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ドラマ日曜劇場「御上先生」ヤングケアラーの悲劇が痛すぎる
昨日のドラマ「御上先生」はすごかった。
冒頭から涙が止まらなかった。
ドラマの監督やプロデューサー、脚本家のSNSを頻繁にチェックし、昨日は大事な回だとみなさんが口を揃えておっしゃっていたので、正座するような状態で見届けた。
御上先生が、自分の兄のことをついに生徒たちに語る。
その前ふりだけで、じゅうぶん泣けた。
兄の自死についての言及は、すでに何度もあったので、視聴者であるわれわれは、どんなことが御上から語られるかの想像はついていた。
ただ、それぞれいろいろなことを抱えている生徒たちが、徐々に心を開き始めているこの状況で、御上がどのように自分の家族、自分の人生の核となる部分について語るのか、とても楽しみにしていた。
結論から言うと、また、その撮影時の状況を監督のSNSで見たことも合わせて(松坂桃李さんが生徒役の俳優の反応を撮るためだけのために、何度も長台詞を言って撮影したそう)、とても感動した回となった。
また、新たな事件が勃発したところで終わり、後半戦はその事件がドラマの主軸になっていくようだが、今回は、自分の環境にも重ね合わせてしまい、感情の揺れが大きく、つらい1時間だった。
いろいろ感じるところはあったが、全体を通して、多感な若い時期、まだ大人に甘えたり、支えが必要だったりするような時期に、周りの環境で大人にならざるを得ない状況になってしまった若者は、特別なケアを受けるべきだと思った。
御上先生もケアが必要だと思った。
若いときの傷(もちろん50歳になっても心の傷は痛いけれど)は、自身の人生と考え方や価値観の形成に、大きな影響を与えるものだし、頼れる大人がいない、自分ですべて抱えなくてはいけないなんて、荷が重すぎる。
必ずどこかにひずみが出てしまう(周りや自分自身を攻撃してしまうかと、ネグレクトや無気力になってしまうとか)。
御上先生はよくここまで、引きこもりもせず「鈍感に」、高い志を持ったまま、生きて来られたなぁと思う。
千羽鶴を折り続けて、自分ではなく兄の名前を呼び続ける母親を見るなんて、私には生き地獄だ。
自分の心を無にして、なにかものすごい高い志を設定し、その目標に向かって邁進することに熱中することで、気をそらすような生き方しかできなかったのかもしれないな。
とりあえず私も今、自分にできる「小さな細胞を生かす」作業ができればと思う。
今の私の環境では、小中高生のような若者となかなか触れ合う機会がないが、頼るべき親を逆にケアしなければいけないような状況になっている若者の心の重荷を少しでも軽くすることができたらと、心から思ってしまった。
対象は、若者だけに限らないかもしれないけれど。
こんな思いは、政治家にでもならないと昇華できないかもしれないと思っていたけれど、今、とりあえず私にできることからでも意識しようと思った。何もできないかもしれないけれど。
「パーソナル イズ ポリティカル」だ。
すごい作品だなぁ。
みんないい仕事してるなぁ。
次回からも心から楽しみ!
(最後の表現、作品に比べて陳腐だ…。でも素直にそう思った!)