読書めも『関数電卓がすごい』 芝村 裕吏 (著)
私の読書メモをまとめてみました。実際に書かれている内容とは異なる部分があります。本に何が書かれているかを知るためには、やっぱり、自分でちゃんと読むことをお勧めします。
著者
| 芝村 裕吏 ≪しばむらゆうり≫さんは、ゲームデザイナーで作家、漫画原作者です。『高機動幻想ガンパレード・マーチ』のAI設計および基礎設計を担当するなど、多くのゲーム製作に携わっています。特に世界設定の構築では、複数の世界からなる無名世界観を創造し、戦争と日常が交錯する複雑な世界を作り上げました。
刀の知識も豊富で、『刀剣乱舞 ONLINE』のシナリオ担当もしています。
ちなみに、日本科学未来館では、2024年7月10日(水)~10月14日(月・祝)の間、「刀剣乱舞で学ぶ 日本刀と未来展 ‐刀剣男士のひみつ‐」を開催しています。
関数電卓
スマホの電卓で以下の計算をしてみてください。
1 + 3 * 5
普通の電卓だと、結果は 20 になりますが、関数電卓だと結果は 16 になります。 スマホの電卓も、立派な関数電卓だったのです。
関数電卓ってなに?っていう人もいるかもしれません。現在、国内で販売されている関数電卓のほとんどは、カシオです。わずかにシャープやキャノンも出しています。
メニューが表示されており、まるで電子辞書のよう。
カラーでグラフ表示ができて、MicroPythonも使える。
iPhoneの標準の電卓も、横向きにすると関数電卓になります。
メモ帳付きの関数電卓もあります。
数字を読む
普段の生活の中で、数字にどれだけ関心を払っているでしょうか。ニュースや社内情報には、様々な数字が入っています。この本は、簡単な数学を身に着けることで、身近な数字を読み、使う方法を教えてくれます。
大多数の人は、電卓を数字と加減乗除のキーだけで使っているかもしれません。メモリー・キーが使えれば、電卓を使いこなしている気になります。最近のスマホで標準で使える電卓も、関数電卓の機能が付いていますが、関数を使って計算したことがある人がどれだけいるでしょうか。
ビジネス数学教育課の深沢 真太郎さんのセミナーで参加者に「√」ボタンを使ったことがあるか尋ねたところ、使ったことがある人は1割程度でした。関数電卓なんて、いろんなキーがあって、どう使っていいかわからないという人がほとんどです。
本の中で関数電卓の購入を勧めていますが、スマホを使う方法でも大丈夫です。辞書も、印刷された辞書を所有するのか、スマホのアプリを使うのかと同様で、印刷された辞書が目の前にあれば「使ってみようかな」と思う機会が増えます。専用の物理デバイスは、面白そうだなといじっている間にだんだん体になじんでくるものです。まずは、触って簡単な使い方を覚える。そういうきっかけを与えてくれます。
数字は見ているだけではだめで、読むという習慣が必要です。この本では、数学的な話は初歩的な三角関数程度で、微分積分は入力の仕方程度を触れているだけです。
数学を忘れた人向けの電卓の本
数学が嫌いな人は当然ですが、数学が嫌いでない人も、大人になると数学的に考える機会が減ってきます。どれだけ身近に数字があろうとも字面を追っかけるだけで、そこから意味を読み取る努力をしていません。そのような人の頭の中は、常に棒グラフや折れ線グラフくらいの想像力しか育ちません。
まず、締め切りや期待値など、身近なものを数値化する習慣をつけましょう。目標達成のための計画を作るには、作業を数値化して管理します。仕事でない部分なら、完璧を目指さず、完成に近づくようにするだけでいいでしょう。進捗は緩急をつけた曲線で考えると、より現実的かもしれません。
目標を数式で表すことで、未来を予測できるようになります。厳密な数式を作成するには難しい勉強が必要になりますが、おおざっぱなものなら、自分でも作れます。間違ったと思ったら、その都度修正すればいいのです。
数字を読み、計算を習慣化することで、物事に対する新しい考え方が生まれ、知的好奇心を刺激し、モチベーションアップにつながります。そして、計画的でストレスの少ない生活に変わるきっかけになります。
必修の数学
タイミングよく、Newton 2024年9月号で「必修の数学」という特集が組まれています。
数学が日常にどのように役に立つのか、もう少し専門的な話題が書かれています。
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