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[発達凸凹]お子さんの手帳取得に迷う方へ
はじめに
お子さんが、「もしかして発達凸凹かも」と思ったとき、「障害者手帳を取るべきか?」と悩む時期があるかと思います。
確かに手帳があると受けられる支援も増えます。
しかし子どもなら手帳がなくても利用できる福祉サービスがたくさんあります。
この記事では、手帳がなくても使える支援についてお話できたらと思います。
参考にしたのはこちらの本です^^
福祉・教育の制度が、とても分かりやすく書かれてたのでお勧めです。
1. そもそも「障害者手帳」とは?
障害者手帳には、療育手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。
手帳の種類に関しての詳しい内容は、こちらの記事に書いていますので参考にしてください^^
これらを取得すると、税金の控除や交通機関の割引などが受けられますが、発達障害や知的障害の子どもは手帳がなくても受けられる支援が多いのが特徴です。
2. 手帳がなくても利用できる主な支援
① 児童発達支援(未就学児向け)
発達の遅れが気になる子どもが、専門的な支援を受けられるサービスです。言語訓練や感覚統合療法など、個々のニーズに合わせた療育が受けられます。
対象: 0歳〜6歳(小学校入学前まで)
費用: ほとんどの家庭は9割補助(自己負担は1割)
手帳: 不要(医師の意見書や発達検査の結果が必要な場合あり)
② 放課後等デイサービス(小学生〜高校生向け)
学校が終わった後や休日に利用できる支援サービスです。学習支援やソーシャルスキルトレーニング(SST)を受けられ、学校生活の困りごとをサポートしてもらえます。
対象: 小学生〜高校生
費用: 児童発達支援と同じく9割補助
手帳: 不要(自治体の判断によるが、診断がなくても利用できる場合あり)
③ 通級指導教室(学校内でのサポート)
通常学級に在籍しながら、週に数回、特別な指導を受けられる制度です。言語や対人関係の指導を受けることができ、学習面の困りごとを支援してもらえます。
対象: 小中学生(一部の高校でも実施)
費用: 無料
手帳: 不要(学校の先生の判断と保護者の希望で利用可)
④ 特別支援学級・特別支援学校
通常学級では学習が難しい子ども向けのクラスや学校です。個々のペースに合わせた指導が受けられます。
対象: 小学生〜高校生
費用: 公立は無料
手帳: 支援学級は不要(教育委員会の審査が必要)※支援学校は必要な自治体が多い。
⑤ 相談支援・発達相談センター
自治体には、発達や子育ての悩みを相談できる窓口があります。発達検査を受けたり、適切な支援を紹介してもらえたりします。
対象: すべての子ども(診断がなくてもOK)
費用: 無料
手帳: 不要
このように、子どもの場合は、手帳がなくても受けられるサービスが多いのです。なぜなら、子どもは「児童福祉法」で保障されているからなんですね。
「児童福祉法」は、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)の精神に基づき、子どもの権利を守るための義務を保護者だけでなく国民全体、国と地方自治体にも課すとしています。どんな子どもでもです。
3. 手帳が必要になるのはどんなとき?
一方で、手帳を持っているメリットと考えられるのは以下の内容です。
✅ 医療費の助成を受けたい(自治体によるが、手帳があると負担が減ることがある)
✅ 保育園などの入園時に優先されることがある。割引きできる施設がある。
✅ 重度の障害があり、福祉サービスを最大限活用したい(特に療育手帳は福祉サービスと連携が強い)
ただし、手帳がなくても必要な支援を受けられることが多いので、必ずしも取得しなければならないわけではありません。
4. 手帳を取る?取らない?もっとも大切なこと
手帳を取得するかしないのかという選択で、一番大切なことは、「お子さんの気持ち」だと思います。保護者の育児のことを考えるのも大切ですが、本人の心理的影響も考慮しておくべきです。
小学生高学年くらいだと、自我も芽生えてきます。
療育者だけで決めず、子どもの将来の姿も、想像しながら、進めていきたいですね。
5、まずは相談してみましょう。
しかし、とても慎重な内容ですし、なかなか療育者だけでは、判断できないことも多いかと思います。
そんなときは、まず以下の窓口に相談してみましょう。
📍 自治体の発達相談窓口(市役所・区役所)
📍 児童発達支援センター
📍 学校の先生や特別支援コーディネーター
📍 かかりつけの小児科・発達専門の医師
お子さんに合った支援を見つけるために、まずは気軽に相談してみるのが大切です。
まとめ
子どもは障害者手帳がなくても、さまざまな支援を受けることができます。特に、児童発達支援や放課後等デイサービス、通級指導教室などは診断がなくても利用できる場合があるので、早めに相談してみるのがおすすめです。
「手帳を取るべきか?」と迷ったときは、取る。取らないの2択どちらかだけ、と思わずに、手帳がなくても受けられる支援を活用しながら、必要に応じて取得を検討するという流れで考えるのはどうでしょうか?
お子さんが安心して成長できるよう、周りのサポートを積極的に活用していきたいですね。
※制度などは、都度変わることがありますので、こちらの記事は参考までにしてくださいね。詳しいことは、近所の自治体で聞いてください。