防災ブラチャリリ1 〜東京湾岸陸閘めぐり〜
気象予報士の加藤史葉@WeatherDataScienceです。
防災に関する設備や記念碑などをめぐり、防災に関する知識・興味を広げていく『防災ブラチャリリ』シリーズをnoteで公開しています。
初回を飾るテーマは『陸閘』。
初めての防災ブラチャリリ 〜東京湾岸陸閘めぐり〜 行ってみましょう!
まず、陸閘とは何ぞや?
陸閘(りっこう、りくこう)とは、河川等の堤防を通常時は生活のため通行出来るよう途切れさせてあり、増水時にはそれをゲート等により塞いで暫定的に堤防の役割を果たす目的で設置された施設。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京湾岸エリアの場合、高潮災害が予見されるときに陸閘を閉鎖することで、街を守る堤防の役割を一時的に作ることができるという、海岸保全施設のひとつとして運用されています。
東京の陸閘が活躍したのは、最近だと令和元年東日本台風(台風19号)。
2019年10月の台風19号とは、長野県の車両基地にある北陸新幹線が水に浸かり廃車になってしまった等、東日本から東北地方を中心に記録的な大雨をもたらし、各地で多くの河川氾濫や土砂崩れを発生させた台風でした。
資料引用:東京都防災ホームページ『令和元年台風第19号に係る水門操作、陸こう操作について(最終報)』
東京都港湾局が管理する陸閘26ヵ所
2020年10月現在、東京都港湾局が管理する、東京湾岸エリアの区毎の陸閘数は以下の通り。
・江東区:1
・中央区:4
・港区:18
・大田区:3
これらの陸閘にはそれぞれ管理IDが採番されています。
今回は、大田区の3カ所を除く23ヵ所をスタンプラリーのようにめぐっていきます。
ところで、以下、“陸こう”と書いていきます。
私の相棒MacBookProでは、りくこうを陸閘と変換できないので…
【東G-11】@江東区東雲
2020年10月初旬某日11時、豊洲駅でコミュニティサイクルをピックし、ブラチャリリのスタート!
江東区唯一の陸こう【東G-11】を目指し、東雲方向へ。
東雲二丁目団地前交差点のすぐ足下に【東G-11】発見。
後日、3ヵ月に一度の定期点検を見学しに再び現地へ。
高潮から街を守るため、こうやって陸こうや水門の開閉を定期運転&訓練されているそうです。
【晴G-11】@中央区晴海
陸こう【晴G-11】を反対側から見てみると…
なんと!晴海フラッグのモデルルームでした!
晴海フラッグとは、東京オリンピックパラリンピックの選手村宿舎を、大会終了後に分譲マンションとして販売する、そのマンション群の名称です。
陸こうから連なる堤防は、晴海フラッグ隣にあるタワーマンションを守っていました。
【月G-5】@中央区勝どき
こちらは常時閉鎖型の陸こうでした。
【月G-7】@中央区勝どき
2枚1組の陸こうを道路の両脇から中央分離帯に向かって引き出すタイプ。
上の写真向かって右側の陸こう【月G-7-①】。
逆側の陸こう【月G-7-②】。
陸こうのレール。
中央分離帯部分で陸こう①②が寄り合うようになっています。
②の陸こうが控えている月島埠頭は、震災時に水上輸送基地となり、帰宅困難者や緊急物資の輸送拠点として利用されるとのこと。
【月G-11】@中央区勝どき
こちらも常時閉鎖型の陸こうでした。
この陸こうに連なる堤防に守られているマンションの公開空地から撮影。
海鮮丼ランチ@豊海水産埠頭
陸こう【月G-5】の近くにある、湾岸エリアでは有名な『マグロ卸のマグロ丼の店』でランチ。
豊洲市場の1/2〜1/3の価格で海鮮丼がいただけます。
全席屋外&オーシャンビュー!
目の前には東京オリパラの選手村と東京消防庁の消防艇基地、そのまた向こうにはレンボーブリッジという、フォトジェニックな景色。
今回で4度目の来店。ごちそうさまでした!
前回来たときの帰り道「コレ何だろう?」と思ったのが、陸こう【月G-7】でした。
陸こうとの出会いを、ここの海鮮丼が引き合わせてくれたのです。
午後の陸こう探索は、隅田川を渡り港区へ。
出来たばかりピカピカのウォーターズ竹芝から水辺風景を望む。
すぐ近くには浜離宮排水機場と汐留川水門、そして陸こうもあります。
【竹G-11】@港区海岸1丁目
上の写真向かって右側に汐留川水門があり、この陸こうから連なる堤防が汐留川水門まで伸びてました。
【竹G-2】@港区海岸1丁目
竹芝客船ターミナルを囲むように設備されている陸こう【竹】シリーズ。
【竹G-2】は立ち入り禁止エリアだったのですが、近くの作業員に「陸こうだけ撮らせて!」とお願いしたら、快く招き入れてくれ撮影させてくださいました。
【竹G-3】@港区海岸1丁目
ピンク矢印で示したところにあるのが陸こう【竹G-3】だと思われます。
こちらは全く近づくことができず、竹芝客船ターミナルのボードウォークへ上る階段からギリ撮影。
【竹G-4】@港区海岸1丁目
汐留川水門〜堤防〜陸こう【竹G-1】〜【竹G-2】〜【竹G-3】と連なっていたのに、その流れで【竹G-4】が見つからない!
と思ったら、インターコンチネンタルホテルの足下に潜んでました。
こちらは常時閉鎖型の陸こうのようでした。
【竹G-5】@港区海岸1丁目
【竹G-5】は、東京都港湾局で管理する遠隔制御型の陸こう2つのうちのひとつ。
安全に遠隔制御するためのカメラやスピーカーが複数設置されています。
陸こう自体もセンサーが取り付けてあり、人や物が接触すると止まる仕組みになっているんだとか。
東日本大震災では、陸こうや水門の閉鎖作業に従事した消防団員や水防団員11名の方々が犠牲になりました。
この教訓を踏まえ、全国的に陸こうの遠隔制御化を進めているそうです。
インターコンチネンタルホテルは、堤防と陸こうにしっかり守られ、さらに、その上の高いところに建てられていました。
高潮等の水害時には、インターコンチネンタルホテルのある高い場所へ誘導する看板がありました。
休憩@ポートシティ竹芝6Fテラス
ポートシティ竹芝こそ最も新しく出来たばかりのピカピカな高層ビル。
たくさんのフリースペースがあり、今の季節は屋外のテラス席が最高に心地良く、パソコン持参して仕事場所としてよく使っています。
今回はおやつとアイスコーヒーで休憩に使わせていただきました。
【日G-3】@港区海岸2丁目
日の出埠頭方向から来る高潮から内陸側を守るように設置された堤防に連なる形で陸こう【日G-3】がありました。
平常時は、マンション住人の生活通路となっていました。
【日G-1】@港区海岸2丁目
陸こう【日G-3】に連なる堤防に沿って北へ進むと、小さな列車のような陸こう【日G-1】があります。
【日G-2】@港区海岸2丁目
こちらは【月G-7】と同じく、2枚1組の陸こうを道路の両脇から中央分離帯に向かって引き出すタイプ。
上の写真向かって右側の陸こう【日G-2-①】。
逆側の陸こう【日G-2-②】。
【芝G-7】@港区海岸3丁目
陸こうの脇に歩道が無く、歩行者は皆この階段を使って移動していました。
【芝G-8】@港区海岸3丁目
【芝G-8】は、東京都港湾局で管理する遠隔制御型の陸こう2つのうちのもうひとつ。
【竹G-5】と同様、安全に遠隔制御するためのカメラやスピーカーが複数設置されています。
【芝G-9】@港区海岸3丁目
こちらは常時閉鎖型の陸こうでした。
【芝G-11】へ向かう途中、防潮堤の改良工事をやってる場所がありました。
こうやってメンテナンスを続けてくださることで、水害から守られている東京湾岸エリア。
感謝しつつ、しっかり納税いたします!
【芝G-11】@港区海岸3丁目
令和2年2月制作。今回まわった中で一番新しい、今年生まれの陸こう。
【芝G-12】@港区海岸3丁目
【芝G-11】から【芝G-18】は、東海汽船の事務所を取り囲むように設置されていたので、以下イッキにご紹介。
【芝G-13】@港区海岸3丁目
【芝G-14】@港区海岸3丁目
【芝G-15】@港区海岸3丁目
【芝G-16】@港区海岸3丁目
【芝G-17】@港区海岸3丁目
【芝G-18】@港区海岸3丁目
東京湾岸陸こうめぐり、終了!
レインボーブリッジを徒歩で渡って帰る
近くのコミュニティサイクルポートへチャリを返却し、白にライトアップされたレインボーブリッジを徒歩で渡って帰ります。
夜景が綺麗なノースルートを選択。
遊歩道へ登る前のロビーにはトイレがあります。
レンボーブリッジの中央にゆりかもめが走り、その両脇に車道があり、そのまた両脇に歩道があります。
自転車は乗車して走行することが禁止されているのでご注意ください。
自転車を押して歩道を歩くことは許可されています。
写真中央に見えるのは、今年初めてライトアップが始まった豊洲大橋。
豊洲大橋の右側には、まるで空港の滑走路照明のような豊洲市場。
左側には、世界中のアスリートを待ちぼうけ状態で、明かりが灯ってない選手村の宿舎群。その後ろにスカイツリーが光っています。
19:00ちょうど、白のライトアップだったレインボーブリッジは青に変わりました。
お台場に到着!
再びチャリをピックして、お疲れちゃんディナーへ。
東京湾岸陸こうめぐりのブラチャリリ。
17,028歩も歩きました。脂肪燃焼できてるといいな。
今年6月に開業したばかりの有明ガーデン。
近所なので、しょっちゅう来てます(笑)。
5階テラス席にてドイツビールで乾杯「お疲れさま!」
非常に長いエントリーになってしまいました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
おまけ:ブラチャリリの素晴らしい相棒のご紹介
ブラチャリリするのにiPhone用の三脚兼自撮り棒を購入しました。
期待以上の活躍ぶりで、本当に買って良かったと思ってます。
旅のお供にぜひ!お勧めです。