実写映画「クルエラ」
ずっと楽しみにしていた映画でした!
個人的にヴィランズの中でクルエラはかなり好きなキャラで
加えてエマ・ストーンも大好きなので
こりゃ見るしかねえわ!という感じ。
クルエラが「クルエラ」である前
この映画はつまりこういうことです。
クルエラという人物が「クルエラ(Cruella:残忍で残酷な子)」である前
「エステラ・ヴォン・ヘルマン」という一人の少女だった時代のお話です。
ヴィランにも少年少女だった時代はありますよね。当たり前です。
彼女がなぜ残酷で狂気的な女になったのか。
私もそうなんですが「クルエラ」、特に実写化のクルエラというと
こっち思い出しませんか?
このおばさんのイメージ強すぎて。
子供の頃この人が豚のうんこの中に突っ込むシーンで
何回笑ったかわかりません。笑
この方のクルエラは狂気に満ちていて、トチ狂ってて
恐怖を感じる女の怪演という感じでした。
でも今回のエマのクルエラは
クルエラにならざるを得なかった少女の悲しさと切なさと
それでも内に秘めたる、溢れ出ちゃうヴァイオレンスを
上手くない混ぜにした感じだった。めちゃ良かった。
詳しい物語のあらすじは、映画見てほしいし調べたら出てくるので
省いちゃいますが。
クルエラは悪い子だったけど、それ以上にママを愛してたから
ちゃんと「エステラ」でいようと努力して生きていました。
ママの望んだ私になる。
「自分が原因で死んでしまったかもしれないママ」は
いつしか彼女の呪いになり、足枷になり。
けれども彼女のストッパーであり、希望であり、指針であった。
噴水で出会う二人の少年が、のちのクルエラの手下である
ジャスパーとホーレスというのがまた面白い要素!
『101匹わんちゃん』ではぶっちゃけクルエラもその手下も
おばさんとオッサン二人という印象だったので
彼らの若い頃って思ってみると、面白さが増します。
しかも『101匹』ではクルエラに媚びへつらった二人が
実はクルエラの家族だったこと。
なぜ彼らはクルエラに逆らえないのか。
というのもわかるので、ちょっと見え方が変わります。
子供の頃の私のクルエラ一味の捉え方は
見えていた一遍のみで、もっと多角的に見た時に
この人達にも人生があったのだなぁ、なんて思います。
クルエラよりクルエラな女
クルエラがクルエラになった最大の理由。
クルエラよりもヴィランな女が登場します。
それが「バロネス」という資産家であり有名なファッションデザイナー。
こそ泥として地味に生きていたエステラを
発見して導いてくれたのも彼女だけど
彼女がエステラを完全なるクルエラにしてしまうきっかけでもありました。
バロネスもまぁ女王様気質の傲慢ちきちき女で。笑
ファッションで成功する女って外国人皆ああなの?笑
ここから地味にネタバレになりますが、
エステラの愛するママを本当に殺したのも
そもそもエステラの人生を壊したのも
エステラの人生の負の部分の完全元凶がバロネスであり
そんな傲慢ちきちき女が「クルエラ」を秘めたるエステラの
真の母だったのです。
いやなんとなくわかってた。
あんな優しいキャサリン母さんの元にほんまに生まれてたなら
どっからクルエラ出てきてんってなります。
おそらく先天性クルエラ、後天性エステラです。
だから彼女はエステラを生きる自分はもどかしくて苦しく
クルエラである自分に「らしさ」を見出してしまいます。
とにかくこの映画の中では
ママの愛したエステラを捨てきれないクルエラが
愛おしくて仕方ない。
可哀想なクルエラか否か
前述したお話で物語が進むなら
実はクルエラって可哀想な女の子?
と思う方もいるかも知れません。
いや違う。
この映画の良さは、まさにここ!
とにかく「痛快」という言葉がよく当てはまると思う。
不幸な生い立ちの少女は、もちろん悪の道に足を踏み入れて行く。
それを「こんな理由があったからしょうがないんです」と
言い訳するような面は確かにあるけど
クルエラ自身がそもそも【善】を目指しているわけではないから
そこはほどよくピカレスクロマンであり
倫理観より、自分の欲に忠実な姿は
「101匹」以上の爽快さがあるかも!
ぶっちゃけ巷ではヌルい的なことも言われているらしく。
そもそも「犬の革をはいでコートにする」という表現をどう扱っていたか
っていう点に関しては、まあヌルさは感じられたと思う。
けど本作のクルエラはそんなことは承知の上で悪を演じていると名言しているわけで・・
もはや「101匹」とは別物の新生クルエラとして拍手したい気持ち。
実はパンクロック映画?
私も一人で行ったんだけど
なんか見に来ている人も割とパンキーめな服装の
いかつい女の子たちが一人できてる子が多かったなぁという印象。
1960~70年代のロンドンを舞台にしてて
『アイ、トーニャ』のクレイグ・ガレスピーが監督ということもあって
音楽に音楽をつなぐことでクルエラの生き様を浮かび上がらせる語り口が
エキサイティングに感じた!
まじで劇中曲全部最高!!
『グッドフェローズ』調という人もいるが、ガレスピーが手掛けると
本来なら共感しづらい人物へのシンパシーが通底にあって
作品の温かみにつながっている。
クルエラのパンクファッションもそう。
前述した過去のクルエラ実写化のグレン・クローズが霞むくらい
エマ・ストーンが本当にクルエラを見事に演じてて
エマ・ストーン以外で今後クルエラが想像できるか?って思うくらい。
美しすぎませんこと???笑
ラ・ラ・ランドのときの純朴なエマはいずこへ?笑
本当に五感を刺激しまくる映画だったわけですよ!
中でも、ナンシー・シナトラの"にくい貴方"をバックに
エマ・ストーンが闊歩する場面の高揚感が半端ない!!
エマ・ストーンの新たな代表作誕生だ!なんて記事も見かけましたが
まじでそうだと思う。振り幅はんぱねえなと思いました。
個人的に、ちゃんと「ロジャー」と「アニータ」
「ポンゴ」と「パーディタ」も出てくるところに
わかってるぅ!と言わざるを得ない・・
こういうところに我々はワクワクするのよ!!と興奮しました。笑
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