【妄想彼氏料理帖:新たまねぎポタージュの巻】旬の新たまねぎは甘さを活かしてシンプルに
春は特に、近所の八百屋さんに買い物へ行くのがたのしい。山菜や色々な菜の花、豆類、新じゃがいもや新たまねぎ…ついついあれこれ買ってしまう。きょうもエコバッグいっぱいにして家路についた。家に着いて戦利品をキッチンの作業台に広げて、またにんまり。
「ご機嫌だね。」
カヲルくんにいきなり後ろから声をかけられて、飛び上がった。っていうか、ニヤニヤしてたのを見られてたとは、とほほだよ。
「うん、なんか春野菜を見るとうれしくなっちゃうんだよね。」
「へぇ、らしいね。」
くすり、と笑われてしまった。でもいいの、いいの、ほんとのことだもん。
「そろそろお昼にしない?」
「あら、もうそんな時間かぁ。じゃあ買ってきた新たまねぎでポタージュ作るね。ちょっと待ってて。」
新たまねぎを刻んで鍋に入れる。鍋を火にかけている間に、冷凍しておいたバケットを取り出してオーブンで焼く。柔らかくなった新たまねぎをハンドミキサーでなめらかにして、器にもった。
「できたよ〜」
テーブルに運ぶと、カヲルくんがロゼワインをグラスに注いでくれた。ランチに軽く飲めるって、なんて贅沢なんだろ。
「いただきます。ふわとろだね。…うわ〜、甘くておいしい。」
「でしょう?新たまねぎの甘さなんだよ。すごいよね〜」
ほんと、すごいんだ。だから生クリームとか牛乳をあえて入れずに、シンプルに新たまねぎのおいしさを味わうように仕上げたんだよね。ふふん、と思わず小鼻が膨らんでたのか、またカヲルくんに笑われた。
「作っている間も鼻歌歌ってたもんね。」
あちゃー、…恥ずかしい。
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