気になる新刊ー2024年8月前半
『人類はどこで間違えたのか-土とヒトの生命誌』
中村 桂子 (著) 中公新書ラクレ 2024/8/7
今、あらためて我々の生き方が問われている。独自の生命誌研究のパイオニアが「本来の道」を探る。
本書はまず40億年にわたる生命の歩みを振り返り、自然を、生きものを、そして我々自身をも手なずけようとしてきたサピエンス史を検証する。そこから環境破壊と格差を生み出した農耕の“原罪”を暴き出し、身近な「土」の重要性が明らかにする。
『公式は覚えないといけないの?』
矢崎 成俊 (著) ちくまぷりまー新書 2024/8/8
数学は「どうして?」という学問なので、私たちは知らないうちに数学していることがある。先入観を捨てて世界を広げれば「わかる」ようになるし、客観的に論理の破綻なく世界中の人に説明できるのが数学の世界です。
「〇〇を解け」と命令される問題には意味がありません。心が折れそうなときには、数学に救われることも。これまでの数学への思い込みを打破しましょう。
『徳の起源 ――他人をおもいやる遺伝子』
マット・リドレー (著) ちくま学芸文庫 2024/8/9
生物が集団の中で、ときに自分の利益も犠牲にして協力をするのはなぜか? 労働・交易・戦争など豊富な事例をひきつつ「徳」と遺伝子の関係を解く。
『概説 北欧神話』
菅原 邦城 (著) ちくま学芸文庫 2024/8/9
世界観、種族、神々とその道具。馴染みあるが掴みづらい北欧神話の全体像を原資料に忠実に提示する。入門者から専門家まで必携の名著。
『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』
後藤 宗明 (著) 朝日新書 2024/8/9
40代でクビを3回経験し、書類選考や面接で落とされた数は100社以上、
そんな現実をリスキリングで打破! 自らも40歳を過ぎてから取り組んだ実践者でもあるリスキリングの第一人者が、中高年が直面するリアルな課題に応えます。
『他者の単一言語使用』
デリダ (著) 岩波文庫 2024/8/16
「私は一つしか言語をもっていない、ところがそれは私のものではない」――植民地支配下のアルジェリアに生を受けた〈フランス-マグレブ-ユダヤ人〉の特異な自伝的回想が告げる言語的追放、本来性なき離散する〈私〉の経験。ヨーロッパだけでなくアメリカ、日本など広範囲に影響を与えた。
『アメリカ革命-独立戦争から憲法制定、民主主義の拡大まで』
上村 剛 (著) 中公新書 2024/8/20
1776年に独立を宣言した13植民地がイギリスとの戦争に勝利し、憲法を創り、合衆国に生まれ変わったアメリカ革命。植民地時代から独立戦争、建国者たちが死闘を演じた憲法制定、党派の始まり、南北戦争へ。なぜ弱小国は革命を遂げ、覇権国家になったのか。大西洋をこえたスケールから、先住民・黒人奴隷の視点もふまえ、70年の歴史を清新に描きだす。
『消費者と日本経済の歴史-高度成長から社会運動、推し活ブームまで』
満薗 勇 (著) 中公新書 2024/8/20
応援消費やカスハラなど、消費者をめぐるニュースが増えている。本書は、消費革命をもたらした一九六〇年代から、安定成長期やバブル、そして長期経済停滞までを消費者の視点で描く。生産性向上運動、ダイエー・松下戦争、堤清二とセゾングループのビジョン、セブン‐イレブンの衝撃、お客様相談室の誕生などを通し、日本経済の歩みとともに変貌していく消費者と社会を描き出す。
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