差は統計的に有意な差があると言われる、「p0.001」となっています。

p0.001」を簡単に説明すると、この差が偶然である可能性は0.001%以下である、という意味です。

そして、ブランドの活力感の影響ブランド態度に間接効果として影響を及ぼしていると考えた場合、総合効果は約70%になります。

ロゴの変更、ロゴの作成を考えている方は、ロゴ彩度を上げることで約70%の好感度改善を狙ってみてはどうでしょうか。

近年の商品の選択は、品質が満遍なく高い水準であること、選択肢が多すぎることから、商品の質よりもブランドイメージや間接要因によって顧客がつくことが多くあります。

皆様のサービスが一つでも多く手に取ってもらうために、行動経済学、社会心理学をご活用ください。

研究ご協力のお願い

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

今後も商品選択の要因の研究を進めていくため、皆様にもご参加いただけますと幸いです。

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