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あなたはここにいなくとも
いらっしゃいませ。
満月書房の深月です。
満月書房に寄っていただき、ありがとうございます。
本日ご紹介する本は、町田そのこさんの
「あなたはここにいなくとも」
です。
私自身、町田そのこさんの小説がとても好きでよく読んでいます。
最近、小説から離れてエッセイばかりだったので、久々の小説です。
あなたがここにいなくても、
あなたと過ごした時間とあなたが教えてくれたことが
私の中にちゃんと残っているよ
短編が5つあるのですが、一貫して、そんなメッセージを伝えているように思えました。
あなたたちは、可能性に溢れているのよ。
恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。
そして、どんなことだってできる。
最初から諦めなければいけないことなんてない。絶望しないといけない障害なんてない。
だから何ひとつ。憂うことはない。後悔しないように、それだけを忘れなければいい。
頑張ったからって成果がでないこともある。でも、どんな辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり憂うことはないの。
だって、きっといつか、何もかもを穏やかに眺められる日が来る。
ありのままを受け止めて、自分なりに頑張っただからいいじゃないって言える自分が、遠い未来にきっといる。
私は後悔をたくさん残してしまったけれど、たらればに思い悩んできたけれど、いまは、ここで生き抜いてきた自分のことを褒めたい。
あんたなりにやったじゃない、って思ってる。
だから大丈夫よ。この私が、保障する。
この言葉にすごく感動しました。
なにも憂うことは、ないのだと。
ただ自分がやりたいことに進んでいくのだと。
荒波や崖っぷちに立っていても、そんな時もあったと思える日がくる。
でも、それはきっと、その人の強さです。
そう思えるくらいに立ち向かって、向き合って人だから。
こんなことを教えれくれる人が周りにいることはとても幸せなことで、やはり年長者のことは聞いてみるものですね。
これより先は深月の話です。
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この本が伝えていたメッセージ
あなたがここにいなくとも、あなたと過ごした時間と学びが私の中にはあること。
それを感じるエピソードがあったので、1つ聞いてくれると嬉しいです。
最近、好きな人がいました。
恋の訪れは突然ですね。今までのタイプとは全然違って。
今まではチェスターコートにタートルネックみたいなタイプが好きだったのに、超ストリート系の彼。ちょっとヤンキーみたいな見た目。タトゥーも入ってた。
その見た目とはギャップに、すごく優しい話し方をするんです。
とてもゆっくり話すし、主語は「僕」だし、ストレートにあなたのこういうところが素敵と言ってくれる人でした。
そういえば、私が話すどうでもいい話もちゃんと聞いてくれてたし、話を覚えてくれる人だったな。
男性でそこまでストレートで穏やかな人が周りにいなかったので、徐々に惹かれていきました。
何回かドライブに行ったり、私がやりたかったシャボン玉をしたりしました。2人が大好きなYo-seaや3houseを聞きながら、河川敷でシャボン玉をする時間は、とても幸せな時間でした。
職場が近かったので、毎日会っていたのですが、
彼が転職して、毎日は会えなくなりました。
そして、彼は夜に配送の仕事もしていて、たぶん不定期。
私もそこまで深くは聞かなかったけど。
いつもは、「今日会える?」とその日に聞いていたのですが、
「いつ会える?」と聞き方を変えてみた。
そしたら、今日会えるってことだったのですが、私がスマートフォンを見ていなくて、会えなくて。
その後は、「空いている日を連絡するね」と言われてそのまま。
キャッチボールを投げたままにしなければよかったと思いました。
ずっと私から投げ続けていればよかった。
2週間くらい連絡を待ったけど、連絡はこなかった。
男性は本気で好きな人には、自分から連絡をするし、日程を合わせようとするはずです。
だから、彼との恋愛には、自ら幕を引くことにしました。
我ながら、潔い。
彼は私の側にいないけど、
彼と聞いた音楽、一緒にしたシャボン玉の記憶、褒めてくれた香水や、
言葉。
私の中にちゃんと残っています。
彼のおかげで、好きな音楽のジャンルも増えました。
鼻の良い人で香水をよく褒めてくれていて。
新しく買ったお気に入りの香水の匂いを嗅いでほしかったけど、
それは叶わなかったな~。
でも、きっと私にとってその香水は、彼との思い出の香水として残るはずです。
あなたがここにいなくても、あなたと過ごした時間は、
ちゃんと私の中に残っています。
あなたにとってもそうだったら嬉しいな、なんて。
「ばったり、あれ?」なんて、近いうちに会えますように。
そして、最近どうしてた?なんて話せるといいな。
深月