依存症についての誤解と理解
TED Talk : Johann Hari
例えばヘロインには依存性物質が含まれており、しばらく摂取し続けることによって薬物に依存する体質になっていくと思われている。
このヘロインはジアセチルモルヒネという病院でも使用されている薬物に含有されており、例えば股関節の手術を終えた患者に定期的に投与されることがあるそう。しかしながら、患者は薬物依存症にはならない。
この誤解とも言える一般常識は、ある実験を元にされていると通説がある。オリの中に閉じ込められたネズミに、ただの水と薬物が入った水の2種類を用意する。すると薬物が入った水を選び続けるという結果になったという実験である。
この実験に水以外の条件、娯楽や仲間を一緒にオリの中に共存させた場合、薬物が入った水は選ばれることがなかったのである。依存症は依存性物質ではなく、環境への適応によって生み出される可能性が示唆された。
人はいつでも繋がりを求めるもの。他人と心を通わせ、繋がりを感じている人は、例えば明日からずっとお酒を好きなだけ飲み続ける生活をしても良いと勧められても、そんな生活は選ばないだろう。
しかしそれができない、繋がりを感じられない人たちは安心感を求めてギャンブルやポルノ、ドラッグといったものに繋がりを求めるのではないだろうか。依存症の最大の原因は、毎日生きるのが辛いことなのではないだろうか。
現代社会はかつてないほど【繋がりやすい】時代であるはずなのに、「人生の危機に頼れる友人の数」を調査した結果、1950年からずっと減少傾向にあるというデータが出ている。かつてないほど孤独な時代になっているのである。
必要なのは「君は一人じゃない。愛されている」というメッセージ。依存症の対義語は依存していない状態ではなく、「つながり」なのである。
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