【後編】 🇮🇳死ぬかと思った・・・。１歳のわが子と離れ離れ。インドでデング熱にかかり、１2日間の入院生活を送った話。 #デング #ITP #血小板減少

前編の続き、入院初日から退院と
その後の様子を綴りました。
前編をまだ読んでいない方は
こちらからご覧ください。

入院初日　抜け殻のような状態

私が点滴や処置を受けている間に、主人が入院手続きを行う。
血液検査の結果が出て、はっきりと「デング熱」と診断を受ける。
この時の血小板の数値は、40,000μ/L、TLC（免疫力を表す数値）も低下していた。
食欲不振で、病院食のカレーの匂いが気持ち悪く感じる。
主な症状は、めまい、吐き気、熱、頭痛、背中と左足の痛みなど。
入院初日は、ほとんど体を動かせず、抜け殻のような一日だった。

2日目　強い頭痛と背中の痛み

体調は変わらず、強い頭痛や背中の痛みが続く。
日本人の友人が差し入れを持って会いにきてくれ、いつもの笑顔に元気をもらった。すぐに駆けつけてくれた彼女に心救われる。
吐き気はあったが、少しずつフルーツや軽い食事をとることができた。
血小板は28,000μ/Lまで下がった。
旦那いわく、息子は実家で元気に遊んでいるようだった。

3日目　ほぼ水の下痢が１日に６回

症状が少し落ち着いたものの、新たに下痢に悩まされる。
1日に6回ほど水っぽい下痢が続き、
血小板の数値もさらに低下（午前24,000μ/L、午後22,000μ/L）。

4日目　下痢10回以上でお腹に注射

下痢が悪化し、1日に10回以上。
免疫力が低下しているため、マスクを着用するよう指示される。
お腹に注射され、痛みを感じながらも食欲は少し戻り、病院食を少し食べられるようになった。
夜に再び下痢に悩まされ、体調は依然厳しい。

大体同じメニューの朝食。
昼と夜は朝とは異なるがほぼ毎日同じメニュー。
毎食、病室内がカレーの匂いでいっぱいになるのがツラかった。

5日目　血小板の輸血

血小板の輸血が行われる。
下痢は3回に減ったが、食欲不振が再発し、カレーの匂いで再び吐き気。
予定日より早く生理も始まり、体調は依然不安定。

6日目　手足の強いしびれとかゆみで眠れない

少しずつ症状が改善し、頭痛や背中の痛みはほぼなくなるが、
下痢は依然として続く。
夜には手足に強いしびれやかゆみを感じ、眠れなかった。
薬が投与されるも気持ち悪さが増す。
血小板の数値は低いながらも安定してきたが、体調はまだ万全ではない。

7日目　友人に会えて世界に彩りを感じる

手のしびれとかゆみが続き、下痢も続く。
（下痢は1日トータル5回だった。）
もう１人の日本人の友人が会いにきてくれ、見慣れた笑顔と言葉に、
少し気持ちが軽くなる。私好みの本を持ってきてくれ、
改めて細やかな気配りができる友人に敬服する。
モノクロだった入院生活に、彩りを与えてもらえたことに感謝。

友人が差し入れてくれた本「おしゃべりな腸」
文章の書き方も内容も面白く、スラスラと読めてしまった。

8日目　久々に息子に再会

下痢が1回のみで、手のしびれもなく、体調がかなり改善。
日中、この入院生活で2回目のお腹の注射をされる。
今回の入院で初めてこの注射。めちゃくちゃ痛い。

息子と久々に再会し、１週間の成長を感じた。
話す言葉が増え、動きもしっかりした。
早く元気になって色々な遊びを一緒にしたいと強く感じた。

9日目　血小板の数値が上がらず退院延期

体調は良くなっているが、血小板の数値が上がらないため、退院は延期。
読書で時間を過ごす。

10日目　ステロイド薬で血小板の増加に期待

ステロイド薬の服用を開始。
血小板の数値が依然低く、退院は難しい状況。
電話で日本の家族、親戚、友人と話して気持ちが少し楽になる。

妊娠中も毎日飲んでいたステロイド薬。
ワイセロンという名前のものを服用。
入院中は６０mg→退院１週間後４０mg
→３０mg→２０mgと徐々に服用のレベルを下げています。

11日目　息子のハグに込められた想い

点滴が痛く、体中にあざができる。

点滴でできたあざと腫れ

ドクターから、明日の血小板の数値次第で退院できるかどうか決まると
告げられる。30,000μ/Lであれば退院しましょう、と。

夕方、旦那と息子と義母が来てくれた。
両腕を広げると、駆け足で私の胸に飛び込んできてくれた息子。
小さな体が私の体にピッタリとしがみつくのを感じた。
ママに会えて嬉しいって、息子の気持ちがひしひしと伝わってきた。

こんなに幸せな気持ちに包まれたことないくらい、
温かい気持ちでいっぱいになった。

元気に退院するのを待っていてくれてる。
早く元気にならないと。

退院して、たくさん愛を注いであげたい。

この子と家族の幸せのためにも、

自分の豊かな人生のためにも、

このまま病院で終わるなんて嫌。

明日、退院出来ますように。
日常が戻りますように。
また日本の家族に会えますように。

息子との再会に心温まり、早く元気になりたいと強く願った。

12日目　退院が確定

夜は眠れず、不安な時間を過ごす。

血小板の数値が30000μ/L以上になった！
退院が決定！

退院手続きは半日かかったが、
午後３時、ようやく病院の外に出る。

久しぶりの外は眩しくて、暑い。
2週間近くベッドでの生活だったせいで、
足に力が入らず、歩くのが大変。
でもここから少しずつ日常に戻れることに感謝しかない。

入院期間中の
血小板(PLT)とTLC(免疫能と栄養状態の指標)
の数値の変化

退院後　デングの後遺症は続く

退院後も体調は完全には回復せず、
手足に小さな赤い点や皮むけ（手のひらと足の裏）が続いた。
力も入りにくく、完全にこれらの症状から
抜け出せたのは２週間ほど経ってから。

入院中かゆみを感じたところに赤い内出血のような点がでた。
退院後手足の皮がむけたのも、
デングの影響で出たかゆみによるものだそう。

両腕はあざだらけに。

こんなに症状が続き
悩まされるなんて・・・

恐るべし、デング熱。

後日談　"小さな勇者"

退院した翌日の昼。
旦那がふと入院２日目のことを話し始めた。

「実は、あの日、息子は朝から２時間近くずっと泣いていたんだよ。」

「入院中で心配させたくなくて、いつも元気に遊んでるって伝えてたんだ。」

「・・・。」

胸がギューっと苦しくなった。

まだ１歳になったばかりの息子が
どれだけ頑張ってくれていたのかと思うと
涙が溢れた。

今、無事にここにいられて良かった。

何気ない日常がどれほど大切かを改めて感じる。

これからは１日１日を大切に、
息子と家族との時間を大切に過ごして
生きたいと強く思った。

退院して２週間後に届いた日本の家族からのアルバムとメッセージ。
海を超えて家族の温もりを感じる。