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「中学英語、高校世界史、高校政治経済などの疑問点および改善すべき点について考えてみましょう」

Ⅰ「日本では在宅時に靴を脱ぎますが、ヨーロッパのほとんどの国でもそうなのでしょうか?」

           

「ヨーロッパ諸国において在宅時に靴を脱ぐのかどうかの分布図」
(出典:creative.wam/instagram)

日本の中学校の英語の授業では「日本では家の中では靴を脱ぎますが、欧米では靴を脱ぎません」といった教え方をしている学校が多いのですが、実際には、上の図でも示しているように、東欧諸国では家の中では靴を脱ぐ国が多く、英語圏であるイギリスの場合にも、家の中では靴を脱ぐ人と脱がない人の割合が半々になっています。それでは、なぜ日本の授業での教え方と実際のデータは異なるのでしょうか。

教科書や教育プログラムが特定の文化や習慣について一般的なステレオタイプを広めることがあるのは、いくつかの理由が考えられます:

  1. 簡略化された教育:教科書や教育プログラムは、特定のトピックを簡潔に説明することを目的としており、複雑な事実や多様性を取り入れることが難しい場合があります。そのため、教育機関は簡単で一般的な説明を提供し、複雑な事実を省略することがあります。

  2. 文化の多様性の無視:教育資材はしばしば国内の文化や慣習に焦点を当て、他の文化については不十分に説明することがあります。このため、異なる文化の実態や多様性が無視されることがあります。

  3. ステレオタイプの広まり:教科書や教育プログラムは、特定の国や地域に関するステレオタイプを強調することがあるため、一般的な誤解や偏見が広まることがあります。

  4. 文化の変化への適応の遅れ:教育資材の更新サイクルは遅いため、文化や習慣の変化に追随できないことがあります。したがって、実際の現代の状況と教科書の内容とが異なることがあります。

言語や文化に関する教育においては、より正確で包括的な情報を提供するために、現地の事実や多様性を考慮することが重要です。また、教育機関は教師に対して異文化理解や正確な情報提供のトレーニングを提供し、学生に対しても異なる文化を尊重することの重要性を教えるべきです。このような努力によって、教育システムがより現実的で多様性を尊重するものになるでしょう。

Ⅱ「日本の高校の世界史や政治経済の授業では、アメリカ史やイギリス史、フランス史、中国史などが中心に教えられ、その一方で、アラブ・中東史やウクライ史などはほとんど教えられていないか、またはあっさりと触れられていることについて」

このような地域差が生じる理由は、教育カリキュラムと教科指導要領、そして歴史や政治経済の重要性に関する各国の視点の違いによるものがあります。以下にいくつかの理由を挙げてみましょう:

  1. カリキュラムの決定:各国の教育省や機関は、教育カリキュラムを策定し、どの科目やトピックを教えるかを決定します。これらのカリキュラムは国ごとに異なり、国の歴史的背景、文化、外交政策、教育システムに影響を受けます。そのため、アメリカ、イギリス、フランス、中国などの国々が自国の歴史を重視することが一般的で、他の地域の歴史については限られた時間しか割かれないことがあります。

  2. 国際的な重要性:一部の国や地域は、国際政治や経済の観点から、より重要な役割を果たしているため、それらの国や地域の歴史や政治経済について学ぶことが重要とされることがあります。アメリカや中国は世界経済の主要プレーヤーであり、イギリスやフランスは世界史の中でも重要な役割を果たしてきました。そのため、これらの国の歴史や政治経済について学ぶことが一般的です。

  3. カルチャルバイアス:教育システムには、国内のカルチャルバイアスや特定の歴史的出来事に対する関心が反映されることがあります。一部の国では、アジアや中東の歴史や文化について学ぶ機会が限られている場合もあります。

  4. 教員の専門知識:教育システムが教員の専門知識に依存する場合、その教員の関心や専門分野に応じて、特定の地域の歴史や政治経済に関する情報が不足することがあります。

ただし、これらの地域の歴史や政治経済に関する知識は、グローバルな視点を持つために重要であり、教育システムが多様性を尊重し、異なる地域に関する知識を深める機会を提供することが望ましいとされています。教育改革やカリキュラムの見直しによって、これらの地域に関する教育が充実することもあるかもしれません。

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