ちょうどいい支援
統計をとると意外な事実がわかる。
就職支援の仕事をしていたとき
相談員ごとの就職実績を分析してみた。
上位2名が、実に意外だった。
組織の支援方針を伝えるのに
とても苦労していた職員なのだ。
乱暴に言うと、問題児だ。
結果を残している職員が正しいのなら、
彼らに習った方針に転換すべきなのだろうか?
しかし福祉の仕事は、そう短縮的にはいかない。
委託主が求めるのは就職率だが、
我々組織は委託主のためだけに
活動しているわけではない。
社会をよくするためだ。
就職率上位2名に見られる共通項は
支援思想における短期的傾向の強さにある。
被支援者にとって
一刻も早い問題解決(就職)は大切だ。
長引くほど経済的にも切迫する。
しかし、仕事が長く続かないなどの
問題を抱える場合、
その原因に向き合わないことには
同じ過ちを繰り返してしまう。
そのようなアプローチがおろそかだと、
ややもすると対処療法的になる。
一方で、私の支援思想は長期的すぎた。
経済的に余裕のある被支援者に対しては、
本人のやりたいことと適正、市場ニーズの究明に全力を尽くした。
合致する求人がないのなら、求人企業へ相談にも行った。
そのような支援には時間がかかる。
しかし、就職率上位2名が
委託主に対する実績をあげているからこそ
私のような支援を実施できる
余白がつくれたとも言える。
本来、理想の支援は私と彼らの中間にある。
どうすれば彼らに
そのことを伝えられただろう。
今思えば簡単だ。
私と彼らが協力して
支援すればよかったのだ。
あの頃なりにやってたつもりだが
今やるのとでは結果が違う気がする。
でも実際やってみると
またケンカしたりすんのかな(笑)