カスレを食べに…遅ればせながら
今回が2回目の投稿となる、EATPIAというレストラン・ガイドの運営に携わっているFumamotoです。
ようやく冬が終わったと実感する暖かさの今日なのですが、来週は遅ればせながらカスレを食べに行くことになっています。なんと1年以上ぶりのカスレ!
このカスレというのは、ウィキペディアに書かれているようにフランス南西部の豚肉のソーセージや鴨肉をインゲン豆と一緒に長時間かけて煮込んでつくる伝統的な郷土料理になります。以下はカスレについてのウィキペディアのページです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%AC
フランスの南西部を走る高速道路A61号線で結ばれたトゥールーズ、カステルノーダリ、カルカソンヌという3つの地域には、それぞれ異なるスタイルのカスレがあり、南仏のワインを輸入する会社を経営している知り合いのフランス人によると、そこに住む人にとっては地元のカスレこそが本物で、一番美味しいということになるようです。
フランスの郷土料理の代表的な存在
決して洗練されたものではないので、普通の人が思い描くような、パリの星付きのレストランで着飾って食べる現代的なフランス料理とはまったくの別物です。
しかしながらフランスの食文化に造詣の深い…というかフランス料理が好きで好きで堪らない食いしん坊にとっては寒くなると何度でも食べたくなる不思議な魅力をカスレはもっています。
その一方で、あまりカスレに魅力を感じない人もいて、実はFumamotoもそんな1人でした。しかしながら食わず嫌いでカスレを避けていた自分の気持ちが変わったのは、麻布十番にあったビストロ・コティディアンでオーナーの須藤シェフのつくるカスレを味わったのがきっかけでした。もう10年以上前のことです。
ビストロ・コティディアンは、毎年のようにフランスに行って、何軒ものビストロを食べ歩いてくるようなマニアと呼んで良いような人が集まる店で、真夏でもカスレをオーダーする、食いしん坊のあいだでは変態と呼ばれるような人も少なくありませんでした。(実際に須藤シェフも夏休みになるとフランス南西部を巡ってカスレを味わっていたようです)
さらにビストロ・コティディアンは、フランス人が食事をしている光景に出くわす確率が高い場所でもありました。当時「ここで冬に食事をするフランス人の9割はカスレを注文する」と須藤シェフから聞いたのを思い出します。
カスレから逃げられない
実際にフランス人が美味しそうにカスレを食べていたり、さすが港区といった感じのセンスの良い大和撫子が豪快に鴨のコンフィがのったカスレを平らげている姿を見て、もう自分もカスレから逃げられないと悟った次第です。
それからは冬になると仲間と一緒にカスレを食べに出かけ、特に寒い日には1人だけでもカスレを食べに行くようになってしまいました。
しかしながらコロナで外食する機会が減り、ビストロ・コティディアンも移転するために閉店してしまい、カスレから少し縁遠くなっていました。
因みに、以下は10年前にビストロ・コティディアンに行くきっかけとなった、自分にとって食べ歩きの師匠のような方が書いたブログの記事へのリンクになります。
http://toshioncle.blog.fc2.com/blog-entry-111.html
いつのまにか思い出話のようになってしまいました… 嬉しいことに来週は食いしん坊な友人と一緒に久しぶりのカスレ!季節外れというか、遅ればせながらなのですが、今から楽しみ。
まさに持つべきは食べ歩きの友といった感じです。
PS
以下のリンク先では、ビストロ・コティディアンが10周年を迎える際に行われた須藤シェフのインタビューに目を通していただけます。
https://www.eatpia.com/interviews/Chef_Sudo_Bistrot_Quotidien
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