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【fumiの2022年買ってよかったもの大賞】「育てる」真鍮のつけペン軸

「書くこと」、楽しんでいますか〜?

このご時世、PCやスマートフォンで文章を打つことも多いけれど、やっぱり手書きは別物。

仕事でもボールペンは手放せないし、プライベートでも日々の記録用として手帳をちまちま書き続けています。

なにか計画を立てるときは、まずA4のコピー用紙を引っ張り出して、マインドマップや図を書いたりも。
PC上でもできる作業ではあるし、誰かと共有するとなると少し手間だけど、全体像を俯瞰するには、やっぱり手書きなんですよね。

そんな手書きの時間をもっと楽しくしてくれたのが、今回ご紹介する「PAPYRUSのつけペン軸」

よく漫画家さんが使っているあれですよ、あれ

正直、便利な文具とは真逆の存在。ニブ(ペン先)に何度もインクをつけながら書くので手間がかかる。持ち運んで使うのは難しいために、自宅でじっくり使う文具です。

それでも、わたしはこのつけペン軸に「2022年買ってよかったもの大賞」を授けたい。

とりあえず、文具店「PAPYRUS」のことを

素敵な箱に入っています

このつけペン軸は、山梨県の八ヶ岳のふもとにある文具店PAPYRUSのオリジナル文具です。

山梨県の店舗はいまだに行ったことがないのですが、わたしは運のいいことに、6月に開催された東京蚤の市で偶然出会うことができました。これですね↓

PAPYRUSでは、つけペンをはじめ、オリジナルのニブボックスやカードも販売されています。古書から選んだ図柄を元に、版を手作業で彫って作っているそうです。 

活版の文字もクラシカルで好み。長く所持しつづけて紙がくすんできたら、それはそれで趣のある表情になると思う。好き!!

「育てる」つけペン軸

で、ちょっと話がそれたのでペン軸の話に戻りましょう。

ぱっと見、鉛筆のような見た目。

このつけペン軸、実は真鍮を削り出して製作されています。

いくつか種類があって、長さは2タイプ。何度も試し書きをして、短い方を選びました。

短い方のつけペン軸は10cmほど。手の小さいわたしにとっては、大きさも重さもほどよく、つけペン軸の自重で力をあまり入れなくてもスルスルかけちゃう(とはいえ、やはり金属の塊なので重いことは重い)。

ペン軸のてっぺんにはブランドの象徴「カタツムリマーク」が
ニブを挿し込む側。六角形で鉛筆のように安定します。
世の中にはなんて美しい道具があるのだろう。サイコー!

ブランドのカタツムリマークがちっちゃく彫られていて、カタツムリを見つけるたび、ニヤッとしちゃう。


このつけペン軸、同じ形でアルミ素材のものも展開されていました。けれど、一目見て、これは真鍮がいい!と確信。

真鍮のアクセサリーを持っている方はご存知かもですが、真鍮って使い込んでいくと、酸化によって黒ずんだり、緑青という青緑のサビが出てきてしまう性質があるんですよね。

これって、一見デメリットぽいですけど、そんなことはなく。

長く使っていくうちに素材の味が深まって、自分だけのものに育っていく……ものにストーリーが宿る。とってもロマンチックじゃないですか?

6ヶ月、主に日記やPOP書きで使用、少し青みがでてきました。

ニブの沼にも浸かり気味

このつけペン軸を買ってから、ニブも気になるものを見つけては買い足しています。

ニブを変えることで、使い心地をその時の気分・用途に合わせてカスタマイズできる楽しさがあります。

左からNIKKO G Pen、Brause 49(で合ってるのかな?)、Brause 29B

ニブ、とんでもなく沼の香りがする。わたしの収集癖が今にも爆発しそうで、理性と戦う日々です。

なまじ数百円で購入できてしまうために、いろいろお試し中。

ニブにもそれぞれの個性があります。
インクがドバッと出るもの、インクの持ちがいいもの、カリカリした筆記感のもの、ぬるっとなめらかに書けるもの。

書き味を楽しみたくて、ついつい一文字一文字丁寧に綴りたくなります。

力の入れ方で線の太さが変わります。
ちなみに紙はトラベラーズノート軽量紙。
ニブの裏にリザーバーがついていると、インクの持ちがよくなります。

ニブは先が開いてきたり、サビたりするらしいので、消耗品らしいのだけど、大事に使っていきたい。

並べたときの佇まいに胸が高鳴る。

つけペンで思考に一筋の風を

机にずっと置いていても邪魔にならない、むしろ眼福なビジュアル。

もともと、万年筆も愛用していてインクは身近だったけれど、まさかこんなにハマるとは。

一目惚れだったから、「だんだんめんどくさくなって使わなくなってしまうかな?」という不安はありましたが、それは無用の心配でした。

手帳や日記、手紙、メモなど、思った以上にさまざまなシーンで使っています。

使うたびに「書くのって楽しいなあ」と思わせてくれるし、あまり力を入れなくても筆記できるので手への負担も少なめ。


もうひとつ、使っていて思うのですが、つけペン特有の「間」が、思考に余白を作ってくれている気がします。

わたしは、気持ちが先走ると、息継ぎする間もなく一気に言葉を書き連ねがち。日記なんかは特にそうで、過集中状態になって、知らず知らずのうちに視野が狭くなっていることもあります。

けれど、つけペンは、インクを足さなければなりません。インクを足す数秒の行為が、はやる気持ちにすっと一筋の風を吹き込んでくれる。

ちょっと冷静になれる瞬間が、いいなあ、と思うのです。

そうそう、ネット上で買えないところも、個人的には特別感があっていいなあと思う(2000年代前半の買い物ってこんな感じで、買う行為にもっと重みがあった気がする)。


経年変化で表情が変わっていく素材が好きなのですが、このつけペン軸、わたしのツボにどんぴしゃりでした。

この美しい道具を、この先、5年、10年と使い込んで、自分だけのものに育てるのが今から楽しみです。

来年は、ものに関する記事をもっと書いていきたいなぁ。

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