「さよならマエストロ」を観て、村上春樹さんの小説のようだと思った話
3/10(日)放送、「さよならマエストロ」の感想です。ネタバレありです。
西島秀俊さんと芦田愛菜さんが2人で演奏するシーン。なんとなく、村上春樹さんの小説みたいだなと思ったのは私だけでしょうか。
西島さんがピアノを弾く前に慌ててコートを脱ぐ場面は、「なんで僕はコートを着たままだったんだろう。そうだ、目の前に座る彼女の目の輝きが、今までとは全く違って~(下手くそですいません)」とか、村上春樹さんの小説の一節が浮かぶようでした。
そう思えば、この第9回自体が、村上春樹さんの小説っぽいな(いい意味で)と思えてしょうがない。
じわじわと高まるプレッシャーに病んでいく娘、悪意のない父の一言、破裂するみたいにぷつんとはじけてしまう心。
取り立てて悪人が登場していないのに(バイオリンのライバルの言葉は、そこまでの悪意ではなく、そっちはそっちで必死だと思うので)、心が壊れてしまう様子は、置かれた境遇に共感はなくても、「自分で自分を追い詰めるその感覚、わかる!」と、観ていても辛くて悲しかったです。
そういう、「状況は全く自分にとってリアルじゃないけど、心情は不思議なくらいリアルに共感できる」ことが、村上春樹さんを思い出させたのでしょうか。
単純に、私が村上春樹さんのファンだから、結び付けたかっただけかもしれません。
もしくは、
娘が本音で話すのに相対する西島秀俊さんの真剣な表情で、「ドライブ・マイ・カー」を思い出したからなのかもしれません。
村上春樹さんの小説に似ているかどうかは置いておいて、
今までなんとなくぼーっと観ていた、というか、愛菜ちゃん、怒りすぎじゃないかと思いながら観ていたドラマですが、怒っていたのはお父さんにではなく自分に対してだったのかなあとか、色々考えさせられた1時間でした。