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【きっかけより大切なもの】 葬儀の仕事を選んだわけ
僕は10代の頃からお葬式の仕事をさせて頂いています。
僕はアルバイトを一度もした経験がありません。
その状況で「いきなりお葬式の仕事をするのは無謀」と言われたこともありましたが、当時の先輩たちのお陰で何とか葬儀担当者として、仕事をさせて頂くことができました。
人に何故この仕事を選んだのか?と聞かれると、僕の場合は、やはり父の存在があるからという話になります。
父は10代から葬儀屋さん
父は地元愛知県からかなり離れた山口県の葬儀社に10代で就職をし、その後愛知県に戻り、隣接する静岡県浜松市の互助会に勤めていました。
その互助会は当時、日本でも10本のうちに入る大手互助会と聞いています。
父はその大手互助会が名古屋市にランドマークとなる葬儀会館を建設することになり、初代店長として立ち上げを行いました。
※この葬儀会館はバブル期に計画された建物であり、今でもこの葬儀会館は「名古屋市最大の葬儀会館」となっています。
その後、父は葬儀業界の悪い部分を整えたいと一念発起。
その葬儀社を辞め、独立を準備を始め、葬儀社を名古屋市で起業しました。
現在では自社の直営店・FC店を含め130会館以上の店舗数、東証一部上場企業となり、25周年を向かえております。
僕が葬儀業界に入ったときは、名古屋市とその近郊に数十店舗しか葬儀会館はありませんでしたが、父は一気に事業を進めました。
そんな父を見て、葬儀という仕事・事業に興味を持ったのがきっかけです。
この葬儀業界は過去の歴史から「家業」で行っている会社が多く、次の経営者になるのはやはり経営者の「息子」が多い業界です。
僕も「2代目」などと思われていることもやはり多かったのですが、実際には親子関係諸々含め、そんなことはありませんでした。
きっかけは父だが、きっかけ以上に大切なもの
仕事のきっかけこそ父から与えてもらったものの、どんな仕事内容かどうかは一切僕は父から学ぶ機会がありませんでした。
元々、葬儀会館運営の仕事は父が独立して行ったもので、家業ではありません。
僕は父の仕事の様子も見ることなく、大阪の大手葬儀社に就職をしましたので、父の会社から教えて頂いたことよりも、最初にお世話になった葬儀社での経験が根幹になっています。
僕は父と同じ業界で、地元名古屋に留まることは考えておらず、東京と大阪に営業所がある公益社(燦ホールディングス株式会社)に就職させて頂き、その中でも特に規模の大きい「公益社千里会館」に配属させて頂きました。
この千里会館は「日本で最初の葬儀会館」と言われ、毎月100件の葬儀をこの施設のみで行っておりました。
一つの施設で毎月100件の葬儀を行うのは、後にわかりましたが「異常な葬儀件数」だったそうです。
一つの施設で月に100件の葬儀を行う葬儀会館は後にも聞いたことがありません。
ここでの経験が、僕の葬儀業界人生に大きな影響を与えてくれました。
当時の千里会館は20代・30代の社員が多く、公益社の中でも特に若い社員で構成されていました。
そこに10代の自分が所属することで、更に若いチームになりました。
良くも悪くも勢いのある組織で、若いゆえに厳しい言葉も頂いた記憶があり、よく泣いていた記憶があります。
しかし、厳しさはありましたが、振り返るとそれはとても大切なもので、葬儀で失敗は出来ないというプロ意識を僕は千里会館で学びました。
葬儀業界へのきっかけは父からもらいましたが、結局「仕事を継続させるかどうか」はその本人次第です。
続けるも辞めるも本人次第。
何度も名古屋に帰りたいと思っていましたが、「ここで帰っては情けない名古屋の葬儀社の息子だった」と思われることが悔しくて踏ん張っていました。
そして、「葬儀の仕事をちゃんと出来ていないのに逃げるのはいけないこと」であると思っていました。
「意地」を張っていたと思います。
向き合った結果、葬儀の仕事に向いていた
この葬儀業界に関係なく、様々な業種が世の中にはあり、
会社が合わない。
先輩が気に入らない。
年末年始お盆などの休みはない。
給与が合わない。
勤務時間が長い。
など…色々な理由で退社をすぐにしてしまう人も多いのではないでしょうか。
葬儀業界特有では
「故人様を見ることができない」
「ご遺族と接することができない」
「ご遺族から大クレームをもらってしまった」なども退社する理由でありました。
継続ができている理由は、この仕事に向き合った結果、僕が「この業界が向いていた」からであると思います。
継続が出来たのは、故人やご遺族のために「何が出来る」を考えることが出来たからです。
そして、当時の先輩たちが色々と僕に「お葬式」を教えてくださったことです。
きっかけは父でした。
親が行っていた仕事だから、やってみたというきっかけは結構多いと思います。
しかし、そのきっかけは「あくまできっかけ」にしか過ぎません。
その仕事をその組織で継続をするかどうかは「本人の問題」です。
父は自分の葬儀社を子どもに継いで欲しいと思う人ではありません。
僕は自分の道をこの葬儀の業界で進んでいこうと思います😌
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