活気
チビコはじいじの工作教室の日に、ついでに夕ご飯もお呼ばれする事がよくある。今日はそんな日。結構夜も更けたころ、
「ただいまあああああ〜っ!!」とフザケてピンポンを押し過ぎるあのオチビが帰ってきた。酔っぱらいの友達のようだ!そしてインターホンのカメラ履歴がピノコのパラパラ漫画みたいになった。
じいじの教室帰りのチビコは、活気、勢いがほんとにすごい。大間のマグロがビンビンギラギラに泳いでる映像を妙に思い出したもん。
じいじ達は豊かな海みたい。もしも、私も含め、もっと多くの大人がじいじのように元気だったら、子供達は生きるのが楽しすぎて、興味あることへの意欲半端なくて、地球の環境問題なんかバンバン解決する明るい物をジャンジャン作り出すだろう。別に家のチビコが発明するって思ってるんじゃなくて!(笑)肌感覚として。
1日見てなかった、ころっとした頭を触る。ふくふくのほっぺ。まぶた。ちっちゃい腕の付け根。。。そういうのがフラッシュ暗算のように大量に目に入ってきて、うわあ、ここにこんな小さい人間の子供、チビコがいる!と体が毎度驚く。ファンタジーよりもリアルにファンタジー。(変な文!)
「今日はどうだった〜?ご飯何食べた〜?」
「楽しかった!!あとはしらない、ないしょ。春雨!」
「フッ。ばあばの甘ずっぱい春雨ね。好き?」
「うん。あとはばあばに聞いたら」
「(笑いを堪えきれずついに爆笑)ブハハハッ!!は〜い!ごめんごめん!!つい聞いちゃうんですよ!」
チビコは心の底からめんどくさ〜く思ってるこの手の質問をママが引っ込めてヒーヒー笑ったので、気分を良くして
「あ!事件があったよ。キイロスズメバチの巣があった。ジイジがとって、中身の幼虫を亀のはなこちゃんにあげた」と凄いことを教えてくれました〜。。
私も子供の時「今日どうだった?」系の質問をよくされたけど、ピントが合ったこと一回もなかったよな〜。そんなの、こたえかたがよくわからないよ、ようちえんの子たちの景色もしんぞうの音もハンカチの湿り気もじかんも全部が潮の匂いの鼻水にまざっちゃってるのに。そんなむりな事を言わないでずーっとハグしてくれたらいいのにな〜。なんて言葉が言えないから、歯の内側をベロで綿密に観測していた。
のんびりハグしてたらオチビは、すこぶる満足そうな笑顔で目を閉じた。だが、いきなり目が光り、見てて!と言って敷き布団にダッシュ。で、突っ込みながらのジャンプ前回りからの逆立ち、そしてブリッジ!
こわいぃ〜〜!
おデザートくださーい。
と言うから苺のムースをあげた。
ちっちゃいカクテルグラスで固めたぷるぷるの苺ムースはチビコによく似た食べ物だ。