お風呂と仲間たち
暑い日のお気に入りの過ごし方、それは水風呂でのぬいぐるみ洗い〜。
「チビちゃん〜。水風呂していいよ〜。ぬいぐるみちゃん洗っていいよ〜」
と言えばキャイッキャイ!の反応が帰ってきて、程なくお風呂いっぱいに全ぬいぐるみが浮かぶ。そこにチビコも飛び込んでボディソープも入れてふみ洗い。
大人は絶対入りたくないこの水風呂だが、チビコは大喜びで小一時間は遊ぶ。冷えるとお湯を足したり、飲み物を持ち込んだり。大きいサイズのメンバーは個別に外で踏んだり。
私はチビコとちょっと喋りながら、なんとなく脱衣所とか掃除して適当に近くにいる。そして恐ろしい楽園風呂をちらっと見るたびにあまりの光景に吹き出す(笑)
チビコがゾーンに入りだしたら離れてお茶して待ってる。束の間の静寂だ。
…
私のガキンチョ時代のお風呂の楽しみといえば、1人きりで顔面蒼白に入って行き「人魚姫が死ぬシーン」をしながら息を止めてゆらゆら漂う、っていう事だったからなあ…!だってお風呂が怖すぎて!
チビコがお風呂の怖さを感じ過ぎず、リラックスして入ってる様子をとても嬉しく思うし、同時に『ぬいぐるみまみれオチビ』も『人魚姫死ぬオチビ』も(笑)きっと同じなんだ、とも思う。私のホラー風呂も、人目から自由になった本音の遊びだったから、心は本当に元気になったものだったんだ。
ちっちゃく柔らかい体が感じる、果てしなさ過ぎて誰にも受け取ってもらえないエネルギーを、お風呂は誰にも内緒で丸ごと受け止めて、少し楽にしてくれるんだよね。って。
「ママ〜!ちょっときて〜!」
と反響したチビコの声が届く。見に行けば、プチプチのちっちゃな人間がえいしょえいしょっ!と頑張ってる。
「そろそろ出るんだけど、オラウータンちゃんが重くて持てないんだ!」
デロデロの激重になったぬいぐるみ達の引き上げ作業開始。皆さまおつかれさん(笑)脱水のグルングルンを乗り切り洗濯カゴに積まれていく。
「最後は一番おっきいぬいぐるみさんで〜す!出してあげてくださ〜い!」
と言ってホコリだらけのお風呂に浮かんでる、ニヤニヤのオチビを抱えて持ち上げる。もうビショビショ!
ケラケラ笑ってるところをタオルでくるむ。お風呂上がりの湿ったちっちゃい鼻ってなんでこんな可愛いの?(笑)
お風呂、ありがと。あとでたっぷり掃除する。
みんなを持ってベランダへ!
全員気絶で私1人大笑い。
夏の日差しが眩しくて眩しくて目を細めたら、私も寝てしまいそう、、って、瞼が、、くっついたその一瞬に意識が楽園に飛んだ。
「ママ〜おなかすいた~。アイス系食べたい〜。」
おひさまの下、短いうたた寝から覚めたチビが言う。
「よし、食べますかー」と言ってクーッと伸びして立ち上がる。
そう来ると思って、今日はスイカを切って凍らせた『スイカのスイカバー』ができている。