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リラックス屋
休日の昼下がり。
生理で逆毛を立てて丸まっていたら、夫くんが温かい汁ビーフンと春巻きをささっと出してくれた。朦朧としつつ器を抱えたら、なんてことだ…庶民の神さまみたいなキラキラした汁麺で、香りもスープもフッ。と口から全体に染み入り、温泉上がりみたいにぽーっとなって、力付けられた。
こんなに長く付き合ってて子どもまでいるけど、彼って何者なんだろう。。前世で料理界から追放でもされたのかな?(笑)等、ずっと毎日ふしぎに思う。。。
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緩んでソファーでひっくり返っていたら、暇なオチビがやってきた。(ママ具合大丈夫かな、アタシは今どうしたらいいかわからないし暇なんですが、、)というような感じで、ちょっとだけ甘えたさそうに。
私もチビ時代はよくこういう風に、母に忍び寄ったものだったなあ!「ちょっとだけ休ませてよ!」とかって辛そうに嫌がられると、(ちがうんだよ)って言葉も思いつかず、寂しかったなあ。
ほんとは世話を焼いてほしいんじゃないんだよね。ただ自分が近づいた時、ママがシンプルに「君がいてまじ超嬉しーーっ!」って顔で笑ってくれないと安心が充電されないんだ。笑ってさえくれたらその後ママが白目剥いて寝ちゃったとしても(笑)もう不安じゃないんだよね!
「チビコちゃま。ちょっとそこの箱を空けてください。」
と寝ながら私は言う。
「そしてムヒを出して、ママの足に塗ってくれない?いいところに来てくれました。」
チビコは「ムヒ屋ねっ!」と言って大喜びで塗りたくってくれる。他には何してほしい?と目をキラキラさせていたから、
「休むので鉄琴を持ってきてヒーリングミュージックを演奏してください。」
といったらチビコが私の意図を完全に理解して
「リラックス屋ね!!」
と言った(笑)
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チビコのリラックス店は、超〜いい店だった。蒸気が出るマシンが私の顎辺りに設置され、口呼吸を促され(笑)
イチジクの葉を乾燥させた御香を頭に置かれ、目の前で鉄琴のヒーリングミュージックを演奏してくれて。
「ママ、行きたい所はありますか?本当じゃなくてもいいですよ。そこを想像してください。ハワイ?きもちいいところですよ。」
と言う。えっ、誘導瞑想?!いつの間にこんなの覚えたんだ!
「想像だとおもっちゃダメですよ。そこに行って休んで、気持ちいいですからね。」
凄い〜!私は笑いを必死にこらえて、ちっちゃな鉄琴の音波を浴びながら本当に楽しくリラックスした。でも、イチジクの葉っぱを粉々にして振りかけられたのだけは笑いがこらえきれず
「リラックス屋さん!これは、ふりかけをかけられてるご飯みたいな気持ちになってしまいますっ!」
と言ったらケタケタ笑って
「そういう人には串刺しの方をあげますから持ってください。かぐとリラックス出来ますよ。」
と言って、鉄琴のバチに串刺しにされたイチジクの葉を持たせてくれた(笑)
「最後にこの石に願いを伝えてください。叶えてくれます。」
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妙にリアルでおかし〜ったらっ!!と思いながら、でもせっかくやってくれてるからと気持ちを切り替え、きちんと願いを考えて目を閉じ祈った。
目を開けてピカピカ亀の甲羅を閉じた時、私のリラックス屋さんはもうそこにはおらず、机の端のパソコンを小さ〜な音にしてペッパピッグを見ながら笑ってるチビコがいましたとさ。
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バラに香水をかけたお土産までくれた!