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休職20ヶ月、復職支援の話。
長い長い休職期間でした。正直、復職は難しいのではと思ったこともありましたが「ゆめみでまた仕事がしたい」、その一言で私は動くことができました。
休職20ヶ月していたメンバーが休職からリワーク施設へ通えるようになったこれまでの支援の話です。
定期面談を実施する
当時まだ弊社には「復職支援プログラム」のような支援体制が確立しておらず、会社は休職者と傷病手当申請など事務的な連絡を取るので精一杯。(これはどこの企業でもあることではないかと思います)
そこで先ずできることからと思い、休職者全員の面談からスタートしました。中には面談を予定しても実際に来てくれないということもあり彼もその1人。警戒されているような雰囲気の中、面談をスタートしたことを今でもよく覚えています。
重ねる面談の中で一人暮らしで友達や家族などのサポートが十分でないと感じたことから孤立を解消するため、面談回数を月1回から2回へ変更していき、さらにその後は本人の希望で毎週1回となりました。
復職支援プログラムを作成
2021年10月、ゆめみ保健室の開設を翌年と決めたこともあり通い始めたEAPメンタルヘルスカウンセラー養成講座。その中でメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の学びが必要になり、「復職支援プログラム」の重要性を理解しました。休職者が安心して復職できるフロー体制を作ることにしたのですが、弊社はティール組織という上司がいないフラットな組織。その中でのフロー体制を確立することは思っていた以上に大変なものでした。総務人事と何度も何度も話し合い試行錯誤すること5ヵ月、ようやく整い運用開始となります。
現在はこの復職支援プログラムもゆめみ独自の体制から学び得た形としてVer2を作成中。
週間活動記録表を活用する
休職して6ヵ月が経った頃、面談が定着してきました。
本人の承諾を得て主治医に連絡。「週間活動記録表」の作成を提案したところ承諾頂いたので本人に記載を依頼。週間活動記録表はEAPメンタルヘルスカウンセラー養成講座で知ったものです。
この活動記録表紙のメリットは…
可視化することで生活リズムを見直す
次の面談まで何をしていたか確認することができる
「できた」という成功体験が得られる
作業をするという感覚を取り戻していく
リワーク施設の提案
それでも復職の目途が立たない状況で傷病手当の満期が近づいてきていました。本人からは生活への不安という新たな相談が発生します。
これまでを振り返ると外出も増え復職も考え始めてから既に3ヵ月経っていて、本人の体調が良くなることを待っていましたが、「いや、そうじゃない」と私の中で何かが動き始めます。
EAPメンタルヘルスカウンセラーの実務研修で学んだ「リワーク施設」を今こそ使うべきではないかと思ったのです。
リワーク施設とはうつ病、適応障害等メンタルヘルス不調で休職・離職された方に対して復職・就労に向けたサポートを行う福祉サービスのことです。
リワーク施設を調べてみると多数あることを知ります。自治体が行っているもの、メンタルクリニックや民間企業のもの。
本人へ伝えると「通いたい」と興味を示したのでその意欲が変わらないうちにと早速動き始めました。
主治医へ相談し許可をとる(診断書に記載してもらうなど)
主治医からの許可をもって産業医へ提案する
産業医が承諾したら意見書に書いてもらう
→これが後に休職者が通いやすいような状況を作るため産業医の意見書などの協力は必須です。
リワーク施設を見学する
先ずは私が先に見学をしに行きました。個人契約なので会社が入らなくてもいいのですが、私は「みんなで応援している」という状況を作りたかったのです。
あまり知られていませんが、リワーク施設は国が各自治体へ任せている就労支援のひとつであり、つまり国が復職を応援してくれるのです。1ヵ月の費用も驚くぐらい安く(前年の収入による)今回は月1万円を切りました。
精神保健福祉士との出会い
見学から今日にいたるまでずっと寄り添ってくれる新たなパートナーとなりました。自治体への手続きから会社として必要なものだけでなく、私たちが「知らないであろう」を予測した情報の提供。そして体調不良の場合、私に代わって本人と当日面談をしてくれるなど…感謝しきれません。
リワーク施設へ通所開始
見学から実際通うまで市役所への手続きなどもあり通所できるようになったのは1ヵ月後でしたが、その間「見学」といった体で通うことができます。
本人も通う度前向きになり、同じ境遇の仲間がいることから元気に通っています。元気じゃない時もありますが、元気になれることを体験しているので前とは比較にならない程です。
職場復帰の準備も整いました
戻ってくる場所があることはやはり本人にとっても目標になると思い、現場でお世話をしてくれそうなメンバーに声をかけました。
弊社のいいところは管理職といった肩書がなくても快く受け入れてくれる人がいるということ。
定期的なチームミーティングへの参加も決まり、戻ったら研修から始めることも決まっていますしスキル面を見てくれるメンバーも決まりました。
もっと早く行動すればよかったという反省
会社は休職者をゆっくり休ませてあげるのではなく、どうやったら早く復職できるかを考えるのが重要だとこの20ヶ月の経験によって思いました。
そして色々なサポートを知らなかったこと。
今回彼1人が復職するにあたり、社内外含めて11名の方々にご協力頂きました。書類などの処理など細かいことを含めるとそれ以上かもしれません。
それだけ復職というのは人の力を借りるということですね、借りていいんですね。
まだ完全に復職したわけではないので心配事もありますが、彼の力を信じつつ、また何かあれば考えていけばいいと私も強くなりました。
最後までお読み頂きありがとうございました。