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チ。 ―地球の運動について―

みーです。

10月から放送開始しているNHKのアニメ「チ。ー地球の運動についてー」を3話まで観ました。

今回はその内容についてのお話です。

決定的なネタバレは極力気をつけますが、内容についても触れますので、もしも気になる方はそっと閉じてくださいね。


チ。を観ようと思ったきっかけ

朝、星読みをされている若林かなさんという方のInstagramライブを聴いていたら、このアニメの話をされていたので、観てみようと思いました。

この方、毎朝7時45分くらいからInstagramライブで星読みのお話と雑談をしてくださるので、
タイミングが合えば視聴しているのですが、

「サカナクションのファンの方は観ている方もいらっしゃるかもしれません…」と前置きして、チ。のアニメの話をされていました。

私は一応サカナクションのファンなのですが…
最近情報をチェックしておらず、
お恥ずかしながら、存じ上げませんでした。

ガチ勢のファンが深海にいるとすると、
私はまだまだ浅瀬側にいる、ニワカファンというやつです。
精進しなきゃ。。。


あとで調べて、
エッ!?主題歌サカナクションなの!?

とかなり衝撃を受けました。
アニメの内容とか、何の予備知識もない状態でしたが、探したらチャンネル録画で奇跡的にとれていたので、さっそく観てみることにしました。


ちなみに現在、1・2話は無料期間が終わってしまいましたが、ABEMAとネトフリで過去の動画が配信されているようです。

チ。あらすじ、概要

以下、あらすじの引用です。

舞台は15世紀のヨーロッパ某国。地球が宇宙の中心でその周りを惑星が動いているとする“天動説”こそがこの世の真理だとされ、その理を覆すようなことを信じたり、研究することが重罪だった時代に、謎めいた学者フベルトの言葉で“地動説”の可能性を知った神童ラファウ。周囲からも天才だと言われ自認もしていた彼に芽生えた抑えがたい強烈な知的好奇心。「いったい何を捧げれば、この世界のすべてが知れる?」と、自らの「知」と「血」、さらには命を懸けて「地」動説の証明に挑むことになるラファウを待ち受ける運命とは――

出典:NEWS|サカナクション公式サイト|NF member

チ。は魚豊先生作の、漫画が原作のお話です。
「マンガ大賞」第14回(2021年)で第2位、「このマンガがすごい!2022」オトコ編で第2位、
第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞など、
数々の賞で話題になっていたようです。

上記のあらすじだけ見ると、
「地球が自転している、という“地動説“の考え方は異端とされていた時代に、
隠れて地動説を研究し続けた少年の人生を描いた物語」
という印象を受けます。

ただ、3話まで観て、
エッ?どういうこと!?
思ってたのと違う…ザワ…ザワ…となりました。笑

これ以上はネタバレになってしまうので、まだ観ていない方はぜひアニメ3話まで観るか、原作の漫画をお楽しみくださいね。

原作の第2集までは、11月5日まで無料で読めるそうです。


チ。について、個人的な感想

私は怖いものは苦手なので、
冒頭からの拷問のシーンが怖すぎて、
「ギャーーー」と思いながら観ていました。笑

ただ、観ているうちにどんどんストーリーに引き込まれていきました。
また、拷問の、残酷で暗い、恐ろしいシーンとは対照的に、月や、星空、天体がものすごく神秘的で美しく描写されていて、映像にも見入ってしまいました。

綺麗な星空の映像を観ていたら、実際に天体観測したくなりましたよ。
見えない物を見ようとして、望遠鏡を覗き込みたくなります。
もしくは四畳半を広げたくて、プラネタリウムを手作りしようと閃いてしまうかも。

…いや、失礼しました。

映像も素晴らしいのですが、音楽も最高です。
なんてったって、主題歌があのサカナクションですよ!
主題歌については後に記すのでここでは割愛しますが、とにかく最高でした。

挿入の音楽も、オーケストラっぽい音とか出てきて面白かったです。
普段アニメの挿入の音楽はあまり気にしたことがなかったのですが、
「なんだ、この表現は…」
と感動させられるというか、震えました。

それから、主人公の在り方というか、物語の構成についても後から色々と考えさせられました。

この物語の主題とも言える、
「多くの人間が持っている固定観念を疑え」
ということを、この作品そのもので訴えているような展開で…
鳥肌が立ちました。

登場人物の中の、血の通った人間としてのフベルトさんやラファウくんの飽くなき探究心、知的好奇心というものにロマンを感じました。

ラファウくんの声、坂本真綾さんだったんですね…声優さんとしても、歌手としても好きです。相変わらず素敵でした。

そしてフベルトさんもめっちゃええ声でした。
ずっと聴いていたかった。

涙もろい私は、2話で号泣しましたよ。。。


「不正解は無意味を意味しない」
というフベルトさんの言葉を、
後でラファウくんが引き継ぐところにグッときてしまいました。


その他のラファウくんのセリフも刺さりました。

多分感動は寿命の長さより大切なものだと思う。

僕の命にかえてでも、この感動を生き残らす。

なんか、上手く言えないのですが、とても心を揺さぶられる言葉で、かっこいいなと思いました。

3話のラファウくんは、言葉一つひとつが神!といいたくなるレベルでした。
養父のポトツキさんに、発言を撤回しろ!と言われそうですが…

拷問する立場の冷徹で現実主義なノヴァクさんと、
信じるもの貫こうとする、熱く血の通ったラファウくん、
という対比構造も面白いです。

ものの見方、考え方の全く違う二人のシーンがとても印象的でした。

予備知識ゼロ、サカナクションきっかけで観始めた私ですが、3話を観た後、続きが気になりすぎて、原作を一気読みしたい…という衝動と戦っています。笑


チ。について、皆の反応

インスタでの雑談内容

朝のかなさんのお話では、地動説ではなく、命の起源についての話を具体例として挙げられていました。

「生命の起源について、古代哲学者のアリストテレスは、『親からのみならず、日常の至るところで発生する』という自然発生説を唱えていて、長いことそれが信じられていた。
ところが19世紀に、生化学者のバスツールという人が、自然発生説を否定して、親から生まれるという説を証明し、常識を覆した。

このように、思い込みや常識をいかに疑うか、ということが大切。
普段当たり前に感じていることを疑うこと。
一度疑うと、常識が揺さぶられ、後に戻れなくなるが、それでも常に問いかけ、疑問を持つことが重要だ。」
というお話でした。

確かに、思い込みや固定観念を取り払うと、見えなかったものが見えてきたりしますよね。
それが新しい発見や、ビジネスにつながるという話もよく聞きます。

それまでの常識を覆すって、かなり労力がいるし、大変なことですけど…

チ。を観た後、かなさんが仰っていた内容が、更によくわかりました。
私も教訓にしたいと思いました。

夫の反応

私はインスタでかなさんの話を聞くまで、チ。の原作すら存じ上げなかったのですが、
夫に話をしたら、
「一時期、『このマンガがすごい!』か何かで話題になったときに、気になって電子書籍で買ったよ。なんか、哲学的で難しくて、途中で読むの辞めちゃったけど。そんなに面白いんか?」
と言われました。

読むの辞めたんかーい…!って感じですよね。笑

でも、たしかに難しいというか、かなり深く考えさせられるテーマの話だなぁという印象ではあります。

父の反応

NHK大好き人間こと、私の父にも話をしてみました。
「あ!それ知ってるよ。地動説の話でしょ。この前予告で観て気になっていたんだよ。」
と言われました。

これはきっと、そのうち父もチャンネル録画を遡って観てくれるだろうと期待しています。

X(旧Twitter)の反応

これ、すごいなと思いました。
原作漫画の表紙と裏表紙の使い方が、漫画の常識を覆している。。。

表紙はともかく、裏表紙なんて電子で買ったらわからなさそうですよね。

それでも、細部まで手を抜かないという作者の強いこだわりを感じました。

オープニング主題歌『怪獣』について

やっと、この話をする時が来ました!笑

曲の印象と、歌詞について


一郎さんは、チ。をどのような感性で受け止めて、表現しようとしたのでしょうか。
想像するだけでワクワクしてしまいます。

公開されているOP部分の歌詞はこのような感じです。

何度でも 何度でも叫ぶ
この暗い夜の怪獣になっても
ここに残しておきたいんだよ
この秘密を

だんだん食べる
赤と青の星々 未来から過去を
順々に食べる
何十回も噛み潰し 溶けたなら飲もう

丘の上で星を見ると
感じるこの寂しさも
朝焼けで
手が染まる頃にはもう忘れてるんだ

この世界は好都合に未完成
だから知りたいんだ
でも怪獣みたいに遠く遠く叫んでも
また消えてしまうんだ

1話の最後、真っ黒なエンドロールで初めてこの曲を聴いたのですが、

「なんこれ!!すごい!!ちゃんとアニソンだ!!!サカナクションだ!!!」

と胸が熱くなりました。

何度でも、という、イントロなしで歌い出しが始まります。

一郎さんの高い声と、ピアノの弾むような旋律。
じわじわ大きくなるシンセの音…

最高かよ!
もうこれだけで鳥肌です。
心をガッツリ掴まれました。

今までのサカナクションの、フェスとかで盛り上がるアップテンポな曲とはまた違って、
アニメの世界観に寄り添った音の使い方というか、運びを意識されているのかなぁと思いました。

サビに向かって徐々に盛り上がっていき、
サビに入ったところで
「この世界は好都合に未完成」
というインパクトのある言葉を持ってくる一郎さん。
さすがすぎる…

知りたくて、怪獣のように叫んでも
消えてしまう…

これは人間の「知」の部分、何度も食べたり叫んだりしても満たされることのない、「知りたい」という欲求を、怪獣に例えて表現しているのでしょうか。

出だしの部分ともリンクしている感じがします。

タイトルにもなっている「怪獣」には色々な意味が含まれていそうです。

全体的に、わかりやすい直接的な歌詞ではなく、
あえて抽象的な表現を使って、文学的な余白を残しつつ、私たちに色々と想像させてくれるところがいいですよね。

うん、好きだ!!!

TVサイズですが、名曲だと思いました。

はやく、フルで聴きたい…!という気持ちと、
どうか無理はしないでほしい…という気持ちがあります。

心が2つある。。。

チ。とサカナクション


サカナクションの曲がアニメの主題歌になったと聞いた時はかなり衝撃でした。

邦楽ロックで人気のアーティストって、アニメのOPやEDに起用されることが多いですが、
サカナクションはなんとなく、そういうオファーがあっても断りそうというか、
アニソンとか、あんまり作らなさそうなイメージだったんですよね。

活動休止を経て、今までやってこなかったことに挑戦しようと思ったのかなぁ。
とか思っていました。


でもチ。を観てからは、かなり納得感がありました。
サカナクションの曲と、アニメとの親和性が強いというか、相性が良さそうだと思いました。

星とか、月とか、サカナクションの曲にもよく出てくるモチーフですし。

チ。はアニメを少し観ただけで、ものすごい熱量とこだわりをもって創られている作品だと感じましたし、
テーマも奥が深くて、どんどん深掘りしていきたくなるところなどが、サカナクションの曲とも共通しているように思いました。

原作もすごいのですが、アニメとしても細かいところまで作り込まれているというか、
妥協を許さない感じ?
NHKだからかなぁ。
映像とか音をチームで作り上げているところが、チームサカナクションのようですし…

なんなら原作者の魚豊先生のお名前も、もはや魚民に見えてきました。
私だけでしょうか。笑

おわりに

初めて、noteに趣味のことについて書いてみましたが、
つい長々と熱く語りすぎてしまいました。

ですがここでは語り尽くせないくらい、本当に素晴らしい作品だと思いました!

原作も一気に読みたくなりました。
もう、感無量です。

アニメ観てよかった!
感動しすぎて、
言葉にできない。

いま、小田和正が脳内再生されています。笑

拙い文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!

それでは。

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