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始まりの乗りもの


出発の準備が長引いてしまい、秘技・東京モノレールに乗った。普通の電車よりも早いが運賃が高い、そんな乗り物。

湾岸沿いを走るこのモノレールは、不運にも進行方向と逆向きに座った私に、時が遡るように景色を見せてくれた。

10年と少し前、私を東京に連れて行った、始まりの乗りもの。
陰鬱な受験のためにこれを頼った時、独特の揺れに見事に乗り物酔いになり、密集した人の群れにも酔い、第一志望の大学には落ちた。

揺れにも人にも慣れたのに、皮肉なことに当時よりもずっと少なくなった乗客たちと共に、本日、揺れながら空港に向かう。
曇天の中に、レインボーブリッジを見つける。最近フワちゃんが頻繁にアップしているレインボーブリッジの動画、フワちゃんがレイブリにずっとわくわくしてて良いよね。

さて私が思い出すのは、大学の友人たちと、祭でもないのに浴衣を着て、レインボーブリッジを歩いて渡った大学一年の変な夏。
あてもなく歩き、お金もないので泊まることもせず、海沿いの公園のベンチで夜が明けるのを待った。
公園は綺麗で、不審者もおらず、誰にも怒られなかった。あの公園はどこなんだろう。

時は経ち、遊んでいたメンバーのうち、カップルが夫婦になり、親となっている。
その母親、かつ私の大学の親友が、今の恋人と小学校の頃の知り合い。
というか彼女は、私が付き合った人とだいたい知り合い。三回目はさすがに怖い。

そんな恥ずかしく隠してきた過去の思い出も書きたくなるような、もう恥ずかしくないような、七月の始まりです!

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