マガジンのカバー画像

読書めも

38
私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。
運営しているクリエイター

記事一覧

読書めも『ちはやふる』全50巻

 末次由紀作『ちはやふる』は、2016年に公開された実写映画「ちはやふる 上の句」「ちはやふる 下の句」の連続公開で、いずれも10億越えの興行収入を記録しています。そして2018年には「ちはやふる 結び」が公開されました。  映画はまだ原作が連載中に制作されたものでしたが、2008年2月から2022年8月の15年に及ぶ247話。コミック全50巻に及ぶ大作として完結しました。それにしても、ぴったり50巻。驚くべきは、42巻の後半から50巻にわたる8巻強には、名人戦とクイーン戦

気になる新刊ー2024年9月後半

『行動経済学の真実』 川越敏司 (著) 2024/9/17 公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系知能学科でゲーム理論、実験経済学を専門にする川越教授が45年の研究を総括し、最先端の研究の現状を書いた一冊。プロスペクト理論(損失回避性)をグラフを多用して紹介します。 『経済大国興亡史 1500-1990』上・下チャールズ・P.キンドルバーガー (著) 2024/9/18 繁栄を極めた経済大国がなぜ衰退の道を歩むのか。国際経済学・比較経済史の碩学が、ヨーロッパ、アメリ

岡田斗司夫ゼミ #542 秋の読書特集

岡田斗司夫ゼミで語られた無料部分の内容をピックアップしました。有料会員のみ視聴可能な限定とプレミアムで取り上げられた本は、紹介のみです。 無料「デジタル生存競争ー誰が生き残るのかー」 ダグラス・ラシュコフ著  電子書籍は990円で販売されています。単行本は、現在増刷中で9月20日以降に2,200円で手に入ります。  デジタル経済学の第一人者であるダグラス・ラシュコフ(Douglas Rushkoff)が、2022年に出版した "Survival of the Rich

読書めも『人類はどこで間違えたのか』中村桂子著

※私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。  まず、最初に言っておきます。「〇〇はどこで間違えたのか」というタイトルの本は数多くあります。このような安直で扇動的なタイトルの本は、あまり信用してはいけません。内容を疑って読み進むべきです。この本も、たぶん一般向けということで、かなり雑に書かれています。面白い本ですが、この本だけで結論を急がないようにした

読書めも『アメリカ革命-独立戦争から憲法制定、民主主義の拡大まで』 上村 剛 (著)

※私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 アメリカ革命研究 革命といえばフランス革命(1789-1799)やロシア革命(1917)、あるいは産業革命を思い浮かべます。一方で、アメリカ革命( American Revolution)という言葉はあまりなじみがなく、1775年から1783年のアメリカ独立戦争や1776年のアメリカ独立戦争などの出来事に焦

気になる新刊ー2024年9月前半

逆転した日本史 ~聖徳太子、坂本龍馬、鎖国が教科書から消える~河合敦 教科書変貌でひもとく、大人は知らない日本史新説! 本書では、高校教師歴27年、「世界一受けたい授業」でもおなじみ河合敦先生による、教科書を切り口にした歴史の新説や、教科書では紹介されない不都合な日本史などを紹介する。あなたの知っている「歴史」はもう古いかも!? 2024/09/04 観光消滅-観光立国の実像と虚像佐滝剛弘 東京、京都、ニセコ……訪日観光客の増加によるオーバーツーリズムの弊害が日本各地で問

読書めも『宙わたる教室』 伊与原 新 (著)

※私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 『宙わたる教室』  伊与原 新は、東京大学大学院で地球惑星科学を専攻し、博士号を取得しています。2010年に『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞し、推理作家としてデビューしました。  作品には、科学や地球物理学の知識が反映されており、この『宙わたる教室』でもストーリーの重要な部分を占め

読書めも『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー (著)

※私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 著者 マット・リドレー(Matt Ridley)は、主に進化生物学や経済学、科学哲学に関する著書で知られている、イギリスのジャーナリストです。進化生物学、遺伝学、経済学、歴史など、幅広いテーマに関心を持ち、一般の読者にもわかりやすく書かれた著書を残しています。  しかし、科学的厳密性が欠けているという批判

気になる新刊ー2024年8月後半

新刊『日本人が知らない世界遺産』 林 菜央 (著) 世界遺産登録って本当にめでたい?  看過できない意外なマイナスと現地の苦労を、日本人唯一の世界遺産条約専門官が徹底解説!そもそも、どのようなプロセスで世界遺産は選ばれるのか。選ばれることのデメリットはないのか。 ユネスコに20年以上勤務し、日本人としては唯一の世界遺産条約専門官である著者が体験してきた、世界遺産が直面する問題と、ユネスコの知られざる真実を語る。 2024/08/09 『M9地震に備えよ  南海トラフ

読書めも『ランサムウエア追跡チーム』レネー・ダドリー、ダニエル・ゴールデン著

※私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。  2018年から2022年まで取材した、ランサムウエアとの闘いを描いたドキュメンタリーです。  この本を手に取った人の中には、クリストフォード・ストールの『カッコウはコンピュータに卵を産む』(上・下)を読まれている方もいるでしょう。こちらは1980年代後半におこったハッカーとの攻防が描かれています。合わせ

読書めも『関数電卓がすごい』 芝村 裕吏 (著)

 私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 著者 | 芝村 裕吏 ≪しばむらゆうり≫さんは、ゲームデザイナーで作家、漫画原作者です。『高機動幻想ガンパレード・マーチ』のAI設計および基礎設計を担当するなど、多くのゲーム製作に携わっています。特に世界設定の構築では、複数の世界からなる無名世界観を創造し、戦争と日常が交錯する複雑な世界を作り上げました。

気になる新刊ー2024年8月前半

『人類はどこで間違えたのか-土とヒトの生命誌』 中村 桂子 (著) 中公新書ラクレ  2024/8/7 今、あらためて我々の生き方が問われている。独自の生命誌研究のパイオニアが「本来の道」を探る。 本書はまず40億年にわたる生命の歩みを振り返り、自然を、生きものを、そして我々自身をも手なずけようとしてきたサピエンス史を検証する。そこから環境破壊と格差を生み出した農耕の“原罪”を暴き出し、身近な「土」の重要性が明らかにする。 『公式は覚えないといけないの?』 矢崎 成俊

読書めも『事務に踊る人々』阿部公彦著

 私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 著者 阿部公彦さんは、英文学者、文芸評論家であり、東京大学の教授です。英文学と英語教育についての深い洞察をもち、現代の教育では英語でも日本語でも日常会話がせいぜいで、深い思考などできないセミリンガルを量産していると指摘しています。  セミリンガルとは、一方の言語の習得が不十分な状態で他方の言語を学び始めて

読書めも『なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで』 小林 恭子 (著)

私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。 著者 小林恭子さんは、イギリス在住のジャーナリストで、専門分野は外交・安全保障、ダイバーシティ、メディアなどです。「新聞研究」(日本新聞協会)、「Galac」(放送批評懇談会)、「メディア展望」(新聞通信調査会)でメディア論を連載したり、『英国メディア史』『英国公文書の世界史』『フィナンシャル・タイムズの実力