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枚方市9月議会一般質問―支援教育についてのまとめ―

9/15~21にかけて開かれた枚方市議会の一般質問。
その中で5人の議員さんが支援教育についての質問をし、
伏見市長、清水副市長、尾川教育長、位田教育部長、田中総合政策部長が答弁に立ちました。

私はその全てを公式YouTubeで視聴しながら、内容の書き起こしを行いました。
書き起こしたもの自体の公開は致しませんが、その中から気になる部分を抽出してみました。

■ここまでの流れ

(詳しくは過去の投稿をご参照ください)
2022年4月27日 文科省通知
5月 枚方市教育委員会より保護者向けに「今後の支援教育について」のお知らせ配布(配布されなかった学校あり)
6月 枚方市教育委員会より保護者向けに「今後の支援教育について(6月版)」が配布
   枚方市議会一般質問にて取り上げられる
6月28日、7月2日 保護者向け説明会開催
6月末~一学期末懇談(来年度の学びの場の選択を迫られる)
7月~8月初旬 市議会各党会派から要望書の提出
8月23日、26日 教育委員会協議会、教育子育て委員協議会にて「2年間の移行期間」を示す
9月12日、14日 臨時の教育委員会協議会、教育子育て委員協議会にて「一旦立ち止まって考える」と発表

当然この間には保護者も教職員の方も、それから議員さんたちもさまざまな活動をしてきました。
現役の保護者教職員のみならず、すでにお子さんが成人された保護者さん、引退された教職員の方、枚方市以外にお住まいの方も含めて勉強会や意見交換会を行ったり、市教委に対して意見を伝えるべく電話や文書送付、マスコミ取材を受けた人もいます。
そしてこの動きはまだまだ続いています。

8月末の時点では「やる」と言っていたものを9月に入って急転直下の変更。
そんな状況下での9月議会(一般質問)でした。

今回質問をした議員は?


今回、支援教育についての質問をされたのは以下の5人の枚方市議です
野口光男議員(日本共産党議員団 現在4期目)
田中優子議員(公明党議員団 現在1期目)
広瀬ひとみ議員(日本共産党議員団 現在6期目)
野村生代議員(連合市民の会 現在5期目)
前田富枝議員(自由民主党枚方創政会 現在4期目)
(質問順)

質問内容については省かせていただきますが、どの議員さんも限られた持ち時間の中で、質問や意見をズバズバと述べられていました。
私自身、リアルタイムで市議会の映像を見たのは初めてだったこともあり、正直言ってその迫力には驚きました。
それに対しての行政側の回答があまりに淡白で表面的で、対比が滑稽なほどでした。

行政サイドからの回答は?


さて
具体的に以下のような回答がありました。

位田教育部長
・支援教育の見直し方針の進め方については一旦立ち止まって考えるべきと判断した
・児童生徒を混乱させていること、度重なる方針転換で学校教職員に負担をかけていることについてお詫び
・説明が不十分であったため不安を与えてしまったことを申し訳なく思っている
・丁寧に説明していくことで責任を果たす
・通級指導教室の全校設置はダブルカウントや市の加配措置の見直しで財源と教員を確保する想定だった
・ダブルカウント反対との意見があったため来年度は10校程度のモデル校設置とした(近い将来、全校設置を目指す)
・支援級→通級に移る児童生徒のために支援員を配置するため、通級の新設校にのみ支援員を配置する
・(義務教育国庫負担金の返還請求の可能性があることを理由に進めてきたという経緯があるが)今年度までに関して返還を求められるような事態は生じない、今後の運用についてはわからない
・通級の対象児童13名に対して教員1名が国の定数改善計画による教員配置である(が、どうなるかはわからない)
・教員確保の策は「教員免許取得できる大学に出向き講師登録を依頼する」
・保護者説明会は4地域ごとに開催、その他要望を聞きながら開催する
・文科省通知は指導助言である
・義務教育費国庫負担金の適正利用の観点を踏まえると4月の文科省通知の根拠に法的拘束力があると考える

尾川教育長
・五月当初の保護者への情報提供が不十分であったために不安や疑問の解消ができなかったことを重く受け止める
・文科省通知はむしろインクルーシブ教育を推進するもの
・5月に時間数を全面に説明したことが今回の混乱の原因
・文科省通知は枚方市の支援教育の見直しのきっかけに過ぎない
・1日1時間以上を支援級で学ぶ、自立活動を週1時間以上行うというような児童生徒の教育的ニーズを踏まえない画一的な方針を見直す必要がある
・障害のある子どもの自立と社会参加を見据え一人一人の教育的ニーズに最も的確にこたえる支援教育の実現を目指す

田中総合政策部長
・5月の時点で支援教育の見直しについて承知していた
・財政面の協議は7月末ごろより
・ダブルカウントなど加配措置の見直しを含めて検討していた
・9月2日の時点で述べた通り一定実現性はあると考えていた
・その後に案そのものの見直しが図られたのでお金が理由ではない

伏見市長
・通級は全校設置の方向で進めていきたい
・財源はさまざまな角度から整理をする中で見出していきたい
・支援教育の見直しが必要で、それを全うしていくことが責任を取るということになる

清水副市長
・支援教育の問題については教育委員会と市長部局で協議を進めてきた
・人的確保はダブルカウントの見直しで手当てするつもりだった
・取りまとめに時間を要し、その結果多くの方にご迷惑をおかけしたということについて深く反省
・自分で自分の責任をどうこうという立場にないので任命権者の判断にゆだねたい


この内容に対して思うこと

これらを読んでどう思われましたか?
質問をされた議員さんからも、その都度ツッコミや追加質問などがありましたし、私自身も言いたいことがてんこ盛りです。

その中でいくつかピックアップしてみました。
(9/14の教育子育て委員協議会での回答内容も一部含んでいます)
「」内が行政側の回答、→以降が私のコメントです

「時間数を前面に出したのが今回の混乱の原因」
→時間数が何時間であっても、一律に決めることが問題。

「保護者や教職員に混乱を生じさせたことを反省している」
→方針そのものに不備があったから反対の声が上がっていることを理解していない

「不安を与えたことをお詫びする」
→不安を与えたことは当然ながら、必要のない改悪方針そのものを撤回し謝罪すべき

「丁寧に説明を行うことで責任を果たしていく」
→丁寧な説明は当たり前の説明責任。保護者や教職員を不安と混乱に陥れたことへの責任は取らないのか?

「これまでの枚方市では一律に1日1時間の取り出し、週1時間の自立活動を行うという画一的な方針に問題があったので見直す必要がある」
→今だに資料に残る週の半分取り出し規定は【画一的な方針】ではないのか?

「あくまで時間数では決めない」
→ではなぜ資料にその記述が残るのか。また、新入学児は時間数で決めると書かれている。なし崩し的に進めるつもりだということか。

「通級新設校にのみ支援員を配置」
「支援員は小学校2名、中学校1名を配置」
「支援級から通級に移った子どものフォローのために配置」

→各校たった1~2名で足りるのか?例えば30人の児童生徒を支援員2人で具体的にどうフォローできるというのか。支援級に残る子どもやその他にもフォローが必要な子どもは多いがそれらは放置するのか

「通級新設されない学校の通級利用希望者には設置までお待ちいただく」
→やると豪語していたにもかかわらず手のひら返し。保護者や子どもがどれほど悩んだか全く理解していない。学校現場がどれほど混乱しているか。【お待ちいただいている】間に卒業してしまう子も多いだろう。この責任には表面的な謝罪では到底まかないきれない重みがある。

「4.27文科省通知はインクルーシブ教育を推進するもの」
→分離時間を定めることのどこがインクルーシブ教育なのか?国連に指摘されたことと真逆の【分離教育を認め推進する】内容であるとしか思えない。

「お金が問題ではない」
「ダブルカウントや加配の見直しで人的配置、予算を見込んでいた」
「ダブルカウント反対の声を受けて来年度は10校程度に通級設置」
「通級は近い将来全校設置する」

→ダブルカウント廃止をしないために来年度の通級設置校を絞ったのだとしたら、それ以降、どうやって通級全校設置を行うのか。

いや、もう書き出したらキリはありません…
なんというか、、、
本当にこんな人たちがトップにいていいんだろうか、
教育委員会がこんな状態で良いのだろうかと。(いや、良くない)
期待して引っ越してきたあの時の気持ちを思い出すたびに涙が出そうなほど悲しく、失望しています。

とにかくこのままではいけない。
できる手を一つずつ打っていくしかないですね。

ちなみに
これらの答弁があった9月議会一般質問に関しては公式YouTubeに今後、UPされるものと思われます。

今後の動きに、まだまだ注目です。

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