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「岩波書店のしおりをもとにして、本の部分名称について考えてみましょう」


「本の部分名称」(出典:「岩波書店のしおり」)

今回は、本の構造について、特に、普段見慣れない本の部分名称について考えていきます。それぞれの部分がどのような役割を果たしているのか、またその部分の名称がどこから来ているのかも含めて話を進めていきたいと思います。

1. かど革(コーネル)

  • 説明: 「かど革」とは、本の表紙の四隅を保護するために使われる革や補強材のことです。特にハードカバーの本で使われることが多く、角がすり減ったり、傷ついたりするのを防ぐ役割を果たします。装飾的な意味合いもあり、本全体の高級感を高めることがあります。欧米では「コーナー(corner)」と呼ばれることもあり、これが日本語で「コーネル」と表記されることもあります。

2. かど

  • 説明: 「かど」は、本の表紙や裏表紙の角の部分を指します。これは物理的に外部からの衝撃を受けやすい部分であり、特に書棚に立てて収納される際に、他の本や物とぶつかって傷が付きやすい場所です。この部分がしっかりしていると、本全体がより長持ちします。

3. ひら

  • 説明: 「ひら」は、本の表紙や裏表紙の側面部分で、特に開閉の動きが集中する部分です。この部分は本を開く際に手で押さえられるため、繰り返しの使用によって摩耗しやすいです。強度を保つために、厚紙や布で補強されることがあります。

4. 背

  • 説明: 「背(せ)」は、本の綴じられた部分であり、表紙と裏表紙を繋げている部分です。ここには通常、本のタイトルや著者名が書かれていて、書棚に並べられた際に本を識別するための重要な情報が掲載されます。背は本の強度と耐久性に大きな影響を与えるため、しっかりとした綴じが求められます。

5. 背文字

  • 説明: 「背文字」は、本の背に印刷されているタイトルや著者名、出版者名などの文字情報を指します。これらの情報は本棚に収納されたときに簡単に識別できるようにするためのもので、特に書籍が多い環境では非常に重要です。文字の大きさやデザインも、視認性に大きく影響します。

6. 耳

  • 説明: 「耳」は、見返しの一部で、本の表紙や裏表紙に接着される部分です。見返し自体は、本の内側の表紙と最初のページの間にある厚い紙で、本全体を補強する役割を持っています。この「耳」の部分がしっかりと貼られていることで、本が開閉のたびに痛みにくくなります。

7. ちり

  • 説明: 「ちり」は、本の表紙や裏表紙が本文よりも少し大きく作られている部分で、本文を保護する役割があります。この余分な部分があることで、本を置いたり運んだりする際に、本文の紙端が直接外部に触れることを防ぎ、ダメージを軽減します。

8. 地(けした)

  • 説明: 「地(けした)」とは、本の底部、つまり下端の部分を指します。日本語の「地」という言葉は、「下」の意味も持ちます。地は、書棚に立てて置いたときに床や棚に接する部分で、埃や汚れが溜まりやすい場所でもあります。この部分は、長期間の使用で摩耗しやすいため、時折掃除をすると本の寿命が延びます。

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