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入院 認知症おとーさん日記 Mar.26 2021

夜中にトイレに起きた形跡がなくて、ちょっと心配しながら朝寝室へ行くとぐっすり眠っていたおとーさん。よかった。入院は午前中に来てくださいとのことだったから、まあ急ぐことはないと寝かせておく。

目を覚ましてからトイレに行くサポートをしたあと、朝ごはんはパンとおにぎりどちらがいいかを聞くと、おにぎりがいいと言うので牡蠣の甘辛煮を入れたおにぎりを作った。水を勢いよく飲んでから横になったまま食べて、お薬を飲む。出かけるのは10時半くらいでいいから、「もう少し眠ってていいよ」と伝えると、

「そうか、文恵はきょう帰るんだものな。」

と言う。記憶が混乱しているらしい。きのう来たばっかりだよと伝えたら、

「えっ!そんなはずはない。」

だって。一緒にいるとずーっと前から一緒にいるつもりになってるし、離れるとずーっと離れてる気になってしまうのはいつものこと。入院するんだよと伝えると、またひとしきりきのうのやり取りの繰り返し。まあ、仕方がない。本人いつものようにバスや地下鉄を使って行くつもりなのだけど、どう考えても無理なのでタクシーで行くと言うと、「もったいない。」「そうだな、その方が楽だ。」を行ったり来たり。苦笑

しばらくしてそろそろ準備しようかと声をかけると、

「ところで、なんでおとーさんは寝てるんだ?」

と聞かれた。なんと!そこ!な質問に思わす笑ってしまった。圧迫骨折してることも忘れちゃってるから、また1から説明。

そして、準備を始める。顔をタオルで拭いて、下着から着替えを手伝う。痛みで動くのがさらにしんどくなっているから、ゆっくり休み休み。タクシーを呼んで、病院へ向かう。実は実家のマンション、エレベーターがないから、階段を使わねばならずここもかなりの難関。救急車呼んだほうがいいかとも思ったのだけど、おとーさんがんばって歩いてタクシーに乗り込んだ。

おとーさんが考えてる半分くらいの距離で病院に着いて、「近いな。」と言う。「でしょう。そんなに遠くないんだよ。」などと話しながら、入院となった。おとーさんは第12胸椎の圧迫骨折で、実は寝返りを打ったり歩いたりすることができないくらい痛みがあるらしい。その中で、自力で歩いていたのはまだ痛みが軽かったのだと思うと言われたのだけど、きっとおとーさんががんばり屋で我慢強かったからだと思う。

コロナ禍なので、おとーさんとはあっさりと引き離され入院手続き。終わる頃に看護婦さんから、

「しばらく会えないから、気をつけて帰るようにと伝えてくださいって、言ってました。」

と言われ、ほろり。やっぱり親だ。混乱せずに治療とリハビリしてくれるといいな。

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