愛し忌わし我が故郷
プチ帰省を挟んだためこの正月は2ヶ月ぶりの故郷であった。
私にとってこの町は、長く付き合って、そして一度憎しみ合って別れた昔の恋人のよう。
今では元気にしてるのか、どうしているのかを気にするほどに気持ちは着地したが、私たちが交わる、結ばれる、同じ道を歩いていくことは未来永劫ないだろう。
決して嫌いなわけではない。でも思い出が、記憶が、言葉が、文化が、街並みが忌わしい。
同時にその全てが懐かしくて愛らしい。
でも、ここに私の居場所は無い。
自ら選んだことに後悔はないし妥当だと思う。
でも足場がないこんな日には、彼を思い出す。
暖かくて優しいけどひとつまみの野心もないあなた。
情熱とか、目まぐるしさとかを好まないあなた。
愛し忌わし我が故郷。
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