#332 安静は麻薬、運動は万能薬〜障がい者雇用のパイオニア、ソニー・太陽〜
ソニーグループには、2つの特例子会社があります。
今日はそのうちの1つ、「ソニー・太陽株式会社」を紹介します。
1 創業者の思い
ソニー創業者の一人、井深 大氏のことばです。
ソニーの障がい者雇用が加速したのは1978年。
井深氏がソニー・太陽の全身となる株式会社サンインダストリーを設立したことがきっかけと言われています。
井深氏は、1973年に知的障がい者の授産施設として「希望の家」を設立しました。
知的障がいの授産施設というと、今でいう生活介護、就労継続支援B型のような感じです。
もしかしたら、1973年当時の井深氏は、障がい者は障がい者、の考えがあったのかもしれません。
しかし、東京パラリンピックの開催実現の立役者、中村博士が創立した「太陽の家」で障がい者が生き生きと働く姿に感銘を受け、授産施設の利用者として、ではなく、会社の従業員として、障がい者雇用を推進。
設立までの流れを振り返ってから、冒頭のことばに想いを馳せると、井深氏が単に理想を語ったものではないということがより伝わってきます。
2 高品質なものづくりと健康経営
ソニー太陽は、ソニー製品の主に「音づくり」に関する領域に特化している企業です。
音に関する設計、製造、サービスまでを行う企業であり、音の入り口と出口を世界中に届けています。
代表的な製品は、2015年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した業務用マイクロホン「C-38B」。
以降、2016年にソニーの最高峰ヘッドホン、「MDR-Z1R」の生産開始など、本格的な事業をおこなっています。
「障がいの概念をプロダクトから変えている」といえば、真っ先に思いつくのがヘラルボニーの製品かと思いますが
ソニー・太陽は、商品単価25万のヘッドホンを生産している工場。
こうとらえると、インパクトの大きい事業をしているなと感じます。
また、バリアフリー環境についても一線を画していると思われます。
車いす使用者にも使いやすいテーブルの高さ
障がいを理由しないための治具・工具の開発 など
産業医と連携しながらこれらの環境づくりを行なったとのこと。
さらには、健康経営を促進するために同社が大切にしていることばがあります。
安静は麻薬、運動は万能薬
運動に取り組む従業員数を同社では数値でおっています。
さらには、健康経営宣言を公表。
ロゴマークとともに、「健康ファースト」というキャッチフレーズも。
障がい者雇用の経験を活かしたノウハウ提供を積極的に行うなど
その取り組みは社内だけに留まりません。
3 まとめ
全社員のうち、身体障がいのある人が6割を占める同社。
さまざまなバリアを取り除く工夫、健康経営の取り組みによって高品質なものづくりに結びつけている。
「身体が資本」を体現していると感じました。
ソニー・太陽株式会社のHPはこちら。
ソニーの障がい者雇用についての取り組みは、下記にまとまっています。
共感するところも多いソニーの障がい者雇用。
トップの本質を突くメッセージと、
それを形にする努力・追求をこれでもかと感じさせられました。
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/blog/2023/11/30/
だいぶ長くなったので、今日は以上!
ソニーグループのもう一つの特例子会社は、東京にあるソニー希望・光ですが、こちらは、精神障がいのある方が多く活躍しています。
昨年、エクセレントカンパニー賞・PRIDE指標2023を受賞など、注目すべき点が多々。
気が向いたら(笑)、こちらについてもまとめたいと思います!!
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