【ビジネスチャンス】ダイヤモンドの原石をどうやって見つけ出すか【MUP|WEEK21】
25歳から27歳で、80億ほどの資産を築いた竹花さんの新規事業立ち上げの経験談についての記事になります。
具体的に、”何をどう考えて”ビジネスにつなげていったか。そのストーリーを知ることができます。この記事を読むだけで、ビジネスチャンスの見つけるスキルを習得できます。
ダイヤモンドの原石の見つけ方
よく竹花さんにくる質問に「どうやって、新しいモノが見えてくるのか?ビジネスチャンスってどこにあるの?」というものがあるみたいです。
結論から言うと、『ビジネスチャンスは石ころ以上に転がっています』
なぜか?
そもそも、『人々が何にお金を払っているか』を考えればすぐに分かります。
基本的には、『不』という1文字を解決するためにお金を払います。この『不』が何かというと以下の5つに分けられます。
・不満
・不安
・不経済的
・不平等的
・不利益
これらの不はどこにでも転がっています。例えば、『小さい子供2人を面倒見ながら自転車でスーパーにいかなければならない』なんてのも明らかな『不』です。
もっと抽象的でいいならば、満員電車、何かの操作が分からない、時間がもったいない、暑い、面倒、、、と日々感じる『不』なんて道にある石ころ以上ですよね。
まずは、日々自分や周りが感じとる『不』を簡単に見逃さない精神が大切になります。
実際にあったゼロワンの例
竹花さんがフィリピンで駐在員をしていたときに、実際に行った新規事業立ち上げ(ゼロワン)を紹介していきます。
上司に「フィリピンで新規事業作ってこい!」と言われた、竹花さんは空港について、ホテルに行くまでのタクシーの中でビジネスチャンス=『不』を発見しました。
皆さんは、この写真を見て何か『不』を見つけられますか?
今度は次の日に、竹花さんはフィリピンの病院に訪れます。受付の前に座っていると、ある事実に気付いたそうです。以下の写真が病院内の様子です。
だいぶ日本の病院とは様子が違いますね。ここからどんなコトを思い浮かんだのでしょう?
5秒でいいので、タクシーと病院の写真をみて不を考えてみてください!
では、竹花さんが見つけたものを紹介していきます。
まずは、タクシーの中で見つけた『不』。これは、”広告看板がめちゃくちゃ多い”ということです。
次に、病院内で思ったことは、『待ち時間が非常に長いこと・病院が異常に綺麗・みんな高級車で来る』の3点に気がついたようです。
この2日間の気づきをまとめると、
1. 広告看板が多い
2. 待ち時間が長い
3. 病院が綺麗
4. 高級車の乗り付け
これだけ何かに気づけているのもすごいですが、おそらく僕らでも、”気づくだけ”ならできるはずです。ただし、僕らは『表面的事実』にしか目を向けていないのです。
裏側の真実
これだけでは、ビジネスには発展しません。意識を向けるべきなのは『表面的事実』から見えてくる『裏側の真実』です。これは、言葉の通り目では見えません。自分で調査してみたり、なぜ?を問いかけてみたり、探求する必要があります。
この例で、表面的事実から見える『裏側の真実』は以下の3つになります。
・無駄な広告費だな(不経済的)
・待ち時間イライラするな(不満)
・貧乏な人が多いのにな(不平等的)
看板がたくさんあるということは、広告主がたくさんいるということです。看板が乱立するなか、ターゲットは自動車で走っているので特定の広告に目に行く時間というのはわずかです。つまり、広告主にとってはかなり非効率的・不経済的な広告といえます。
また、なぜ病院が綺麗で金持ちが集まってくるかというと、フィリピンは日本のように保険制度が整っていないので、医療費は(プライベートホスピタルだと)100%自己負担になるからです。これが支払えるのは金持ちだけなので、病院が綺麗で高級車が乗り付けてくるわけですね。
『表面的事実』と『裏側の真実』から事業化したものが、
病院内に広告看板を出すビジネス
になります。これが実際に事業化できたのは、広告看板を出す広告主(クライアント)に対して解決できる3つのことがあったからです。
・効果の効率化
・コストの削減
・ブランディングアップ
<効果の効率化>
マスメディアが出す『マス広告・OOH広告(屋外広告)』というのは、不特定多数に対して、広告をします。しかし、実際に商品を買う人は不特定多数の中の一部です。
コストに目を向けると、広告費というのは”どれだけの人間にリーチできたかということ”にお金がかかってきます。つまり、全員に対してリーチするテレビ広告や看板広告は費用がかなり高いです。
対して、竹花さんが作った『メディカル広告』というのは”ダイレクトリーチ”ができます。お金持ちがあつまる病院は、お金持ちを対象とした商品を扱う広告主にとって最高の広告先となるのです。(安い費用で、買ってくれそうな人だけに広告を打てる)
次に『タイムボリューム』が全然違ってきます。広告の効果を測る指標として、”何秒みているか?”があります。みている時間によって、どれだけ教育的な広告が打てるかが決まるのです。
車からみる看板広告というのは、5秒くらいしかみれず『会社名・サービス名』くらいしか覚えら得れません。対して、病院の待合室では、1時間くらいあって、タイムボリュームが大きいです。
よく、雑誌や本が置いてあって時間を潰しますよね。それを広告にすり替えてやろうと考えたのが『メディカル広告』になります。1時間もあれば、細かいサービス内容や特徴を伝えられる『教育広告』がうてます。
<コスト削減>
屋外広告とメディカル広告の差をみていきましょう!広告はどれだけのターゲットにリーチできたかが重要です。
リーチ数=スタート人数×目に入る確率×セグメント
屋外広告は1ヶ月に道路を通る人の数が400万人、30%の人が目に入って120万人(看板にカメラをつけた実験から)、そのうち病院に来れるようなお金持ちは12万人のリーチ数です。
メディカル広告についても同様に概算を行っていくと、同じリーチ数を半額で提供できていることになります。
<ブランディングアップ>
病院内に広告を置くことで、ドクター商法と呼ばれるブランディング手法が使えます。
例えば、ポカリスエットの広告が病院に置かれていたらどうですか?スポーツ飲料というより、ヘルシー飲料っぽいイメージを持つはずです。同様に、レッドブルの広告があったら、モンスターよりは体にいいのかな?って思いますよね。
このように、商品にドクターを紐付けることでブランディングイメージを引き上げる手法は、ドクターペッパーやドクターシーラボと言った商品に使われています。
対して、道路に置いてある広告看板はなんのブランディングにもなりません。
以上3点がクライアントに対して解決できることでした。
事業成功のための戦略
『メディカル広告』は病院のスペースを借りて、広告主に「広告出しませんか」と営業する仲介屋のようなビジネスです。これを成功させるために竹花さんがとった戦略は以下の3つです。
・無在庫商法
・独占契約
・競合排他
<無在庫商法>
まず、病院側への営業に関してです。ドクターに「病院のスペースを貸してください」というのではなく、「クライアントが決まったら貸してね」というのです。つまり、マッチングが成立して確実に利益が出せる状態にしてからスペースを借ります。
「その確実に出る利益から○%を病院にあげるよ」と交渉することで、win-winの契約が結べます。こちらはコスト・在庫ゼロで、向こうは勝手にお金が入ってくる状態です。
<独占契約>
やはり、この自動でお金が入ってくる広告システムは人気ですぐに交渉成立したようです。ここで「弊社以外にはスペースを貸さないで。絶対にクライアントとってくるから!」という約束もすることで独占契約が結べます。
<売り方は独占契約かつ年間契約>
次はクライアント側です。こちらでも、1つの病院スペースに対して1社というように独占契約を結びます。こうすることで、「今、年間契約をしないなら他に売るね」と強気の交渉が可能になります。年間契約にすることで経営の安定を測れます。
交渉の仕方を少し工夫するだけでこんなにも立場が変わってくるのですね。
新規事業立ち上げで重要なこと3選
結論から
・新しいものを探すな
・ターゲット層を絞るな
・シード(種)はどこにでもある
<新しいものを探すな>
今の時代というのは、アインシュタインになろうとしては行けないです。全く新しいものを発見することより、情報と情報のつなぎ合わせに、新たな価値を見出す方が確実に簡単で効率的です。
なぜならば、今の世の中は情報がオープンソース化されているからです。世の中、情報に溢れかえってますよね。まさに、このnoteもそうです。
『新しい何かをゼロから生み出す』というよりは、『情報を組み合わせて進化させていく』ことがビジネスチャンスの見つけ方です。
そのためにとにかく情報に触れること。要素となる情報がなければ、進化は絶対に起こりえません。
<ターゲットを絞るな>
メディカル広告のトップクライアントは以下のどれだと思いますか?
1. 製薬業界
2. 不動産業界
3. アパレル業界
4. フード業界
病院だから、1.の製薬業界かなと思うかもしれません。正解は、不動産業界です。時間をかけてPRできることと、所得の高さが保証されていることが不動産業界にささりました。
竹花さんも最初は、製薬業界に絞ってクライアント探しをしていたそうです。つまり、ターゲットを絞ったことで機会損失をしていたのです。
ターゲットを絞ることと、ニッチ戦略をとること(セグメントをすること)は違います。
お酒の市場で、『ウイスキー・ワイン・日本酒・カクテル』がニーズとして存在するとします。ここで、”ワイン専門店をやる”というのは、コスト削減とブランディングアップを狙えます。
ここで注意して欲しいのが、『ワインにニーズがある人の最大マス』をとりにいくことがニッチ戦略の前提です。ワインが飲みたいというマスの中から、女性をターゲットにしようとか、仕事帰りのサラリーマンをターゲットにしようとかは、ただの機会損失です。サラリーマンでも女性でも売れれば同じです。
<ビジネスの種はどこにでもある>
これは復習です。ビジネスの種は石ころ以上にあります。なぜならば、その種は人々の『不』という1文字だからです。
不を見つけるだけでは行けません。目に見えない『裏側の真実』を考察することで、それはダイヤモンドの原石となるでしょう!
まとめ
・オープンソースの時代、とにかく情報にふれろ
・ターゲットは無駄に絞らない
・不を見つけ裏側の真実を探ること