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「原稿執筆・論文執筆の際の七不思議」- - -何度見直したつもりでも、必ずといっていいほど誤字・脱字・訂正箇所を発見してしまう理由について

1. 慣れによる見逃し

  • 原稿を繰り返し読んでいると、内容が頭の中に定着していきます。この「慣れ」の影響で、脳は「次に何が書かれているか」を予測するようになります。これによって、自然と読み飛ばしたり、細部に注意を払わなくなったりするのです。

  • 脳は「既に知っている情報」に対して省エネモードになるため、同じ段落や文を何度も読んでいると、すでに理解済みの情報を「新たに注意深く読み直す必要はない」と判断します。そのため、誤字や細かい表現の問題に目が行きにくくなり、誤りが見逃されるのです。

2. 「自分が書いた内容」への思い込み

  • 自分が書いた文章は、どうしても「自分の意図を正確に表現できている」という先入観を持ちやすくなります。これにより、他者の視点で読み直すことが難しくなります。

  • さらに、自分の思考の流れに沿って文章が書かれているため、細かい文法ミスや言葉の選び方に対して甘くなってしまうことがあります。言い換えれば、「自分はこの文でこういうことを言いたかった」という意図が強く作用し、自然と脳が「そう読もうとする」ため、微妙な表現ミスが浮き上がってこないのです。

3. 「校正疲れ」による集中力の低下

  • 校正を何度も行うと、作業自体に飽きが生じ、集中力が低下してしまいます。特に、初校や再校の段階で大きな修正を行った場合、「大きな修正が完了したからこれで大丈夫だろう」という心理が働き、集中力が散漫になりやすくなります。

  • 人間の脳は単純作業を繰り返すと疲労を感じるようにできており、同じ内容に長時間向き合うと注意力が落ち、些細なミスが目に入らなくなります。また、「これ以上は大丈夫だろう」と思うことで、注意力が最後まで続かないことも原因です。

4. 新しい視点での違和感の発見

  • 見直しを行うたびに、文書に対して新しい視点や観点が生まれることがあります。たとえば、文書を読んでいると「前回気にならなかった部分」が気になり始めたり、「何気なく読んでいた部分」に違和感を覚えることがあります。

  • これは、時間が経つことで一時的に「自分が書いたもの」から距離を置けるため、新しい目で文章を見られるようになるためです。また、他の仕事や原稿に一度集中した後で読み直すと、異なる角度で内容を評価でき、表現や構成の改善点が浮かびやすくなるのです。

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