日本最古の「サブスク」モデルは「寺院との檀家制度」なのかもしれない⁉
近年特に注目をされている「サブスクリプション」
元々存在するビジネスモデルですが、インターネットやスマートフォンの普及で画面上やネット上から「もの」「サービス」を手に入れることができるようになり、近年急速に広がりました。
Amazon、youtube、iTunesなどの音楽・動画配信サービスなどがこのサブスクリプションにあたります。
しかし、これらが普及する前よりはるか昔に「サブスクリプション」として確立されたサービスが「寺院と家族との檀家制度」ではないかと私は思っています。
もしかすると「日本最古のサブスクリプション」ではないでしょうか?
しかし、この檀家制度についての課題が近年問われるようになり、葬儀・宗教の業界として考えなければならない状態となっています。
檀家制度とは?
檀家制度とは「寺院と寺院を支える家族」の制度であり、元々は鎌倉時代から檀家制度はあったと言われております。
現代のような寺院と檀家の関係になったのは江戸時代からと言われ、江戸時代の宗教政策の一つとして、庶民にまで普及をしました。
また、戸籍などの現在の役所・役場の役割を「寺院」に持たせることで、寺院と地域住民との関係を強くしておりました。
そして、寺院はその地域の人の「葬儀・法事」などの供養を行い、檀家はその対価として「お布施・御礼」を行い、定期的に寺院へ奉公する形が出来ました。
これが檀家制度であると言われております。
檀家は寺院に定期的にサポートする必要がある
元々檀家は寺院に対して、貢献をするという立場にあります。
貢献と言ってもお金だけではなく、寺院の掃除・お供え物献上・寺院が行う地域行事などへの手伝いなどを行い、寺院のサポートを行います。
しかし、現代では共働きの時代になり、毎日何かと「忙しく生活を送る方がほとんどです」
したがって、実際には「お布施などのお金」で寺院に対し、サポートをしていることが現状です。
寺院との接点が減ると檀家の意味がなくなる
毎日忙しく生活を行う今の方では、なかなか寺院との接点が定期的にある方が少なくなりました。
私が葬儀担当者として、活動を開始した18年前は「父や母が付き合っていた寺院の姿」を次の子ども世代が直接見ており、「寺院との交流の様子を直接確認できました」
しかし、今はこのような寺院と家族との接点を「次の世代」が見る機会が少なく、「元々付き合いのあった寺院と家族との関係が希薄」になっているのは明らかです。
特に地方から都会への人口流出により、親・祖父母との同居率が都会ほど低く、宗教者との付き合いを「直接確認している子ども・孫世代が減っている現状」があります。
※参考:三世代同居率
やはり同居率は地方が中心となり、同居率最下位の都道府県はやはり「東京都」です。
メリットのないサブスクモデルは「解約」される
現在「サブスク」のモデルで展開する馴染みのあるサービスは、「便利なもの、無くてはならないもの」を地位を確立させており、多くの人や企業に受け入れられています。
例えば、仕事や日常生活で馴染みのある「マネーフォワード」や電子契約書「クラウドサイン」「Amazonプライム」なども、サブスクモデルです。
これらには利用者に明確なメリットがあり、便利で一度利用を開始すると、途中で辞める理由がありません。
しかし、当然ながら利用することにメリットがないサブスクは「解約」をされてしまいます。
檀家制度は「継続的にお布施を納めるシステム」であることが多く、サブスクと言ってしまうのは、本来の意味としては異なります。
しかし、檀家である方にとっては「継続的に納めるもの」であることには変わりがありません。
悲しい話ですが、檀家であることに明確なメリットがなければ「檀家を辞める」と考えてしまうのは、仕方がないことではと思います。
これからの檀家制度は、お互いにメリットがある良い関係を作る必要がある
これからの寺院は「どのようにして家族との接点を増やす案を考え、一般の方との結びつきを寺院自らが行う必要」があります。
家族の方と継続的にしっかりとしたお付き合いがある寺院は、今の時代でも寺院運営には困っておりません。
寺院であっても、自身の取り組みを「発信し続けること」
「寺院と支えている檀家とのつながりを保つ方法を考えること」
「檀家制度に頼らなくても、寺院運営ができる方法」を構築することが、今の寺院運営には求められてるのではないでしょうか?
宗教や気持ちが関係することで、あまりメリット・デメリットという言葉を使いたくはないのですが、社会で活動する以上、社会人は「価値あるもの」を提供し続ける必要があります。
ご家族・寺院、どちらかが一方的に偏らず、お互いに支え合う制度がそもそもの「檀家制度」であると私は思います😌
※ご家族・葬儀社様・霊園事業者様への「宗教者手配代行」やさしいお坊さん