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「武士」であり「戯作者」である

アドベントカレンダー2024 4日目

本日は
風野真知雄さん 「恋の川、春の町 江戸戯作者事情」

滝沢馬琴関係の小説内に
いろんな名前が出てきます。

その中の「恋川春町」が主人公の小説を
たまたま本屋さんで見つけたので
読んでみました。


「寛政の改革」の頃のお話

恋川春町(こいかわ はるまち)は
「金々先生栄花夢」
といった黄表紙
(絵入りの大人向けの本)の
作者。戯作者です。

身分は「武士」
二足のわらじを履いています。

「恋川春町」
は、もちろんペンネーム。
「小石川春日町」を
もじって考えられたペンネーム。

へーー、と思いました。
小石川から来ているとは
思っていませんでした。


時は江戸時代
松平定信の「寛政の改革」
始まった頃から
物語はスタートです。


寛政の改革」
覚えていますか?
はるか昔に歴史の授業でやりましたね。

一言でいうと
「質素倹約」

華美なものは禁止
政府を批判するものは禁止
と、締め付けが強い政策です。


寛政の改革を批判する内容の本
「鸚鵡返文武二道」
(おうむがえしぶんぶのふたみち)

こちらを出したことによって
松平定信から呼び出しがかかります。

そんな中の
春町と
春町に関わる女性たちのお話です。


「武士」と「戯作者」の二足のわらじを履いている

当時は「武士」であり
「戯作者」など
副業?複業?
をしている人は多かったようです。

武士だけだと食べていけない
というのもあったようです。
が、
楽しいものが好き
というので
戯作者をやっている人も。


この本の中で
何回も名前が出てくるのが
講釈師の「馬場文耕」

痛烈な幕府批判をしたことにより
処刑された講釈師。
講釈師の中で唯一処刑された講釈師だそうです。


こちらの小説を読む前に
たまたま買ったこちらの雑誌

講談師の神田伯山さんの
インタビュー記事が載っていました。
「馬場文耕」について載っていました。

小説を読んだときに
「馬場文耕」!!
とびっくりしました。

この小説では
何回も出てきます。
「幕府批判」という共通点があるからでしょうか。

同じように
武士であり戯作者である
者たちは
しばらく大人しくし
断筆したり
国元へ帰ったりして
難を逃れようとしました。

さて、春町はどうする?


「妻は、くノ一」の作者さんだった

作者の風野真知雄さん
今回始めて読みました。

とても読みやすい文体でした。

本の最後の
刊行している作品を見ると
「妻は、くノ一」が!!


瀧本美織さんがでていた時代劇ではないですか!
原作があったんだ!
と思いました。


シリーズになっているのですね。
今度読んでみよう。


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