便秘の原因2 胆汁の働き
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より
今回は、便秘の原因シリーズ2
便秘には以下のような原因があります。
便秘の原因
①食べ物
②胆汁の働き
③水分量のコントロール
④腸内細菌の働き
⑤腸の働きの問題
⑥骨盤底筋群の問題
⑦腰椎・骨盤・股関節の問題
今日は
②胆汁の働き
について説明をしていきたいと思います。
・胆汁とは
・肝臓で作られるされる黄褐色でアルカリ性の液体
・胆汁は胆のうに一時貯蔵・濃縮される
・胆のうは肝臓の下面にあり、ナスのような形をしている
・食事時に胆のうが収縮され、胆汁が十二指腸に分泌される
↑これだけの説明だと
便秘と胆汁の関係は、全く伝わりませんよねww
まず、知っていてほしいことは
便の色は、胆汁の色
(ビリルビンの色)
健康な時のウンチの色は、黄褐色、黄土色、、、
The ウンチの色
大体の解剖図で、胆のうは、濃い緑っぽいこんな色で描かれていますよね。
うんちの色は、胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)の色なんですよ。
ウンチの色が変化するのは、これ以外の色が混じって別な色になったり、ビリルビンが少なくなって白っぽいウンチになったりするからです。
ウンチの色が健康状態を表すのは、このためですよね。
便の色の話は、また別の機会にしますね。
・胆汁の流れと成分
☑️ 肝臓で生成され、胆のうへ運ばれ、蓄えられる
☑️ 胆のうで5~10倍の濃さに濃縮される
☑️ 97%は水
☑️ 胆汁酸
☑️ ビリルビン
☑️ コレステロール
などが含まれます。
意外かもしれませんが、消化酵素は含まれていません。
あれ!? って思いませんでしたか??
胆汁は脂肪を分解するって記憶していませんでしたか?
(そもそもそんな記憶も無かったww?)
その記憶は間違っていません。
【胆汁の働き】
胆汁は脂肪を分解します。
正確には
胆汁の中に含まれる
【胆汁酸】
が脂肪を乳化し、消化・吸収しやすい形に変化させます。
その他の働きには
☑️ 水に溶けない脂溶性ビタミンの吸収を助ける
☑️ 胆汁の大部分は小腸から吸収されて、他の吸収された栄養分と一緒に血管を通って肝臓に戻り、再利用される(腸肝循環と言われる)
☑️ 腸肝循環は、1日に4~12回も繰り返され、胆汁の95%が小腸で吸収される
☑️ 小腸で吸収されない胆汁5%は便と一緒に排泄される
(※日本消化器外科学会の図より)
ここからが本題と言えますね。
・胆汁酸が不足すると
✅ 脂肪と脂溶性ビタミンが消化吸収されにくくなる
※脂溶性ビタミン(ビタミンD,A,K,E [ダ・ケ])と覚えてねww
✅ 腸管の壁にも脂肪がくっつきやすくなる
➡︎ 壁に脂肪が付くと消化吸収率が低下する(さらなる悪循環)
胆汁酸のイメージとしては、キッチンの油汚れで詰まった排水溝をキレイにする洗浄剤のような働きをします。「腸管の石鹸」と呼ばれているそうです。
詳しく言えば、胆汁酸は,コレステロールや潜在的な毒性化合物(例,ビリルビン,薬物代謝物)を体外に排泄する作用を持ちます。
・胆汁酸は 『体内で作られる下剤』
胆汁酸は
✅ 大腸から水分を分泌させる
→便に含まれる水分量が増える
✅ 蠕動運動を起こさせる
まさに『体内で作られる下剤』ですよね。
そうなると想像つくと思いますが、、、
・胆汁酸が過剰になると
✅ 大腸に過剰な胆汁酸が届くと、食事内容に関らず、下痢をしてしまう
【小腸を取る手術後の下痢】
小腸(特に回腸)の摘出
➡︎小腸での胆汁の吸収が無くなる
➡︎大腸に胆汁が多く流れる
➡︎下痢になりやすい
胆のう摘出術後に出現・増悪した症状についてアンケート調査した報告では、607例の検討で下痢が19%、腹痛が5%に見られているとのことです。
【胆のうを取る手術後の下痢】
胆のうの摘出
➡︎肝臓で作られる胆汁が持続的に(食事時に限らず)十二指腸に流れ出す
➡︎大腸に達する胆汁の量が増加
➡︎下痢になりやすい
(※胆のう摘出後の症状については、様々な報告がされており、確定的なこと言えない面が多いようです。)
胆汁は便秘よりも下痢症状と深いつながり
がありますよね。
ちなみに…
『胆のうには筋がある』
って知ってました??
食事をしたときに、胆のうが収縮して、、、
っていう文章が何度か出てきましたよね。
収縮って、筋があるからできることですよね。
※胆のうの上皮の下に副交感神経の働きに反応(コリン作動性)してに収縮する筋の壁がある
※総胆管の十二指腸開口部であるオッディ括約筋の弛緩も副交感神経の働きに反応するコリン作動性。
さらに脱線して話すとww
『十二指腸の形が理想的』
十二指腸のこの形って、食べ物と胆汁や膵液を混ぜ合わせるのに適した形ですよね!!
どんどんマニアックになりそうなので、今回の記事はこの辺までにしておきますねww
次回は、
③水分量のコントロール
(便秘や下痢と水分量の関係について)
についてお伝えします。
最後までお読みいただきありがとうございました🍀
便秘のタイプの話は以下のブログより。
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
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