想いの交錯・届かぬ希望———名作『LEON』 感想・レビュー
お久しぶりです。今回は1994年に公開された、「LEON」の感想です、殺し屋と少女の不気味でぎこちない関係が見所です。
ニューヨークで暮らすプロの殺し屋レオン(ジャン・レノ)は、ある日アパートの隣人マチルダ(ナタリー・ポートマン)に助けを求められる。彼女は、汚職警官のスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)に家族を殺されてしまったのだ。「追い出されたら殺される。私も殺し屋になりたい」と懇願する彼女を、やむなく引き取ることにしたレオン。マチルダと共同生活を送る中で、愛情が芽生えていく。 https://cinemore.jp/jp/erudition/1630/article_1631_p1.html より
関係性が深い
・親子としての関係
・恋人として映るレオン
・芽生えていく師弟関係
親子としての関係
マチルダにとってレオンは初めて出会った素晴らしい大人だった。家族を殺され、泣いているマチルダに対しレオンは豚のミトンで腹話術で励まそうとする。ほぼ面識の無い少女に対し無口ながら優しさが滲み出ているシーンだった。
恋人として映るレオン
殺し屋という職業柄、寡黙な彼の太陽となったのは言うまでもなくマチルダだった。彼女が来るまで、彼の生活は単調なものだった。ミルクを飲み、筋トレをし、植物の手入れをして、ソファで就寝。
ある日、彼女は言った。「ゲームをしましょ。頭脳と記憶力が良くなるから。」そう言って始めたのは変装し誰かを当てるゲーム。ノリノリのマチルダに引かれ楽しむレオン。シリアスな場面から一転した楽しい空間に思わず笑顔が溢れた。
そんな彼女はレオンに対し恋心を抱いていた。「私、あなたに恋をしてしまったようなの」とマチルダ。恋を忘れ、殺し屋として生きてきた彼にとって衝撃的な一言だったのだ。彼は思わずミルクを吹き出し動揺する。普段の彼とまた違った一面が見れたシーンだった。
芽生えていく師弟関係
彼女は家族を殺されたその瞬間から、あることを心に決めていた。それは「弟を殺した麻薬取締局への復讐」だったのだ。彼女は自身の全財産2万ドルでレオンに頼みでるが、彼は承諾してくれなかった。
彼はマチルダを自分自身と重ねていたのだと思う。レオン自身、19歳のころに恋が実った相手がいたが、彼女と彼との身分差がきっかけとなり彼女の父は自身の娘を手にかける。それも事故として包み隠したまま。
レオンは怒りを抑える余裕はなかった。彼はその父親を殺し、また事故として隠蔽し今の仕事につき今に至っている。
この経験があったからこそマチルダには復讐に囚われず、一人の女性として生きて欲しかったのだ。だがその反面で、彼女の強い決意とも重なるものを見てしまったいたのだろう。そして彼は彼女の手を汚すことなく殺し屋としてのスキルを教えていく
絶対見て欲しい
この作品の特に良い点は感情の揺らぎが大きいこと。
笑って、楽しんで、時には怒りに満ち、涙を流す。144分に数多の繊細な感情が込められていた。レオンとマチルダの本質的な”愛”が儚く、寂しく狂おしかった。
終わり
マチルダがレオンと出会うことで少しずつ一人の女の子としての成長が見え、観ている自分も親になったような不思議な感覚でした。殺しと愛が不可思議に結びついた映画で30年近く経った今でも色褪せない名作でした。
prime videoでは公開期限が迫っていますので早めのご視聴を。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた次の感動で会いましょう。おやすみなさい。
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