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「エリクソンの発達段階」の分類と、各年代ごとの特徴と課題について
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エリクソンの発達段階理論は、フロイトの精神分析理論を基に発展させ、人格の発達を心理社会的な側面から捉えたものです。エリクソンは、人生を通して個人が直面する「心理的課題」と「危機」に焦点を当て、それぞれの段階における成功と失敗が、その後の人格発達にどのように影響を与えるかを説明しました。この理論の重要なポイントは、各段階における成功が次の段階へのスムーズな移行を助け、失敗がその後の課題解決に困難をもたらすという連続性です。以下に、各年代ごとの特徴や課題についての分析をおこなっていきます。
1. 乳児期(出生から1年未満):信頼 vs. 不信
課題:信頼感の獲得
乳児期において最も重要な課題は、養育者(主に母親)に対する「信頼感」を育むことです。赤ん坊は自分の基本的な欲求(食事、睡眠、愛情など)が適切に満たされるかどうかによって、世界を安全で信頼できる場所と感じるか、それとも不安や恐怖を抱くかが決まります。
危機:不信感
もし、養育者が不安定であったり、世話が不十分である場合、赤ん坊は「不信感」を抱くようになります。信頼が築けないと、他者や世界に対する基本的な不信感が形成され、これが後の人間関係や情緒発達に悪影響を与えることがあります。
長期的影響
信頼が確立されれば、子どもは他者を信じる能力や、ストレスの中でも感情的な安定感を持つことができ、未来の対人関係に良好な影響を与えます。
2. 幼児期初期(1歳から3歳):自律性 vs. 恥と疑惑
課題:自律性の獲得
この段階では、子どもは身体的な機能(歩行、トイレトレーニングなど)や自己主張の意欲を獲得します。「自律性」を身につけることにより、子どもは自分で行動を選択し、コントロールする力を感じます。親の役割は、子どもが探索し、独立性を試すことをサポートすることです。
危機:恥と疑惑
もし親が過度に保護的であったり、失敗や失態に対して厳しく罰するようであれば、子どもは「恥」や「疑惑」を感じ、自分の能力に自信を持てなくなります。これは自己肯定感の低下につながり、自律性の発達を阻害します。
長期的影響
自律性が確立された子どもは、自己コントロール感を持ち、自発的な行動が可能になります。逆に、恥や疑念を強く感じると、将来的に他者に依存的な態度や、自己不信を抱く可能性が高くなります。
3. 幼児期後期(3歳から6歳):積極性 vs. 罪悪感
課題:積極性の発揮
この段階では、子どもはさらに自己主張し、行動計画を立て、目的を持った行動を試みます。遊びや活動の中で「積極性」を発揮し、達成感を得ることが重要です。親は、この積極的な探索を支援し、子どもが新しいことに挑戦できる環境を提供します。
危機:罪悪感
もし、親が子どもの活動を過度に制限したり、失敗に対して厳しく叱責する場合、子どもは「罪悪感」を感じるようになります。これは、将来的に意欲の欠如や、目標達成への不安感につながる可能性があります。
長期的影響
この段階で積極性が発揮され、成功体験が積まれると、子どもは自己効力感を持ち、自発的に行動できるようになります。逆に罪悪感が強い場合、自己主張を抑え、自信のない態度を取るようになる可能性があります。
4. 学童期(6歳から13歳頃):勤勉性 vs. 劣等感
課題:勤勉性の発達
学校生活が中心となるこの時期は、知識の習得や社会的スキルの発達が求められます。「勤勉性」を発揮し、課題に取り組み、達成感を得ることがこの段階の中心です。成功することで、子どもは自己肯定感を得ます。
危機:劣等感
もし、子どもが課題に取り組む際に頻繁に失敗し、その失敗が強調されると、「劣等感」を感じるようになります。学習や社会的活動において他の子どもと比較され、劣等感が増すと、自己価値の低下や学習意欲の喪失につながります。
長期的影響
勤勉性を発揮し、達成感を得られた子どもは、自己効力感と責任感を持ちます。反対に、劣等感が強まると、成功を追求する意欲が弱まり、挫折しやすくなる可能性があります。
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