Just Push Play
2000年代Aerosmithは衝撃的なデジタルサウンドで幕を開ける。しかし、本人の言葉を繙くと、デジタルサウンドとは何かを考える契機となる。
バンドのギタリスト曰く「デジタルで撮っているかアナログで撮っているかなどスピーカーの前では分からないだろう」。そう、バンドは音像のみならず技術的な面でもデジタルを使っている。
思えばヒップホップ的ビートやインダストリアルノイズですらアナログ技術の産物だ。然るに我々がデジタルサウンドと呼ぶものは通奏低音を基礎とする「西洋音楽システム」に属し、根本的な構造は変わっていない。寧ろヒップホップのビート偏重の音像は通奏低音を強く意識させる。
全てが不変の通奏低音に載っている安定した音像。Aerosmithが登場より貫いたサウンドとは、西洋音楽の賜物であった。リズムが跳ねる即ち曲が跳ねる。是れに対するは何か、ここにPrinceが位置する。
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