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ドラマ「海に眠るダイヤモンド」から見える職人たち

今期で注目しているドラマの一つは、やはり「海に眠るダイヤモンド」。
映画「ラストマイル」及びドラマ「アンナチュラル」、「MIU404」の制作チームが手掛けるといえば、見ない理由がない。

多くの人の感想にあるように、映画を見ているようなスケールで、出演者も豪華。
かつての端島という、今の日常から離れた世界観を描いているので、島の全体像や狭い空間に多く人で賑わうを映像を見るたびに、初回は「ジブリ映画を見ているみたい」と思った。

途中、現代に場面が戻ってくるので、時代設定や方言などになじめなくても、身近な世界観が感じられる。
娘のような若い世代にも見やすくした配慮だろうか。

初回はとにかく、設定と登場人物、時代背景などを追うのに必死だったので気がつかなかったけれど、やはり野木さんの作品!
登場人物のみなさんの「生きづらさ」が随所に描かれている。とても丁寧に。
どんなにエリートに見える人にも、どんなに幸せそうに見える人にも、大小問わず「生きづらさ」を抱えているのが野木さんの作品に出てくる登場人物たちだ。

このドラマもやはり、その切なさ、複雑さが、ドラマ全体を漂っていて、なんとも息苦しい。でもそういうところが、惹かれる理由だ。

主役の神木くんや杉咲花さんはもちろん、斎藤工さんの過去やリナ(池田エライザさん)は、そもそもわかりやすく怪しげだったけれど。

今話、頻繁に登場した百合子(土屋太鳳さん)も気がかりだ。
母娘問題は、とくに。

野木さんはおそらく、最終回が終わっても、それぞれの課題を残していくだろう。

そんなことを考えながらドラマを見て、思いを巡らせていたら、また「あの感覚」が!

どうしてこんなにもドラマに惹かれるのかを深掘りしていくと、私が惹かれているのは、ドラマのストーリーや登場人物たちのキャラクターだけでなく、このドラマを作り上げるための、演者を含めたスタッフのみなさんたちの「職人力」だということに気がついた。

ゾクゾクするような映像美、音楽、エライザさんの歌もすてきだったし、群がる人々の熱気、台風のシーンの撮影の過酷さ、野木さん、塚原さん、新井さんなどのチームのみなさま。

そして、野木さんが「さすが」と感じられた宮本信子さんの存在感とか、現代編にチラッと出てきただけだけど、安斎星来さんも印象的だった。

もちろん、神木隆之介さんのすばらしさは言うまでもなく、声だけでも迫力がある人だと思う。

まだ私が見逃している所でもたくさんのプロの職人技が炸裂している。
そういう所にゾクゾクワクワクするのが、たまらなく好きなんだと思う。

ここ数日、体調があまりよくなくて、それでも仕事は休まずしていて、今日もサービス残業をしながら丸一日しっかり働いた。

地味ーな仕事を淡々とこなし、ワクワクすることもなく働いた。
気づいたら、窓の外が真っ暗になっていた。

こういうのもきっと側から見たら「職人技」と言われるものなのかもしれない。
そうなっているといいな。





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