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【小説】私は空き家(豊中市築47年)エピローグ

エピローグ【空き家のその後】

4ヶ月後、まさみさん・かずおさんの実家である空き家のリフォーム工事が完了した。
工事項目は、キッチン・トイレ・浴室・洗面の各設備の入替え、玄関ドアの交換、外壁塗装、庭木の剪定、外構の洗浄、内装の壁紙貼替え、畳の交換、床の張替え、等々。
床下防蟻処理(シロアリ被害の予防)に至るまで、屋根以外は概ね手を加えた。
リフォーム費用は500万円を少し超えた額となり、まさみさんとかずおさんの二人で300万円強を、施工会社にて200万円を出資する『共同事業』という形態を採用した。
工事完了後の空き家は、施工会社によって10年間定額賃料にて借上げを行う。
入居者のいる・いないに関わらず、まさみさんには10年間毎月、施工会社より定額賃料が支払われる。出資額に対してどの程度の家賃収入が得られるか、という『表面利回り』は12%となった。
一方施工会社は、入居者からの家賃収入とまさみさんに支払う定額賃料との差額により自らの出資分を回収する、というのが、この『共同事業』のスキームだ。

見違えるようにキレイになった空き家は、程なくして、30代後半の夫婦と子供2人という4人家族が入居する事となった。
子供が男の子と女の子で、「それぞれに自分の部屋を与えたい」という理由から転居先を探していたところ、「リフォームされたばかりの、外観も内装もキレイな物件がある」と不動産業者に紹介されたのが、この空き家だった。
家族が住んでいたハイツに比べて駅からの距離は遠くなるものの、広さも部屋数も増えて家賃は同程度、という事がこの空き家を借りる決め手となった。
転居し、それぞれがプライバシーを保てるスペースを確保する事が出来るようになった家族は、のびのびと新生活を楽しんでいる。

こうして、まさみさんとかずおさんの大切な実家は、『貸家』という家賃収入を産み出す財産として、また、入居者という『新たな家族』が生活を営む住宅として、新たなスタートを切ったのだった。



『私は空き家』とは
「空き家」視点の小説を通して、【株式会社フル・プラス】の空き家活用事業をご紹介いたします。
※『私は空き家』はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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