【連載】挑戦するカスタマーサクセス_「私が本音で話さないとお客様も本音で話さない」成果創出に繋がるオープンマインドの支援とは
フルカイテン広報の斉藤です。2023年からFULL KAITENを導入するお客様を支援する弊社のカスタマーサクセス(以後、CSと表記)に焦点を当てる連載「挑戦するカスタマーサクセス」を始動しました。
今回は、大手アパレルSPAで店長やキッズアパレルの生産も担当していた太田にインタビューしました。
「率直、計画性、思いやり」がフル回転している太田の魅力をはじめ、支援しているお客様の事例や成果を創出しているお客様の特徴も聞きました。
太田のパーソナリティを深掘りするために、弊社社員に『太田の長所』を聞くアンケートを実施したので、その内容も紹介します。
CSを介したFULL KAITENの提供価値が分かる記事ですので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。
大手アパレルSPAからフルカイテンへ
【斉藤】今日はありがとうございます!太田さんは大手アパレルSPAから弊社に入社して7か月ほど経ちますが、近況はいかがですか?
【太田】仕事では、大きな混乱も無くすんなり組織に入っていくことができました。CSとしてまだまだ未熟ですが、入社間もないころの自分と比較して、お客様のためにこういうことが必要だと考えられるようになってきました。
私は小売業出身なので、お客様が仰っている事や、FULL KAITENの考え方なども今までの経験に紐づいて考えられるのは良い点だと思います。
プライベートでは料理が好きで、土日に翌週分の食事を作り置きをしています。
引っ越しをしてサッカー場が近くなったので、毎週末はサッカーサポーターとして観戦に行っています!
どのような企業をご支援しているか
【太田】メインはアパレル小売業で、メガネ小売業と靴小売業もご支援しています。導入頂いている機能もFULL KAITEN〈在庫分析〉とFULL KAITEN〈在庫配分〉それぞれ半分ぐらいでバランスも良いです。実店舗とECを両方持っているお客様が多いですが、EC専業のお客様もいます。
定例ミーティングの際もお客様から頂く質問の質が高く、私も日々勉強させていたただいております。
成果を創出している企業、ご担当者の特徴
【斉藤】成果を創出しているご担当者にはどのような特徴がありますか?
【太田】いくつかあるので、一つずつお話しします。
①意思決定が早い
あるお客様は、弊社との定例ミーティングで意思決定が必要な場面があれば、その場で議論をして結論を出してくださいます。これによりスムーズに進行できるので、弊社側もスピード感をもって対応できます。
②まずはやってみよう精神で取り組む
固定観念に縛られず、FULL KAITENを使って様々な行動ができる方は成果を創出しています。試行錯誤するなかで、その企業の課題解決に繋がる使い方を発見して定量的な成果に繋がる場合もあるので、頭で考えるだけではなく行動することも大切だと感じます。
③社内連携ができている
在庫の移動業務は、店舗での作業が伴います。個店最適ではなく、全社最適の考え方を店舗に伝え、在庫移動を行ってくださった企業もあり、そのような姿勢が非常に重要だと考えています。成果を出していらっしゃるお客様は、冷静にその場その場できちんと判断をして社内の連携をとっています。
ベビー・キッズアパレル小売業2社の事例
【斉藤】太田さんがご支援する、お客様の成果について教えてください。
【太田】ベビー・キッズアパレル小売業2社の事例を紹介します。
事例1:在庫配分で従来より稼働率が4倍UP。作業時間も1/3に低減
このお客様はFULL KAITEN〈在庫配分〉で成果創出に繋がりました。
FULL KAITEN導入前と導入後の在庫配分を比較するために、移動した在庫がどれくらい売れたのかを示す『稼働率』を算出したところ、FULL KAITEN導入後は約4倍まで伸長しました。
以前は毎週12時間ほど在庫配分業務に時間がかかっていましたが、現在は週当たり4時間ほどで業務が完了するようになったと伺いました。
実施した施策の善し悪しを判断する際は、お客様と数字を基に意見を出し合って改善点を見つけるようにしています。「何となく良かった、悪かった」と判断するのではなく、多角的に議論できているのは特に良い点だと思います。
今後は、店舗・EC別の在庫配分やシーズンごとの売行きの傾向を分析することで、よりお客様が成果を創出しやすくなるような情報提供をしたいです。
お客様は弊社が推奨する商品ライフサイクル(※)を加味した在庫配分を実践しているので、どのシーズンにどんな物を移動すれば売れやすい傾向にあるのかなどを分析し示唆を出したいと考えています。
(※)商品の投入から完売までのプロセスのこと。シーズン性の高い商品を扱う事業では売れる時期と販売期限が明確なため、商品ライフサイクルに沿った商売が特に重要。商品ライフサイクルに沿って販売計画を立案することで行うべき施策が立てやすくなり、利益最大化が可能になる
事例2:作業時間が大幅に減り、分析できる品番数が大幅に増加
丸高衣料株式会社様は、欠品による機会損失を抑制し、売上と粗利を向上するためにFULL KAITENを導入することを決めました。
丸高衣料株式会社 代表取締役社長・高浦隆彦様からは以下のようにコメントを頂いております。
丸高衣料様は、どのような課題があり、何を解決するかを最初から最後まですり合わせできた点が非常に良かったと思います。お客様の課題とFULL KAITENのトライアル時期を踏まえて、この3か月で何を最優先に改善するのかを理解し、それに対してお客様が「こうしたいです。」と意志を持ってくださった点も素晴らしかったです。
全ての課題を同時に解決しようとするのではなく、『まずはこれ』というゴールを決めて取り組みました。
弊社からの一方的な提案ではなく、お客様が実現したいことを明確に描いてくださったので、日々お話をする中で、「これがいいですね!」と双方で合意をしたうえで進めることができました。
太田の長所①「物怖じせず、誰とでも同じようにコミュニケーションができる」
【斉藤】ここから社員に実施した「太田さんの長所アンケート」を元に話を進めます。太田さんは、「率直」「計画性」「思いやり」というキーワードが掛け合わさっていると感じました。最初は「率直」に関して伺います。
【斉藤】太田さんのアンケートには、『物怖じしない』という声が多数ありましたが、幼少期からそうでしたか?
【太田】どちらかというと明確に意思表示をするタイプだったとは思いますが、学生時代は人前で話す機会が多かったのが影響していると思います。
【斉藤】人前で話す機会というのは、例えばどういうことですか?
【太田】部活の部長や学級委員もしていたので、仕切りたがりなところはあったのかもしれません(笑)先生など目上の人とも話す機会が多かったので、自分の意見を伝えて物怖じしない性格が醸成されたと思います。
【斉藤】ちなみに何部の部長だったのですか?
【太田】バドミントン部です。中学から大学まで続けました。
【斉藤】まさか、中学から大学までずっと部長でしたか?
【太田】そうです。大学は同級生が私含め2人だけだったので、人数的に部長になっただけなんですけど(笑)誰とでも喋れるので、そういう意味では部長に選ばれやすかったのかもしれません。
【斉藤】部長は部員と顧問の先生の客観的な推薦で選ばれると思うので、本当に凄いことだと思います。他にも、太田さんの長所アンケートでは以下のような声も寄せられました。
お客様に対してこのようなことを伝えるのは躊躇しませんか?
【太田】お客様が何を目指しているのかを明確に握っていると、多少言いにくいことでも伝えることができます。ですが、私も「お客様は本当はどうしたいのかな?」と探っている状態だとフワフワしたやりとりになってしまうこともあります。
【斉藤】お客様の本音を引き出すために、ミーティングの準備段階で実践していることはありますか?
【太田】準備段階で、「今日のゴールはここで、もし会話の中でこのゴールが難しい場合は、ゴールA、B、Cを用意しておこう。」と考えるようにしています。用意していたゴールに着地できない場合は、お客様が興味を持ってくださったり盛り上がったりした話をきちんと納得して頂いた状態で終わるように考えながらミーティングを進行しています。お客様の顔色や反応も見ながら、お互いに納得できるまで話すことを意識しています。
やっぱり、私が本音で話さないとお客様も本音で話さないと思います。
形式的なミーティングでよくある提案をしても、恐らくお客様はそんなに本音を言いません。
私もまだまだ課題はありますが、お客様のお話を聞く中で、「こういうことだと思います。」と自分なりの考え方を持って、オープンな気持ちで話をすることを意識しています。
弊社のCSは本音を引き出すのが上手な方が多いので、学ばせて頂いています。
太田の長所②「チーム内No.1の計画マン」
【斉藤】太田さんの長所2つ目は「計画性」です。
【斉藤】今回のアンケートで、スケジュール管理の好事例をチームにシェアしてくれたという声がありました。シェアした内容を教えてください。
【太田】スケジュール管理の方法を好事例として取り上げて頂き、チームにシェアしました。スケジュールの振り返りでは、各タスクに対して以下を洗い出しました。
・自分の予想より時間がかかったタスクはどれか
・そのタスクは実際にどれくらい時間がかかったか
例えば、Aというタスクを時間内に完了できなかった場合は、GoogleカレンダーにAを実行するのに実際にかかった時間を『延長枠』と表記し可視化します。決まった日に登録するのではなく、タスクが完了したらその都度登録しています。
毎週金曜日に振り返りをして、時間がかかってしまった時の要因も分析しました。自分の能力不足や、出先で思うようにパソコンを操作できない環境で手こずるなどのハード面が影響を与えていることもありました。
【斉藤】とても参考になります!スケジュールの振り返りは、いつから始めたのですか?
【太田】入社して1か月ほど経ち、担当のお客様を持ち始めた時からです。初めは数社ですが、社数が増えた際にどうなるのか想像がつかず危機感を感じました。この危機感を元CSマネージャーで現在はプロダクト戦略室・副室長の田中さんに相談したところ、「スケジュールの振り返りをしてみたらいいかもね!」とアドバイスを頂き、実践しました。
担当する社数が増えても仕事の質は変えずに量は増やしていきたいと思っているので、スケジュールの振り返りは意味のあるものだと思っています。
【斉藤】スケジュールの振り返りが効率の良さに繋がっているのだと分かりました。今回のアンケートで太田さんに対して「計画をたてる際は、一緒に働く人の前後の予定も考慮し、会議のムダを発生させないような時間配分の調整力もすごい。」という声もありました。どのようなことを配慮しているのか教えてください。
【太田】自ら会議をお願いするということは、その会議の後に自分がアウトプットする時間が必要だと思います。今回の取材であれば、斉藤(筆者)さんはこの内容を執筆する時間が必要だと思います。それと一緒で、会議を経て作った資料をお客様に送付する工程があるので、会議はリードタイムを逆算して設定するようにしています。
【斉藤】会議を設定するタイミングも留意していますか?
【太田】はい。相手が集中できるタイミングの方が会議も円滑に進むと思うので、相談したい相手がお客様とのミーティング前後ではないかや、重要な会議の前後ではないかもカレンダーを見て確認しています。例えば「この時間は会議の準備をするだろうな。」や「会議が終わったら内容の整理をしたいだろうな。」なども想像しています。
【斉藤】相手への思いやりが素晴らしいです。余談ですが、太田さんはプライベートでもスケジュールなどきっちり決めますか?
【太田】いえ(笑)休日は絶対に目覚ましのアラームをかけたくないですし、旅行も宿泊先と交通手段だけ決めて何をするかは前日か当日に決めます。
私の本来の性格も相まって、特に仕事では『きちんと計画しないと!』と意識するうちに計画的に行動することが習慣化したと思います。
太田の長所③「行動力の源は相手への思いやり」
【斉藤】太田さんの長所3つ目は「思いやり」です。
【斉藤】太田さんは自分から仕事を取りに行く姿勢が素晴らしいと思います。特に入社間もないことはそれを意識的に行っていたのですか?
【太田】いえ、特に意識はしていなかったのですが、『とにかくできることを増やそう』や『挑戦したことないことに取り組んでみよう』と考えて行動していました。取り組んだことでその先何につながるか明確に分からなくても、まずは自分事として考えられるようになるために行動することを意識していました。
【斉藤】自分で経験してみないと、良し悪しも判断できませんよね。アンケートでは『できるできないの前に動いている!スピードの速さ!迷わず動いている姿は、とても感化されています!』という声もありましたね。
【太田】自分ではあまりスピード感があるとは思っていなかったので意外でした。この話と繋がるかは分からないのですが、前職でお世話になっていた上司からは「自分のボスは社内の上司ではなくお客様だよ。」と言われたことがありました。お客様とは対等な関係でいたいですが、自分を評価するのは上司ではなくお客様だという気持ちを忘れずに、お客様に還元できることを増やしていきたいと思っています。
弊社に入社してからは、CSとしてお客様の支援のために必要なスキルを持ち合わせたいという意識が、結果的にスピード感に繋がっているのかもしれないと思いました。
【斉藤】弊社では、日本語を正しく使うことで仕事の生産性を上げることを目的にしている『日本語を正しく使おう会』がありますね。太田さんはこの会で学んだことを、ビジネススキルを向上することを目的にしている『ビジネススキル向上委員会』で発表したのが凄いと思いました。これもお客様の支援に必要なスキルの一つだと捉えて、自発的に発表したのですか?
【太田】はい。ビジネススキル向上委員会での発表は、私のプレゼンスキルが足りていないと思ったのでスキルを醸成するためにあの場を借りました。弊社はチャレンジを推奨してくれる社風なので本当に働きやすいです。「周りからこんな風に思われたらどうしよう。」などと考えずに仕事に集中できますし、社員皆が今の状況を良くしたいという気持ちは一緒だと感じます。スキルを向上させることで、お客様の業績を伸ばすことに繋がるご提案を目指したいです。
編集後記
取材の最後に、「何か言い残した事はありますか?」と太田さんに聞きました。
すると、「アンケートに、年齢、性別、役職問わずに誰とでも同じようなコミュニケーションができると書いてあったのが嬉しかったです!バイアスを持たないように意識していましたし、性格的にゴマすりできないですし(笑)」と話してくれました。
社員へのアンケートを通じてこのような声を引き出すことができ、この連載を続けていて良かったと思いました。
私が一番印象的だったのは、太田さんの「私が本音で話さないとお客様も本音で話さないと思います。」という言葉です。
本音が本音を引き出すことは私も経験がありますし、太田さんのように本音で支援するカスタマーサクセスがいるのは心強いと感じたインタビューでした。
次回のCSインタビューもご期待ください!
今までの記事はこちらでご覧になれます。